外国人の雇用保険の加入手続き【添付書類や適用除外者も解説】

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外国人の雇用保険の加入手続き【添付書類や適用除外者も解説】

雇用保険は国籍関係なく加入できます。そのため、雇用した外国人が雇用保険の加入条件を満たしている場合は、雇用する企業がハローワークで手続きをしなくてはなりません。
このコラムでは、外国人の雇用保険手続きの流れや届出書類の書き方を解説します。届出忘れの際に科される罰則や雇用保険の対象にならない外国人の例も雇用主向けにまとめているので、参考にしてください。

目次

  1. 雇用保険の加入手続きが必要な外国人
  2. 雇用保険の加入手続きが不要な外国人
  3. 外国人の雇用保険加入手続きについて
  4. 外国人労働者の雇用保険脱退手続きについて
  5. 外国人の雇用保険手続きで注意すべきこと
  6. まとめ

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雇用保険の加入手続きが必要な外国人

雇用保険の加入手続きが必要な外国人の画像

「週の所定労働時間が20時間を超えており、31日以上継続して雇用する見込みがある人」は、雇用保険の加入対象です。国籍による区別はないため、条件を満たしていれば外国人労働者も雇用保険に加入する必要があります。正社員として外国人を採用した場合は基本的に加入手続きが必要なので、忘れないようにしましょう。

参照元 厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!

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雇用保険の加入手続きが不要な外国人

雇用保険の加入手続きが不要な外国人の画像

以下の条件に当てはまる外国人は、雇用保険の加入手続きが不要です。

ワーキングホリデーで在留している外国人

ワーキングホリデーで日本に滞在している外国人は、雇用保険の適用対象外とされています。ワーキングホリデーとは、休暇目的で来日した外国人に対して滞在費のための就労を許可する制度のことです。あくまで休暇のために来日しているので、再就職支援や失業手当を受ける必要がないと判断されます。そのため雇用保険には加入できません。なお、ワーキングホリデーの外国人は、「特定活動」という在留資格(ビザ)を持っています。

勤務時間が週20時間未満の外国人

働く勤務時間が週20時間未満の従業員も、雇用保険の適用対象外です。雇用保険の加入条件は日本人も外国人も同じなので、週28時間未満の短時間働くパートタイム労働者や契約社員の場合は、雇用保険への加入が必要ありません。なお、厚生労働省は2028年を目途に、雇用保険の適用範囲を拡大する見込みです。今後の動きに注目し、最新情報をチェックしておきましょう。

31日以上の雇用見込みがない外国人

30日以下の短期間だけ雇用する場合も、雇用保険の対象外となります。

昼間部の学校に通う外国人留学生

週20時間以上働いている従業員でも、昼間部の学校に通っている場合は雇用保険の加入対象になりません。日中に学校に通う学生は学業が本分であり、失業した場合のサポートは不要と考えられているのが理由です。ただし、卒業の見込みがありアルバイト先でそのまま就職が決まっている学生の場合は、雇用保険に加入させなければなりません。日本人学生にも留学生にも適用されるルールなので、覚えておきましょう。

海外企業からの給与所得がある外国人

出向のために海外企業から日本に派遣されている人も、雇用保険の加入対象外です。海外企業から給与所得を得ている外国人は、日本で失業しても帰国して働けるため、再就職支援や給付金は不要とされています。なお、海外の企業から出向して日本に来ていても、日本企業と雇用契約を結び、日本企業から給料を支払われている外国人は雇用保険に加入します。雇用契約の内容をしっかり確認し、届出忘れがないように注意してください。

外国人の雇用保険加入手続きについて

外国人の雇用保険加入手続きについての画像

ここでは、外国人を雇用した際の雇用保険の加入手続きを解説します。基本的には日本人のときと同様ですが、外国人の場合は「外国人雇用状況届出」も兼ねており、雇用保険被保険者資格取得届の記入方法が異なるので注意しましょう。

