たたき台の意味とは?使われるシーンや例文、言い換え表現を覚えよう

WeXpats
2024/07/02

たたき台とは、原案や素案、試案を意味する言葉です。ビジネスにおいて企画を立てたり、立案したりするときの土台として作成します。改善や修正を加えて、より良い業務につなげるのが役割です。
この記事では、たたき台の意味や使い方、注意点などを解説。そのほか、良いたたき台を作成するポイントについても紹介しているので、業務をする際の参考にしてください。

目次

  1. たたき台とは
  2. たたき台を使うシーンと例文
  3. ビジネスの場でたたき台を求められる理由
  4. たたき台の言い換え・類語
  5. たたき台を使用する際の注意点
  6. 良いたたき台を作成するコツ
  7. まとめ
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たたき台とは

ビジネスシーンにおいての「たたき台」とは、物事や企画を進めるときに、基盤となる原案や大まかな考えを指す言葉です。「何かを叩くための台」「バッシングの案」という意味ではありません。
たたき台は新しく何かを作るためには必要不可欠な工程です。「たたき台の作成をお願いします」と指示を受けた際に、即座に理解できるように言葉の意味や使い方を知っておきましょう。

たたき台の意味

たたき台は漢字で書くと「敲き台」となり、アイデアとまではいかない思いつきやひらめきを昇華するために作る原案のことです。上司が部下に対して、たたき台を作成するよう指示を出したり、部下が自ら作成して上司に提出したりすることがあります。
何か新しいことを始める際の起点や、議論や提案の基礎という意味です。

たたき台の語源

熱した鉄を成形する際に使用する台「敲き台」が語源といわれています。敲き台とは、刀をはじめとする鉄製品を作る際、たたき台のうえで金槌を使って溶けた鉄を目的の形に整える台のことです。
作り手次第でどのような形にもなる鉄の塊を、少しずつ手を加えて一つの製品になる手助けをするのがたたき台の役割といえます。

同じようにビジネスシーンでは自らの発想に手を加え、人からアドバイスを受けたり構想を肉付けして完成に近づけたりするため、たたき台という言葉が使われてきました。

「たたき台」は日本のビジネスシーンで使われる言葉です。ビジネスで使う例文や用語について、もっと知りたい方は「ビジネスで使う基本的な日本語の例文を場面ごとに紹介!」の記事をご覧ください。

たたき台を使うシーンと例文

たたき台は、初期の提案や草案、アイデアを指すビジネス用語です。
ここでは、たたき台を使う場面と例文を紹介するので、会話をする際の参考にしてください。

プロジェクトや戦略の立案

プロジェクトや戦略などの立案をする際に、「たたき台」を作成します。

  • 「このプロジェクトのたたき台を作ってくれませんか」

  • 「A社への戦略について、まずはたたき台を作成してみよう」

  • 「大きなプロジェクトになるのでたたき台をもとに、さっそく社内会議を開始する」

  • 「私なりにたたき台を作成してみましたので、ご覧ください」

たたき台は、プロジェクトの計画や戦略の立案を始める際に草案を確認・共有し、社内や上司からのフィードバックを受けるため作成するのが、一般的な使われ方です。

新製品の企画

新しい製品の開発・企画段階で、新しいコンセプトやアイデアをまとめたものを提示する際に「たたき台」を使用します。

  • 「新商品を開発するため、たたき台が必要だ」

  • 「製品開発のために作られたたたき台は、改良の余地がある」

  • 「来年の新商品開発のためのたたき台を作成中です」

たたき台は企画案を作る前段階の草案です。そのため、作成したあとにきちんとした企画書へのブラッシュアップを求められます

プレゼンテーションの準備

重要なプレゼンテーションを準備する際に、まず作成するのは「たたき台」です。同僚やチーム、上司と議論を重ねたり、意見を募ったりするために作られます。

  • 「プレゼンテーションのためのたたき台を作成しました。意見をもらえませんか」

  • 「あのたたき台をもとに作ったプレゼンテーションなら大丈夫だ」

  • 「プレゼンテーションを成功させる秘訣は、たたき台にあるだろう」

たたき台は、社内でのコミュニケーションに使われる表現です。企画や立案などの原案や試案を指す言葉であり、同僚や上司との意見交換をする際に活用すると良いでしょう。

業務中はプレゼンテーションや企画書の作成など、パソコンスキルが求められることが多くあります。パソコンに関する資格については「日本での就職に役立つPC(パソコン)の資格とは?おすすめの検定も紹介」にまとめています。

ビジネスの場でたたき台を求められる理由

議論や発表を盛んにするためには、綿密に練った原案が必要です。粗が目立つ案が多かったり、そもそも提案が少なかったりすると、良い成果は出せません。
仕事でたたき台を作る機会がある方は、先に「なぜたたき台が必要なのか」を理解することが重要です。ここでは、ビジネスシーンでたたき台が求められる理由を解説します。

企画や資料を形にするため

資料や企画をきれいにまとめるには、たたき台が必要不可欠です。
たたき台なしに企画案や資料の作成を行うと、「情報がまとまっていない」「テーマに一貫性がない」「主張やターゲットが分かりにくい」などの問題が発生する可能性があります。

