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外国人雇用を考える企業の採用担当者のなかには、日本に住む外国人が増えた理由を知りたい方もいるでしょう。外国人の増加には、日本政府の政策による社会的な要因と人々の国際的な往来が増えたことによる自然発生的な要因があります。
このコラムでは最新データをもとに、日本に住む外国人数が増加した理由や今後の動向について詳しく解説。外国人雇用を考えている企業は日本の現状を把握して、今後の経営に活かしましょう。
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日本に住む外国人が増えた理由には、政府の政策や日本社会の国際化が進んでいることなどが挙げられます。
日本政府は少子高齢化による国内の人材不足を解消するために、外国人労働者を受け入れるためのさまざまな制度を創設してきました。ここでは、日本に住む外国人の増加に影響していると考えられる「技能実習制度」「特定技能制度」「高度人材ポイント制度」について解説します。
技能実習制度は、日本の技術を賃金の発生する実務実習を通して外国人に移転するための制度です。技能実習を行う外国人には在留資格「技能実習」が付与され、最大で5年間技能実習を行えます。技能実習制度の本質は、日本の技術や知識を母国の発展に活かしてもらうのが目的であり、人材確保のための制度ではありません。しかし、実際には技能実習生が日本の人材不足の業界において、重要な労働力となっているのが現状です。
特定技能制度は、特定の分野での人材不足を解消することを目的に、2019年4月からスタートした制度です。国内での人材確保が困難と判断された11の分野において、在留資格「特定技能」のもと、外国人の受け入れが許可されます。在留資格「特定技能」では、ほかの就労に係る在留資格では許可されていない単純労働への従事も可能です。
高度人材ポイント制度は、高い能力や知識を有し日本社会に貢献してくれる外国人(高度外国人材)を、日本に呼び寄せるための制度です。高度外国人材には在留資格「高度専門職」が付与され、永住許可の緩和や配偶者の就労許可など、さまざまな優遇措置が用意されています。在留資格「高度専門職」は、高度人材ポイント計算表で各項目のポイント合計が70点以上の外国人が取得可能です。
グローバル化を推し進めるため、政府が外国人留学生を積極的に受け入れているのも、日本に住む外国人が増えた理由といえるでしょう。留学生受け入れ促進のための代表的な方策に「留学生30万人計画」があります。留学生30万人計画とは、2020年を目途に30万人の外国人留学生の受け入れを目指すという施策です。目標を達成するために、関係省庁は各国への働き方や教育機関の環境整備、卒業後の進路の開拓などを進めました。その結果、2019年には留学生の数が目標の30万人を突破しています。
日本の経済発展にともない、海外と繋がりを持つ企業が増加しました。日系企業が海外に拠点を持ったり海外の企業が日本に進出したりすることが増え、国際的な人材の往来が盛んになっています。それにより、日本に駐在する外国人や日本での就職を選ぶ外国人が増えてきているのです。
社会全体で国際化が進んでいるのも、日本に住む外国人が増加している理由の一つです。日本は周囲を海で囲まれている島国であるうえ、鎖国をしていた歴史背景から、他国と比べると外国人の往来が盛んではありませんでした。しかし国際化にともない、1980年ごろから外国人の在留が増えていき、自然発生的に日本人と国際結婚をしたり永住許可を取得したりする外国人も増えていったのです。
参照元 出入国在留管理庁「高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇制度」 文部科学省「留学生30万人計画」骨子の策定について」
日本に住む外国人の推移を、出入国在留管理庁が発表した「令和4年6月末現在における在留外国人数について」のデータをもとに解説します。国籍別や都道府県別などの項目別に分けているので、ぜひ現状把握の参考にしてください。
日本に住む外国人の国・地域別の内訳は以下のとおりです。
国・地域名 |
2022年6月末時点の人数 |
中国 |
744,551人 |
ベトナム |
476,346人 |
韓国 |
412,340人 |
フィリピン |
291,066人 |
ブラジル |
207,081人 |
このあとにネパール、インドネシア、米国と続きます。なお、このデータは、学生や仕事に就いていない外国人もすべて含めた人数です。日本で何らかの仕事に就いている「外国人労働者」に限定するとベトナム国籍の外国人が最も多くなります。
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都道府県別で日本に住む外国人を分類すると、以下の順位になります。
都道府県名 |
2022年6月末時点の人数 |
東京都 |
566,525人 |
愛知県 |
280,912人 |
大阪府 |
262,681人 |
神奈川県 |
237,450人 |