手続きをする場所

手続きをするのは企業の所在地を管轄するハローワークの窓口です。また、e-Govを用いた電子申請でも行えます。

手続きの期限

手続きは外国人を雇用した月の翌月10日までに行います。

必要な書類

雇用保険の加入手続きでは「雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)を使います。

雇用保険被保険者資格取得届の記入方法

ここでは、雇用保険被保険者資格取得届の記入方法を解説します。外国人を雇用する際は、17番~23番も忘れずに記入しましょう。

  1. 個人番号:マイナンバーを記入する
  2. 被保険者番号:外国人の雇用保険被保険者証に書かれている被保険者番号を記入する(初めて雇用保険に加入する場合は空欄)
  3. 取得区分:初めて加入する場合は(1)、加入したことがある場合は(2)と記入する
  4. 被保険者氏名:外国人の氏名を記入する
  5. 変更後の氏名:雇用保険被保険者証に書かれている氏名から変更がある場合は記入する
  6. 性別:外国人の性別が男なら(1)、女なら(2)と記載する
  7. 生年月日:外国人の生年月日を記入する
  8. 事業所番号:雇用保険適用事業所設置届事業主控(適用事業所台帳)に書かれている、11桁の事業所番号を記入する
  9. 被保険者証になったことの原因:「 1.新規雇用(新規学卒)」「2.新規雇用(その他)」「3.日雇からの切替」「4.その他」「8.出向元への復帰等(65歳以上)」から相応しい番号を選ぶ
  10. 賃金:賃金の支払い形式と、賞与や残業代を引いた賃金金額を記載する
  11. 資格取得年月日:外国人が入社した日を記入する
  12. 雇用形態:外国人の雇用形態に相応しい番号を記入する(例:フルタイムの常用雇用は07)
  13. 職種:裏面の職業区分を参考に、相応しい番号を記載する(例:サービス業であれば05番)
  14. 就労経路:「1.安定所紹介」「2.自己就職」「3.民間紹介」「4.把握していない」から相応しい就職経路を選んで記載する
  15. 1週間の所定労働:雇用契約書で定めている1週間の労働時間を記入する(例:週5フルタイムであれば40時間)
  16. 契約期間の定め:有期雇用の場合は(1)を選択し契約期間を書く、無期雇用の場合は(2)を選択する
  17. 被保険者氏名:アルファベットの大文字で外国人の氏名を記入する
  18. 在留カードの番号:在留カードの右上に書かれている12桁の数字を記入する
  19. 在留期間:在留カードに書かれている在留期間を記入する
  20. 資格外活動許可の有無:外国人が資格外活動許可を受けている場合は(1)、受けていない場合は(2)と記入する
  21. 派遣・請負労働区分:外国人が派遣・請負としてほかの事業所で勤務する場合は(1)、そうでない場合は(2)と記入する
  22. 国籍・地域:外国人の国籍・地域を記入する(例:中華人民共和国→中国と省略しても可)
  23. 在留資格:外国人が所有する在留資格を記入する

24番~27番は記入不要

最後に「日付」「住所」「事業主氏名」「電話番号」を記入しましょう。
外国人が雇用保険に加入する場合、17番~23番を記入すれば「外国人雇用状況届出」を提出したものとみなされます。

参照元
厚生労働省「外国人雇用状況の届出について

外国人労働者の雇用保険脱退手続きについて

外国人労働者の雇用保険脱退手続きについての画像

外国人が退職して雇用保険を脱退するときは、雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。

手続きの場所

手続きするのは、雇用保険に加入したときと同じハローワークです。

手続きの期限

雇用保険被保険者資格喪失届は、外国人が離職した翌日から数えて10日以内に提出する必要があります。離職した月の翌月10日ではありません。雇用保険加入時と比較するとスケジュールがタイトなので注意しましょう。

