日本の季節の食べ物には何がある?春夏秋冬の旬の食材を一覧で紹介

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2023/03/03

日本は四季がはっきりしており、春夏秋冬で異なる季節の食べ物が出回る国です。春はイチゴ、夏はスイカ、秋はサツマイモ、冬はカニやミカンなどが店頭に並びます。季節の訪れを告げる食材を食べることは、楽しみの一つです。
このコラムでは、それぞれの季節においしくなる野菜や魚介類、果物を紹介。「旬(しゅん)」「初物(はつもの)」といった季節の食べ物に関する言葉や、特別な日に食べる「行事食」も解説しています。

目次

  1. 日本人は季節の食べ物を重要視してきた
  2. 日本の季節の食べ物とは?
  3. 日本の行事で食べられる季節の食べ物
  4. まとめ

日本人は季節の食べ物を重要視してきた

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日本人は季節の食べ物を大切に考えてきました。ここでは、「旬」と「初物」という季節の食べ物に関する言葉を紹介します。

旬の食材とは?

旬とは特定の食べ物の収穫量が一年中で最も多くなる時期を指す言葉です。野菜や果物はもちろん、産卵期や水温で漁獲量が変化する魚介類にも旬が存在。一番美味しく食べられるタイミングであり、旬の食材や料理からは季節の変化が感じられます。

旬の食材ほど流通量が多くなり、スーパーマーケットや市場での販売価格が安くなりやすいのもポイント。旬の食材を把握することは、日々の食費の節約にも役立ちます。

また「大根おろしに医者いらず(※)」ということわざがあるように、昔の日本人にとって旬の食べ物は健康食材でもありました。「医者いらず」はさすがに言い過ぎですが、旬になると栄養価が高まる食材があることは現代科学でも証明されており、たとえば夏の食べ物であるトマトには、身体を冷やしたり日焼けを防止したりする効果が期待できます。

※冬が旬の大根を日常的に食べれば風邪を引かないとされていました。

初物とは?

初物とは、一年の中で初めて採れた食べ物のことです。江戸時代の日本では、初物は縁起が良く食べると寿命が75日延びるといわれていました。旬の食べ物は比較的安い値段で販売されますが、初物は高い価格になる傾向があります。日本人の多くが、「初物=特別な食べ物」という意識を持っているためといえるでしょう。

日本の食文化については、「日本の食べ物を外国人に向けて紹介!文化について解説」のコラムでも解説しています。

日本の季節の食べ物とは?

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ここでは、春夏秋冬に分けてどのような季節の食べ物が旬を迎えるかを紹介します。

春が旬の食材:菜の花、筍(タケノコ)、新キャベツ、サワラ、イチゴなど

夏が旬の食材:トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、アユ、スイカなど

秋が旬の食材:サツマイモ、サンマ、サバ、梨、柿など

冬が旬の食材: 白菜、大根、春菊、ブリ、タラ、ミカンなど

現代では、ハウス栽培した野菜や養殖した魚介類が特定の季節以外でも出回るようになりました。食べ物の加工技術も発達し、缶詰やレトルト加工、冷凍保存した食べ物も売られています。そのため、ある食材が特定の季節の食べ物という認識は薄くなっているといえるでしょう。

しかし、前述したように食べ物は旬が本来の食べごろです。果物だと甘みが増す、魚だと脂がのるといったように味が良くなり、栄養価・価格の面でもメリットが期待できます。

季節の食べ物一覧【春編】

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春が旬の食べ物には、アスパラ・筍・ゼンマイ・ウドなど、地面近くで力強く育つ野菜が多く含まれ、雪解けによる新たな四季の始まりを連想させます。特に筍や山菜類は、炊き込みご飯や天ぷらにすることで、芳醇な山の香りを楽しめるでしょう。ジャガイモや玉ネギの中でも、特に春に採れる物を新ジャガイモや新玉ネギと呼び、柔らかくみずみずしいため好まれます。
アサリやハマグリなどの貝類も春に出回る季節の食べ物で、吸い物や酒蒸しなどにして食べるのがおすすめです。

春が旬の野菜一覧

菜の花/筍/新キャベツ/アスパラガス/レタス/新ジャガイモ/新玉ネギ/カブ/アサツキ/カラシ菜/サヤエンドウ/グリンピース/ニラ/フキ/三つ葉/木の芽/ゼンマイ/ウド/ワラビ

