外国人労働者の税金はどうなってる?所得税と住民税のポイントを解説

2020年06月22日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

外国人も日本で働く以上、日本で税金を納めなくてはなりません。しかし日本人とは異なる扱いがあるのも事実です。これから外国人を雇用しようと検討されている企業の担当者向けに、この記事では、外国人労働者の所得税と住民税、そして外国人を採用する際に気をつけた方がよいポイントを解説します。

所得税について

税金は国税と地方税の2つに区分されますが、国税の中でも所得にかかる税金が所得税です。所得税は原則として下記のように計算されます。

〔収入-経費-所得控除〕×税率(超累進課税5%~45%)-控除額(税率により異なる)

・在留期間で区分される

外国人も日本人と同様に所得税が課税されますが、居住者か非居住者で税率が異なります。居住者とは”日本国内に「住所」があるか又は現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人”をいいます。(※)非居住者とは、居住者以外の個人です。

わかりやすく在留期間で区分すると、1年以上の在留期間を持つ外国人は居住者、1年未満は非居住者として分けることができます。

参照:国税庁「No.2012 居住者・非居住者の判定」

・通常は日本人社員と同様の扱い

居住者に該当する、在留資格が1年以上となっている外国人は、通常の日本人社員と同様に年末調整を行い、税率も超過累進税率です。一方で、非居住者の外国人は、源泉徴収所得税20%(復興特別所得税を加えて20.42%)が適用され、確定申告は必要ありません。ただし、研修ビザの場合は、入国する際に申告した研修手当を超えなければ、課税はされません。

・所得税控除と二重納税

居住者対象となる外国人は、所得税控除や税額控除も日本人社員と同様になります。所得控除として代表的なのは、基礎控除や配偶者控除、社会保険料控除や医療費控除などです。医療費控除や配当所得、20万円以上の副業収入がある場合などは、年末調整では還付されないため確定申告を行いましょう。

あまりないケースですが、非居住者である外国人が日本国内において不動産を所有し、そこから収入がある場合は、確定申告が必要となります。その場合、雑損控除、寄附金控除、基礎控除の3つの控除を受けることができます。

二重納税

居住者である外国人は、日本国内の所得だけでなく、海外からの所得についても所得税の対象となる場合があります。海外からの所得は、その国の税金も賦課されるため、問題となるのが二重納税です。日本と租税条約を締結している国からの所得については二重納税を回避するために、その国に納税した税額を申告すれば、日本の所得税額から控除を受けることができます。この控除を「外国税額控除」といい、税額の範囲については国により異なります。また、非居住者についても、租税条約を結んでいる国とは「短期滞在者免税」の適用を受ける場合があります。条件としては①183日の滞在期間を超えないこと、②相手国の法人から給与が支払われていること、③日本法人に給与を負担させていないことの3つをクリアしていなければなりません。

住民税について

地方税である住民税は、都道府県と市町村に納める2つの税金を合算したものです。外国人も多くの場合、住民税を支払わなくてはなりません。

・住民税が適用となるケース

住民税を支払う必要があるのは、1年以上の在留資格を持つ居住者である外国人です。1月1日時点の住所地に納付します。前年度の所得が33万円以下の場合は、非課税となります。非居住者である場合は、住所がないため住民税を納付する必要はありません。しかし不動産を所有している非居住者外国人は、住民税のうち均等割のみ負担します。

・住民税の税率について

住民税は所得割額と均等割額から構成されています。

住民税 = 所得割 + 均等割(5000円)

所得割 = 所得金額 – 所得控除(33万円など) × 自治体が定めた税率(10%がほとんど) – 税額控除

均等割は市町村民税の3500円と道府県民税1500円からなりますが、都道府県により税額は若干異なります。また所得控除は、所得税における所得控除とは内容が違うので注意が必要です。

多くの会社では特別徴収となっており、住民税を滞納することは少ないですが、普通徴収の会社では外国人社員が納税をきちんと行っているか注意するようにしましょう。滞納していると、次回の在留資格が更新できなくなります。

外国人を採用する際に気を付けるポイント

外国人労働者の受入れ拡大に伴い、外国人を採用する企業も増えてきました。日本で働く上で税金の問題はクリアにしなければいけませんが、外国人にとって、日本の税金の仕組みは難しく、理解されていない方も多いのが現状です。外国人を採用する際に、気を付けなければいけないポイントをご紹介します。

・オーバーワークをしていないか

日本に留学している外国人を雇用する際には、留学生時代にオーバーワークをしていなかったか確認するようにしましょう。留学生は本来は就労することはできませんが、資格外活動許可を得ることにより、週28時間までのアルバイトが可能となります。しかし、学費や生活費、母国での仕送りを行うために、週28時間を超えてアルバイトすることも多いのです。最近では、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の審査が厳格化し、留学生時代のアルバイト状況について調査することも多くなっています。せっかく採用した外国人が、在留資格を取得できない可能性を排除するためにも、あらかじめの確認が必要です。

・住民税の滞納をしていないか

特にオーバーワークをしている留学生に当てはまるのが、住民税の滞納です。アルバイトの場合、給与から天引きとはならず、納付通知書が郵送でポストに届く場合もあるため、納付を忘れることが多いのです。採用された時に行う在留資格変更許可申請では、納税証明書は必要ありませんが、在留資格を更新する際には納税証明書が必要となります。もし滞納している場合は、更新ができません。入社する際に、住民税を滞納していないか確認するとともに、もし滞納している場合は払うことを促してください。

まとめ

外国人労働者の所得税と住民税について、そして採用する際に気をつけるべき税金のポイントを解説しました。最後にポイントをまとめます。

〇国税である所得税は、居住者である外国人は日本人と同様に納税しなければならない。

 その際には各種控除も使用できる。

〇非居住者である外国人は、源泉徴収20%を引かれるが、短期滞在者免税を適用できれば非課税となる。

〇地方税である住民税は、居住者には課税されるが、非居住者には課税されない

〇採用する際に気を付けるべき税金のポイントは2つ

 ・オーバーワークしていないか

 ・住民税を滞納していないか

長期雇用する外国人は基本的に日本人と税金は変わりません。年末調整や確定申告など、外国人にとって難しいため、会社でサポートすると良いでしょう。

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