必要な書類

外国人が雇用保険を抜けるときの書類は、雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)です。

雇用保険被保険者資格喪失届の記入方法

雇用保険被保険者資格喪失届の書き方は以下のとおりです。

  1. 個人番号:マイナンバーを記入する
  2. 被保険者番号:外国人の雇用保険被保険者証に書かれている被保険者番号を記入する
  3. 事業所番号:雇用保険適用事業所設置届事業主控(適用事業所台帳)に書かれている、11桁の事業所番号を記入する
  4. 資格取得年月日:外国人が入社した日を記入する
  5. 離職等年月日 :被保険者資格を失った日を記入する
  6. 喪失原因:「1.離職以外の理由」「2.3以外の離職」「3.事業主の都合による離職」から、外国人が雇用保険資格を喪失する理由を選んで記入する
  7. 離職票交付希望:外国人が離職票の交付を希望する場合は(1)、希望しない場合は(2)と記載する
  8. 1週間の所定労働:雇用契約書で定めている1週間の労働時間を記入する(例:週5フルタイムであれば40時間)
  9. 補充採用予定の有無:企業がハローワークの紹介やそのほかの方法で従業員を補充する予定がある場合は(1)、補充しない場合は空欄にしておく
  10. 新氏名:雇用保険被保険者証と外国人の氏名が違う場合は記入する
  11. 記入不要
  12. 記入不要
  13. 記入不要
  14. 被保険者氏名(ローマ字):アルファベットの大文字で外国人の氏名を記入する
  15. 在留カードの番号:在留カードに書かれている12桁の番号を記入する
  16. 在留期間:外国人の在留カードの表面に書いてある在留期間を記入する
  17. 派遣・請負就労区分:外国人が自社以外で派遣・請負労働者として就労していた場合は(1)、それ以外は(2)と記載する
  18. 国籍・地域:外国人の国籍・地域を記入する
  19. 在留資格:外国人の所有する在留資格を記入する
  20. 被保険者氏名:外国人の氏名を記入する
  21. 性別:男か女に丸を付ける
  22. 生年月日:外国人の生年月日を記入する
  23. 被保険者の住所または居所:外国人の住所もしくは一定期間居住している場所を書く
  24. 事業所名称:外国人が働いていた事業所の名称を記入する
  25. 氏名変更年月日:氏名変更した場合はその日付を記入する
  26. 被保険者でなくなったことの原因:外国人の離職理由を詳しく記載する

最後に「日付」「住所」「電話番号」「事業主氏名」を記入します。宛先は、書類を提出するハローワークの公共職業安定所長宛にしてください。

関連記事:「外国人が退職したら就労ビザは取り消しになる?企業が行うべき手続きとは

外国人の雇用保険手続きで注意すべきこと

外国人の雇用保険手続きで注意すべきことの画像

ここでは、雇用保険の手続きで注意すべきことを解説します。特に、日本の保険制度についての説明は必ず行いましょう。

雇用保険の手続きを怠ると罰金が科される

従業員の雇用保険の手続きを怠ると、雇用企業に罰金が科されます。刑罰の内容は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金です。また、企業としての信用や評判にも関わるでしょう。先述したとおり、外国人でも条件を満たせば必ず雇用保険に加入しなくてはなりません。責任を持って正しく手続きを行いましょう。

在留カードをよく確認する

雇用保険の手続きをする際は、在留カードをよく確認しましょう。雇用保険被保険者資格取得届を書く際には、在留資格や在留カード番号などの確認が必要です。外国人から在留カードを預かって記入するときに「在留期限は切れてないか」「在留カードは本物か」などもあわせてチェックしましょう。在留期限切れや偽造カードを所持している外国人を雇用した場合、企業が「不法就労助長罪」で罰せられます。3年以下の懲役または300万円以下の罰金もしくはその両方が課されます。重い罪なので、確認を怠らないようにしましょう。

雇用する外国人に雇用保険についてよく説明する

初めて日本で働く外国人を雇用する際は、雇用保険の仕組みを理解しているか確認し、納得してもらう必要があります。説明をしないまま雇用保険に加入させてしまうと、後々トラブルに発展する可能性があるでしょう。特に「必ず加入しなくてはならない」「本人と企業両方が支払う」という点を分かりやすく説明する必要があります。加入を拒む外国人には、失業したときに失業保険をはじめとしたさまざまなサポートを受けられる点をしっかり説明してみてください。

まとめ

まとめの画像

外国人も条件を満たしていれば雇用保険に加入します。手続きの方法は日本人とほぼ変わりませんが、外国人を雇用するときのみ記入が必要な部分もあるので、確認しつつ準備を進めましょう。

関連記事:「外国人は医療保険に加入できるの?企業に向けて解説

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