埼玉県 |
205,824人 |
東京都は人口そのものが多いのはもちろん、大学や専門学校などの教育機関や企業がたくさんあるので外国人が集まりやすい傾向にあります。2番目に外国人が多い愛知県は、自働車製造をはじめとしたさまざまな産業が盛んで、工場で従事する外国人労働者や技能実習生が多い都道府県です。
在留資格別の日本に住む外国人の数は、以下のとおりです。
在留資格名 |
2022年6月末時点の人数 |
永住者 |
845,693人 |
技能実習 |
327,689人 |
技術・人文知識・国際業務 |
300,045人 |
特別永住者 |
292,702人 |
留学 |
260,767人 |
在留資格「永住者」を持つ外国人は日本に半永久的に在留できるため、月日が経つにつれ人数が増えていきます。なお、「技能実習」の在留資格を持つ外国人は、前年比で18.7%も増えていました。人材不足により技能実習を開始する企業は増加傾向にあるため、今後も技能実習生は加速度的に増えていくでしょう。
参照元
出入国在留管理庁「令和4年6月末現在における在留外国人数について」
ここでは、日本に住む外国人の来日理由で特によく挙げられるものを紹介します。
母国よりも高い収入を得られるという理由で、日本に住む外国人は多くいます。開発途上で経済が不安定な国出身の外国人は、日本に来たほうが仕事を見つけやすいうえ、より高い収入を得られるのです。特に東南アジアの国々は、外貨獲得のために政府主導で国民の海外就労を推進しています。
外国人のなかには、「母国より暮らしやすい」という理由で日本に住む人もいます。日本は銃や刃物の所持が法律で禁止されているため、日常生活で危険な目に合うことは海外と比べると少ないといえるでしょう。また、日本は政治や情勢が安定しているため、テロが起こる確率も非常に少ない国です。安全に家族と暮らしたり子育てをしたいという理由で、日本に移住する外国人は少なくありません。
安全面だけでなく、福利厚生や福祉サービスが整っているため日本での暮らしを選んだ外国人も多いようです。日本人からすると当たり前の制度のように感じられますが、海外には福利厚生や福祉に関する制度がほとんど機能していない国も存在します。
日本のサブカルチャーや伝統文化が好きで、移住を決めたという意見もよく聞かれます。特に、アニメや漫画、ゲームなどが好きで、より深く触れたいという理由で日本に住むことを決めた人も多いようです。
日本に住む外国人の数は、政策や世界情勢によって変わってきます。特に、外国人の受け入れに関わる制度の改正や新型コロナウイルスの感染状況、円安は大きく影響してくるでしょう。
在留資格「特定技能2号」は範囲拡大が予定されており、日本に住む外国人の増加に繋がる可能性があります。
特定技能の在留資格は1号と2号の2種類です。特定技能1号は在留期限が最長でも5年なのに対し、特定技能2号は更新に期限はありません。更新し続けていけば、事実上無期限で日本に在留できます。また、特定技能2号では家族の帯同も可能です。
このように特定技能2号は外国人にとってさまざまな利点があります。しかし、2023年1月時点では「建設」と「造船・舶用工業」分野でしか認められていません。ただし、報道機関の取材により、2022年以降を目途にほかの分野でも特定技能2号を認める動きがあることが明らかになりました。細かな状況はまだわからないものの、もし報道のとおりになればより多くの外国人労働者が日本にやってくるきっかけになるでしょう。
2020年から発生した、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるための水際対策は、徐々に緩和されています。2023年時点では日本入国者に「ワクチンの3回接種証明書」もしくは「出国前72時間以内の検査の陰性証明書」の提出を求めているのみです(中国からの入国者を除く)。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が完全に収束したとは言い難く、今後変異株が爆発的に広がる可能性も捨てきれません。再度水際対策が強化されれば、外国人があらたに入国するのが難しくなり、日本に住む外国人の数も変わってくるでしょう。
日本とアメリカの金利差を原因とした記録的な円安は、未だ収束する気配がありません。円の価値が低くなれば、外国人労働者は日本で働くメリットを感じにくくなります。特に、「母国より高い報酬を得られる」という理由で日本で働いていた人は、母国に帰ったりほかの国に移ったりする可能性が高くなるでしょう。
参照元 外務省「国際的な人の往来再開に向けた措置について」
外国人が日本に住む理由は賃金のためや暮らしやすさ、治安のよさなどさまざまです。日本政府が積極的に外国人を受け入れる姿勢のため、今後も日本に住む外国人が増えていくと考えられています。ただし、経済の状況や国際情勢によっても左右されるので、外国人雇用を検討している企業は最新の動向をチェックするようにしましょう。
監修:濵川恭一
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net