春が旬の魚介類一覧

サワラ/タイ/ニシン/サヨリ/ワカサギ/アイナメ/メバル/トビウオ/カツオ/コウイカ/シラウオ/アサリ/ハマグリ/シジミ/サザエ

春が旬の果物一覧

イチゴ/ハッサク/夏ミカン/サンポウカン

季節の食べ物一覧【夏編】

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夏はトマト・キュウリのサラダ、ナスの煮びたし、トウモロコシの冷製スープなど、冷たい状態で美味しく食べられる野菜がたくさん実ります。オクラや青ジソは、夏の代名詞であるそうめんの薬味にぴったりです。
夏に流通する魚介類には、アナゴやタチウオ、ハモなどがあります。なお、タコは産地によってよく獲れる季節が異なり、関西のタコは夏が旬です。

夏が旬の野菜一覧

トマト/キュウリ/ナス/ピーマン/オクラ/トウモロコシ/枝豆/ソラ豆/サヤインゲン/新ゴボウ/玉ネギ/青ジソ/シシトウ/ミョウガ/モロヘイヤ/ゴーヤ/白ウリ/冬瓜(トウガン)/ズイキ

夏が旬の魚介類一覧

アユ/アナゴ/タチウオ/カマス/ハマチ/アイナメ/ハモ/シタビラメ/スズキ/クロダイ/マイワシ/カタクチイワシ/シマアジ/イワナ/タコ/コハダ/キス/カワハギ/イサキ/コチ/アワビ

夏が旬の果物一覧

スイカ/梅/サクランボ/ビワ/ユスラウメ/クワ/スモモ/桃/マクワウリ/スイカ/梨/ブドウ/木イチゴ

季節の食べ物一覧【秋編】

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秋は、「食欲の秋」といわれるほど美味しい食べ物が出回る季節です。焼き栗やサツマイモを焼いた焼き芋など温かい食べ物が好まれます。なお、カボチャは夏に収穫しますが、数ヶ月熟するのを待った方が美味しくなるため、秋が旬です。
また、回遊魚であるサワラは産地により旬が異なります。関西では春の食べ物ですが、関東では秋から初冬にかけて獲れる魚です。

秋が旬の野菜一覧

サツマイモ/里イモ/新ショウガ/カボチャ/ナス/ニンジン/キノコ/落花生/カブ/長ネギ/ゴボウ/ホウレン草/ワケギ/ジャガイモ

秋が旬の魚介類一覧

サンマ/サバ/ウルメイワシ/ハゼ/サワラ/イシカレイ/カマス/サケ/アマダイ/ウナギ

秋が旬の果物一覧

梨/柿/葡萄/イチジク/ザクロ/柿/リンゴ/ミカン

季節の食べ物一覧【冬編】

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冬に良く出回る季節の野菜は、白菜や春菊、ホウレン草などです。ブリやタラ、カキといった魚介類も美味しい時期で、これらの魚介類を使った鍋も食べられます。なお、関東以北が産地のタコは冬が旬です。

冬が旬の野菜一覧

白菜/大根/春菊/レンコン/ホウレン草/カブ/長ネギ/ヤツガシラ/山イモ/小松菜/芽キャベツ/ニンジン/カリフラワー/ワサビ/ブロッコリー/京菜

冬が旬の魚介類一覧

ブリ/タラ/アンコウ/サワラ/カキ/フグ/アマダイ/マナガツオ/ヒラメ/ヤリイカ/ワカサギ/ホタテ貝/タコ/イワシ/サヨリ/ボラ/カニ/イトヨリダイ/クロダイ

冬が旬の果物一覧

ミカン/リンゴ/レモン/柿/オレンジ/ハッサク/キンカン/キウイ/イヨカン

日本の行事で食べられる季節の食べ物

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日本では、行事やお祝いの日に行事食を食べます。行事食にも季節の食べ物がたくさん取り入れられており、四季の変化が感じられるのが特徴です。また、古くから言い伝えられてきた、縁起の良い食べ物が使われています。

おせち料理【お正月】

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おせち料理は重箱に詰められており、一つひとつのおかずに家族の健康や長生きへの願い、縁起の良い意味などが込められています。たとえば、昆布巻きは「喜び」、紅白かまぼこは「喜び」「めでたさ」「神聖」です。

栗きんとん:金運に恵まれて豊かに暮らせますように

里イモ/数の子:子宝に恵まれますように

黒豆:まめに暮らせますように

海老/ゴボウ:長生きできますように

田作り:良いお米がとれますように

クワイ:芽が出ますように

伊達巻き:知恵が増えますように

おせち料理は新年に幸福をもたらす年神様(としがみさま)に供えたあと、家族で食べます。

雑煮【お正月】

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雑煮(ぞうに)も正月料理の一つです。お餅や鶏肉、大根、ホウレン草、かまぼこなどをよく入れますが、地域によって具材や出汁が異なります。お餅の形や調理方法も地域ごとに違いがあるのが特徴です。

