2021年7月時点で日本は25件の世界遺産を有しています。その内20件は文化遺産、5件は自然遺産です。このコラムでは、数ある日本の世界遺産のなかから、旅行や観光におすすめの文化遺産をピックアップして紹介します。日本の歴史を感じさせる文化遺産は、神秘的で美しく非日常的な魅力を感じられるでしょう。文化遺産に関する情報もまとめて乗せているので、訪れる予定がある方はチェックしてみてください。
目次
日本の文化遺産
日本の世界遺産25件のうち、文化遺産の数は20件です。文化遺産は、遺跡や建造物、産業遺産などに分類され、地域ごとの歴史を物語っています。古来の人々が長い時間をかけて作り上げたものや、戦争の原爆がきっかけとなったものなど、由来はさまざまです。日本の北陸から沖縄までさまざまな地域に位置しており、2021年7月時点で合計で20個あります。
参照元 文化遺産オンライン「世界遺産」
ピックアップ記事
日本にある神社仏閣の文化遺産
日本の寺社には、以下の文化遺産があります。古くから伝わる寺社の神秘的な光景が、海外でも有名です。
法隆寺地域の仏教建造物と古都奈良の文化財
法隆寺をはじめとする一連の寺院は奈良県に位置しており、木造建築が数多く残っています。1993年に日本初の文化遺産に認定されました。特に法隆寺の西院伽藍は、世界最古の木造建築として世界的にも有名です。
古都京都の文化財
古都京都の文化財は、1994年に文化遺産に登録されました。京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在しています。点在する17ヵ所の寺社と城で構成されており、世界的に有名で海外からの観光客も多い文化財です。
厳島神社
厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、広島県廿日市市の厳島にある神社です。1996年に、文化遺産に登録されました。海の上に見える赤い鳥居が特徴で、その神秘さが見る人を圧倒させます。日本中だけでなく世界中から多くの観光客が訪れることで有名です。
日光の社寺
日光の社寺は、栃木県日光市に位置しており、1999年に文化遺産に登録されました。二社一寺(日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社)及びこれらの建造物をとりまく遺跡があり、その中には国宝9棟、重要文化財94棟の計103棟の建造物が含まれています。
日本の文化遺産についてさらに知りたい方は、詳しく書かれたコラム「日本建築の特徴とは?歴史や有名な建物も紹介」もぜひご覧ください。
日本の歴史を象徴する文化遺産
文化遺産には、日本の歴史を象徴するものが多数あります。
明治日本の産業革命遺産
明治日本の産業革命遺産は、2015年に文化遺産に登録されました。山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡の8県に点在します。炭鉱や鉄鋼業、造船業に関する文化遺産で、稼働遺産を含む世界遺産の登録は日本では初めてとなりました。
石見銀山遺跡とその文化的景観
石見銀山遺跡とその文化的景観は、歴史的な鉱山遺跡です。2007年、鉱山遺跡としてはアジアで初めて世界遺産に登録されました。その規模は東京ディズニーランド約11個分といわれています。当時を彷彿とさせる町の人々が、現在も歴史を伝え残しています。
富岡製糸場と絹産業遺産群
富岡製糸場と絹産業遺産群は、群馬県に位置しています。世界と日本との間の「技術交流」を主題とした、近代の絹産業に関する遺産です。2014年に文化遺産に認定され、群馬県を代表する有名な観光地となっています。
琉球王国のグスクおよび関連遺産群
琉球王国のグスク及び関連遺産群は、沖縄本島南部を中心に点在する、琉球王国の史跡群から構成される文化遺産です。沖縄の「グスク」は、「城跡」と言う意味があります。2000年に文化遺産に登録され、現在も、先祖への崇拝と祈願を通して、地域住民の心のよりどころになっているのです。
原爆ドーム
原爆ドームはもともと、広島県内の物産品の展示・販売をする施設でした。1945年、アメリカ軍が広島に投下した原子爆弾によって建物が大破し、残酷な戦争を物語るものへと変化したのです。1996年に文化遺産に認定され、原爆の威力や悲惨さを、現在も伝え続けています。
百舌鳥・古市古墳群
百舌鳥・古市古墳群は、日本の古墳時代に築造された、古代の王たちの墓群です。2019年に、文化遺産に認定されました。政治文化の中心地のひとつであり、大陸に向かう航路の出発点であった大阪平野に位置しています。
その他、日本の建造物について詳しく知りたい方は、「日本の歴史的建造物21選!人気のスポットを地域別に紹介」のコラムもおすすめです。
日本の自然豊かな文化遺産
日本の自然は世界中から美しいと称賛されており、大きな魅力の一つです。ここでは、自然に関する文化遺産を紹介します。
白川郷・五箇山の合掌造り集落
白川郷・五箇山の合掌造り集落は、飛越地方(現在の富山県)に位置しています。1976年に白川郷が重要伝統的建造物群保存地区として選定され、その後1995年には五箇山(富山県)とともに、文化遺産に登録されました。
紀伊山地の霊場と参詣道
紀伊山地の霊場と参詣道は、和歌山県に位置しています。2004年、熊野三山、高野山、吉野・大峯の三つの霊場とそこに至る参詣道や景観が文化遺産として登録されました。
富士山-信仰の対象と芸術の源泉
静岡県と山梨県にまたがる日本最高峰の富士山は、2013年に文化遺産に登録された、日本で最も有名な山です。江戸時代の著名な日本画家・葛飾北斎の「富嶽三十六景」に代表される題材として、国際的に大きな影響を及ぼしました。
日本の宗教観が表れている文化遺産
日本は古くから、仏教やキリスト教の教えを多く受け継いできました。ここでは、その精神を象徴する文化遺産を紹介します。
平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園および考古学的遺跡群
平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群は岩手県に位置しています。2011年に、文化遺産に登録されました。中尊寺・毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡・金鶏山という5つの資産で構成された遺跡です。
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群は、日本列島と朝鮮半島の間に位置しています。古来の日本人が、東アジアとの交流を進めた歴史を物語っている有名な遺産として、2017年に文化遺産に認定されました。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産は、長崎県に位置しています。戦国時代、キリスト教が禁じられている中で信仰を続けた、潜伏キリシタンの信仰継続にかかわる伝統の証です。
その他おすすめの日本の文化遺産
その他の文化遺産として、以下の建造物があります。
姫路城
姫路城は、兵庫県姫路市にある日本の城です。江戸時代に建てられ、1993年に国宝や文化遺産に指定されています。観光だけでなく、コンサートやイベントもたびたび開催されるため、日本では特に認知度の高い城の一つです。
国立西洋美術館本館
国立西洋美術館は、東京・上野公園に位置しています。戦後、日本とフランスの国交回復や関係改善の象徴として設立されました。世界的な建築家のひとりであるル・コルビュジエの設計により創られ、2016年に日本の文化遺産に指定されています。
まとめ
日本の文化遺産には、古来から伝わるものや日本の歴史を象徴するものが数多くあります。日本は広範囲に文化遺産が点在しているので、各地を巡ってみるのも良いでしょう。