日本には、外国では見ることのない独自の文化が存在します。普段は意識しないような習慣のなかにも日本文化は根づいており、当たり前だと思っていた行動で驚かれることも。そこで、このコラムでは日本文化とは何かを分かりやすく紹介します。海外と比べてどのような文化の違いがあるかもまとめているので、日本について上手く説明できるようになりたい方は参考にしてください。
目次
特徴的な日本独自の文化
日本は身体的コミュニケーションを避ける、個人で何かを成し遂げることよりも協調性を大事にするなど、特徴的な文化を持っています。海外では握手やハグといったコミュニケーションが一般的なため、珍しい文化といわれることもあるようです。言語コミュニケーションを重視し、奥ゆかしさや慎ましさを重んじる日本人が持つ性質自体が、一種の文化であるとも捉えられるでしょう。
海で囲まれた島国である日本は、江戸時代に鎖国をしていたこともあり、外国と接する機会は限られていました。そのような歴史の中で先人たちが独自に発展させてきた食生活や伝統などの文化が、現在の日本人にまで受け継がれているのです。
西洋文化との違いについて「日本の文化をまとめて一覧で紹介!独自の価値観や海外との違いも解説」のコラムでも解説していますので、あわせてご覧ください。
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日本の文化の特徴~食事~
和食は平成25年にユネスコ無形文化遺産に登録された、伝統ある食文化です。食べ物自体だけでなく、食事の際にも日本独自の文化があります。
食事のとき「いただきます」と「ごちそうさま」を言う
食べる前には「いただきます」食べ終わったあとには「ごちそうさま」と言うのは、日本独自の文化です。肉や魚などの命を食べること、野菜や穀物を育ててくれた生産者、食事を作ってくれた人に対して感謝する意味があります。
食器を持って食べる
日本では、小さな食器やお椀に盛られた食べ物は持って食べる習慣があります。日本人が白米や味噌汁などを盛ったお椀は持って食べているのが例です。食器を持って食べないと「犬食い」というマナーの悪い食べ方になってしまい、あまり印象が良くありません。
箸を使う
食事のほとんどで箸を使うのは、日本ならではの文化です。韓国や中国、タイ、ベトナムなどの国でも箸は使われますが、料理に合わせて、フォークやスプーンが頻繁に使われるのが一般的です。しかし、日本では必ずといって良いほど箸が使われます。洋食を食べるときはその国の食事スタイルに合わせてナイフやフォークなどを使うこともありますが、箸食文化圏のなかでも日本は箸で食事を摂る習慣が根づいているといえるでしょう。
「日本の食文化「和食」とは?特徴や文化の違いについても紹介」のコラムでは、和食の種類や食事のマナーについて紹介しています。日本の食文化に興味のある方はぜひご一読ください。
日本の文化の特徴~伝統~
古くから受け継がれる日本の伝統は、今なお盛んです。ときには日本国外の人をも魅了し、来日するきっかけを作るほどです。ここでは、多くの人々を魅了する伝統的な日本文化の特徴を紹介します。
わびさび
わびさびは日本の美意識を表現している言葉で、「侘び」と「寂び」という2つの名詞がくっついたものです。古びたもの、枯れたもの、不完全なものの趣きが美しいという考え方で、日本庭園や盆栽などにはわびさびの考え方が深く反映されています。
芸能
日本には落語や歌舞伎など、独自の伝統芸能が存在します。これらの歴史は発祥した時代から現在まで受け継がれ、人気を博している芸能です。若い世代にも人気があり、老若男女が楽しめる日本の文化といえるでしょう。
自然を重んじる
日本は人工的に整えられたものよりも、あるがままの自然を重んじる文化があります。自然の美しい面ばかりを見るのではなく、地震や津波といった災害にも負けずに立ち向かう姿勢をあわせ持つのも日本の特徴です。
日本の伝統文化についてさらに詳しく知りたい方は「日本の伝統文化といえば何がある?継承への取り組みについても解説」のコラムもおすすめです。
日本の文化の特徴~日常~
日本の文化は、何気ない日常の中にも染み渡っています。ここでは、日常における日本文化の特徴について紹介するので、理解を深めるためにもチェックしてみましょう。
相槌を打つ
日本人は、会話の合間で相槌を打つことがあります。話の途中で相槌を打たれると「自分が話しているのに邪魔をされた」と感じる人もいますが、日本では相手の話を聞いていることを伝えるための行為です。コミュニケーションを円滑にするために相槌を打つのは、相手をの配慮を怠らない日本独自の文化といえるでしょう。
謙遜する
日本人は、日常のさまざまな場面で謙遜(けんそん)する癖があります。たとえば、お土産や菓子折りなどを渡すときに「つまらないものですが」といったり、人から褒められても「とんでもないです」と否定したりするのが一般的です。日本ではよく見られることですが、このような謙遜は外国では失礼に当たることがあります。日本には自分を下げて相対的に相手の立場を上げる考え方が浸透しているため、多くの人々が会話のなかで謙遜する場面があるようです。
暗黙の了解(空気を読む)
日本には暗黙の了解という、「強制されたわけではないがそうするべきだ」という独自の空気感があります。たとえば、電車では高齢者や妊婦に席を譲る、エレベーターではボタンに近い場所に立っている人がドアの開閉を行うなどです。このように、自分のいる場や環境において推奨される行動を率先して行うことが求められるのも、日本人の文化の一つといえます。
言葉を本来の意味で受け取らない場面がある
日本では、特定の言葉を本来の意味で受け取らないことがあります。たとえば、「大丈夫」という言葉は、本来「危なげがなく安心できるさま」「まちがいがなく確かなこと」という意味ですが、昨今は可・不可や不要の意を伝える場合にも使われるようになりました。ほかにも、状況によって本来の意味とは違う用途で使用される言葉は多数あり、日本の文化に不慣れな人には判断が難しいでしょう。
まとめ
食事や伝統、日常の中など、日本の文化はさまざまなものに浸透しています。このコラムで紹介した日本の文化の特徴は、ほんの一部に過ぎません。もっとくわしく知りたい方は、興味のある分野にフォーカスを当てて日本の文化を掘り下げてみましょう。