関東では四角いお餅、関西では丸いお餅を使用するのが一般的。全国的に多い出汁はすまし汁ですが、白味噌や合わせ味噌を使うところもあり、バラエティーに富んでいます。

七草粥【人日の節句】

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七草粥(ななくさがゆ)は人日の節句(じんじつのせっく)である1月7日に食べる行事食です。「一年間健康に過ごせるように」と願って、七草(セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ)が入ったお粥を食べます。お正月はおせち料理や雑煮などのご馳走を食べる日が続くため、七草粥を食べて疲れた胃を休める目的があるのです。

セリは動脈硬化の抑制や整腸作用、ナズナは解熱や止血作用、ゴギョウは咳止めやむくみ解消、ハコベラは鎮痛作用や利尿作用があります。ホトケノザは高血圧予防、スズナは便秘防止、スズシロは胃炎や冷え性に効果的です。

ちらし寿司【桃の節句】

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女の子の健やかな成長を願う3月3日の桃の節句(もものせっく)は、ちらし寿司を食べて家族でお祝いします。日本では古くからお祝いの日に寿司を食べる習慣がありました。

ちらし寿司は、酢飯のうえにエビやレンコン、錦糸卵(きんしたまご:卵を薄く焼き細く切った料理)などの具材を載せた寿司の一種です。
海老には「長生きできるように」、レンコンには「将来の見通しが立ちますように」、錦糸卵には「金運に恵まれますように」といった願いが込められています。見た目も美しく縁起の良い具材も使っているちらし寿司は、桃の節句にぴったりな料理といえるでしょう。

ちまき【端午の節句】

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男の子の健康を願う5月5日の端午の節句(たんごのせっく)では、ちまきを食べます。ちまきとは、もち米やお餅を笹で包んで蒸した料理です。「男の子が無事に育つように」と厄除けの意味が込められています。

ちまきに入れられる具材は地域によって異なります。北日本や東日本で食べられるのは、もち米と肉、シイタケ、筍などを醤油や酒で味付けしたちまきです。西日本では、甘いお餅が入ったちまきがよく食べられます。

そうめん【七夕】

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7月7日に行われる七夕(たなばた)では、そうめんが食べられます。
七夕は、7月7日だけ天の川を渡って会うことを許されている、織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)の伝説が元となっている行事です。

7日7日前後には、習い事の上達や勉学の向上などの願いを書いた短冊を笹に結びつけて、自分の夢や目標の達成を祈ります。古くは、裁縫や織物の上達を願っていたため、白い糸に見立てたそうめんを食べるようになりました。ほかにも、天の川をそうめんに見立てているといった説もあります。

精進料理【お盆】

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精進料理はお盆や法要の際に食べる料理です。仏教の教えに基づいた料理で、動物性の食べ物や匂いが強い野菜を使うのは禁止されています。

サツマイモやレンコン、ナス、ニンジン、シイタケなどの季節の野菜を使用した天ぷらや煮物などが代表的な精進料理です。豆腐にこぼうやにんじんを刻んで揚げた「がんもどき」や漬物なども精進料理として出されます。季節の野菜を沢山いれて煮込んだけんちん汁も欠かせません。

精進料理は修行僧のために作られた料理でしたが、現在では季節の食べ物を楽しめる料理として注目されています。

年越しそば【大晦日】

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一年の最後の日である12月31日の大晦日(おおみそか)に食べるのが年越しそばです。そばの長い形状に、「長く生きられますように」「長く家族と過ごせますように」といった願いを込めて食べられてきました。また、ほかの麺に比べて切れやすい性質があるため、「旧年にあったさまざまな災いを切り離す」との意味もあります。

年越しそばは、地域によってニシンや大根おろしを乗せます。地域ごとの特色が表れる食べ物といえるでしょう。

日本には、ほかにもさまざまな行事があります。行事食についてさらに詳しく知りたい方は「日本の年中行事や伝統行事を一覧で解説!特別な日の風習や行事食とは?」のコラムもご覧ください。

まとめ

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日本は四季が明確に分かれているため、春夏秋冬ごとに季節の食べ物があります。日本人は旬の食材を食べて季節を感じたり、その時期に必要な栄養を摂ったりしているのです。
伝統行事の際に食べる料理にも、季節の食べ物が多く使用されています。一年の中で最も美味しく食べられる時期に旬の食材を食べて、季節を感じてみましょう。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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