下書きなしで作られた案はクオリティが低くなる傾向になるので、まずはたたき台の作成から始めてみると良いでしょう。

アイデアのもとになる情報をまとめるため

情報を書き溜めた「たたき台」は新たなアイデアの創出に役立ちます。
具体的にどうすれば実現できるか分からないこと、実例を参考にやってみたいことなどをまとめると、成案を作りやすくなるのもたたき台を作成する理由の一つです。

たたき台の段階では思いついたことを自由に書き出し、周りの人にアドバイスをもらったり、既存のデータを参考にしたりしながら、原案に修正を加えていきます。
問題点を一つひとつ解消していくうちに、会議や議論で発表できる案の原型が生まれるでしょう。

ひらめきをアイデアに昇華しやすいため

0から1を生み出すのは簡単ではありません。
案を練るときはたたき台を使って情報を整理したほうが、思考がまとまりやすく良いアイデアが浮かびます。

頭のなかだけで情報を整理して成案を作成することも不可能ではありませんが、参考にするデータや資料が多いほど立案に時間が掛かる場合があるので、パソコンに打ち込む・紙に書くといった方法をとるのがおすすめです。
考えやひらめきを書き起こしておけば、あとからの修正も簡単にできます。

たたき台の言い換え・類語

「たたき台」は社内の人など限定的な場面に使う言葉です。そのため、社外や取引先では使わないようにしましょう。ここでは、言い換え表現や類語を紹介します。

原案

「原案(げんあん)」は、検討や議論にかけるための最初の案やアイデアのことです。これから改良や修正を加えていくような、もととなる内容や考えのことを指します。フォーマルな表現となるので、社内外を問わず使える表現です。

草案

「草案(そうあん)」は、契約書や企画書などの書類を作成する際に、下書きとなる文章のことを指します。図形や文章、デザインなど幅広い分野の下書きを意味する原案と比べて、草案は文章の原稿や下書きに対して使う表現です。

試案

試みで立てた案を「試案(しあん)」といいます。実際に実施する前段階の仮の案のことです。改良や調整の余地を残しているものを試案と呼ぶので、たたき台と似た意味で使われます。

下書き

「下書き」は、正式な文章や計画などを作成する前に作られた草案のことです。まだ修正や手を加える必要がある状態のことを指します。わかりやすい表現であり、丁寧な印象を与えられる言葉です。

draft

英単語の「draft」とビジネス用語の「draft」は同じ意味として使われます。下書きや草案のことを指し、こちらも修正や改善の必要性があることを前提として作られているものを表す言葉です。

英単語がもととなったビジネス用語について、もっと知りたい方は「日本語のビジネス用語を紹介!今さら聞けない言葉の意味も解説」の記事をご覧ください。

たたき台を使用する際の注意点

「たたき台」という語句を使用する場合、いくつかの注意点があります。
たとえば、「たたき台」という表現は、社外の人に対して使用するのは控えたほうが良いでしょう。フォーマルな表現ではないので、相手にはくだけた表現であり、失礼だと捉えられる可能性があるからです。

また、「たたき台」は既に進行しているプロジェクトや企画案に対して使う表現ではありません。使い方によっては「一から作り直してほしい」という意味になってしまうので、使い方には注意しましょう。

「たたき台」は社内で使用するビジネス用語です。そのほかの日本のビジネスマナーについては「日本のビジネスマナーを解説!服装から人への接し方まで紹介!」にまとめています。

良いたたき台を作成するコツ

「たたき台」は、企画や立案、提案に欠かせない工程です。ここでは、良いたたき台を作るためのコツを紹介します。

パーフェクトを目指さない

たたき台を作成する際は、完璧な内容を作成する必要はありません。現時点で把握している情報やアイデアをまとめて、成案を完成させるための下書きです。アドバイスや指摘をもらえることや修正が入ることを念頭に置いて作成します。

また、必要な写真や資料などを添付する場合、文字の色付けや装飾は不要です。まずは簡潔でわかりやすい内容かを意識すると良いでしょう。

構想をしっかり固める

完璧な内容を目指す必要はありませんが、コンセプトやテーマに一貫性を持たせることは大切です。
「なんのために案を出すのか」という軸が明確になっていれば、コンセプトやテーマがぶれる恐れはありません。提案する理由や相手、目的に応じたコンセプトはたたき台の作成段階ではっきりさせておきます。

提出期限より早く出す

たたき台を作成するうえで、スピードは重要です。
情報の精査やアイデアをまとめるだけなので、作成に時間をかける必要はありません。作成に時間をかけると、「ほとんど成案の状態のはずだ」と期待されてしまう可能性があります。

修正や改善が入ることを前提に、早急に取り掛かるようにすると良いでしょう。

ブラッシュアップを重ねて完成を目指す

たたき台は納得がいくまで改良を重ねて構いません。
たたき台が完成形になることはほぼなく、アドバイスや指摘を取り入れて、手直しをしていくのが一般的です。

また、ブラッシュアップを重ねることにより、成案が出来上がったときに質問されるであろうポイントや懸念点も浮かび上がります。たたき台は何度も手を加えて完成を目指すのがおすすめです。

まとめ

たたき台は、原案や素案、試案を意味します。会議や企画、立案などを行う際に作成を求められることが多く、たたき台をもとに物事や企画を進めるのが一般的です。
たたき台を作る際は今ある情報をもとに手早く内容をまとめ、上司や先輩に確認してもらい改善に向けたアドバイスを受けましょう。
議論や改良を重ねて、何度も手直しを繰り返していくうちに、素晴らしい企画や発表になります。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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