「日本の面接の種類が分からない」「面接官によく聞かれる質問を知りたい」と悩む外国人留学生もいるでしょう。日本の面接の形式は、主に「個人面接」「集団面接」「プレゼンテーション面接」「グループディスカッション」の4種類です。このコラムでは、外国人留学生が面接でチェックされるポイントやよく聞かれる質問を紹介します。日本の面接マナーも解説しているので、参考にして面接対策を行いましょう。
目次
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日本の面接の種類とポイント
日本の主な面接形式は「個人面接」「集団面接」「プレゼンテーション面接」「グループディスカッション」の4種類です。ここでは、それぞれの特徴やポイントを紹介します。
個人面接
個人面接は学生と面接官一人ずつ、もしくは複数人で行います。自分と面接官だけの空間であるため、視線が集まり緊張感はあるものの周りの学生の発言に左右されずに自分をアピールできるのがメリットです。
個人面接のポイントは、面接官の質問を落ち着いて聞き、しっかり理解したうえで回答することを心掛けます。個人面接では面接官に人柄や個性、業務への適性などをチェックされます。集団面接と比べて、自己PRや志望動機についてより詳しく質問される可能性が高いでしょう。質問に対して具体的な回答が出来るように、事前に話す内容を考えておきましょう。個人面接の流れを詳しく知りたい方は、「就活中の留学生必見!個人面接の流れやマナーを徹底解説」のコラムをご覧ください。
集団面接
集団面接は学生複数人に対し面接官1人もしくは複数人で行う形式です。面接官が学生全員に同じ質問をします。複数人の学生がいるため、個人面接と比べて短い時間で回答しなくてはなりません。
集団面接のポイントは、面接官の質問に対して分かりやすく簡潔にまとめて答えることです。また、集団面接では協調性や自主性を見られます。さらにほかの学生が話しているときの姿勢にも注意が必要です。「順番が回ってきたら何て答えよう…」と考えてしまいほかの学生の話を聞けなくなりがちですが、面接官は話を聞く姿勢もチェックしてるので注意しましょう。集団面接のポイントは、「「集団面接」とは?質問内容や回答例を外国人留学生向けにご紹介」のコラムにまとめてあります。不安な人は、チェックしておきましょう。
プレゼンテーション面接
プレゼンテーション面接は学生1人、面接官複数人で行います。面接官から与えられた課題に対して、自分の考えや提案を発表する形式です。課題は事前に伝えられる場合と当日に伝えられる場合があります。主に「自己PR」「商品のPR、提案」などの課題が一般的です。
プレゼンテーション面接では、論理的に考えられる力や提案力を判断されます。話す内容の順序を考えて相手に分かりやすく伝えるのがポイントです。また、時間配分を意識しながら面接官の印象に残るようなプレゼンテーションが出来ているかどうかも見られます。そのため、繰り返し練習して与えられた時間内で発表を収める練習をすると良いでしょう。
グループディスカッション
グループディスカッションは与えられた話題に対して、学生複数人で議論する形式です。最終的にはグループごとに結論を出す必要があります。与えられる話題は日常的な内容から、ビジネスに関する内容までさまざまです。
グループディスカッションでは、協調性や積極性、リーダーシップが見られます。集団のなかでどのような立ち回りをできるのかが面接官にとって重要な判断基準です。発言が少なかったり自分の意見を押し通したりすると、面接官にマイナスの印象を与えてしまいます。自分の役割を理解して、ほかの学生の意見を聞きながら円滑に議論を進めるのが大切です。
外国人留学生が面接でチェックされる点
外国人留学生が特に面接でチェックされるのは、日本語能力や言葉遣いです。ここでは、面接官にチェックされるポイントを紹介します。
人間性や強み
面接官は複数の質問から外国人留学生の人間性や強み、個性を知ろうとします。自分を偽らずに素直に自分の考えや意見を伝えたり、応募先の企業で活かせる特技や強みをアピールしたりするのが大切です。また、外国人留学生は国際的な人材であることをアピールすると、面接官の印象に残りやすいでしょう。
身だしなみや言葉遣い
身だしなみや言葉遣いも、面接官がチェックするポイントの一つです。特に身だしなみは、その人の第一印象を左右します。落ち着いた色のスーツを着用し、髪型はすっきりとまとめて清潔感を意識しましょう。また、面接では「です」「ます」「失礼します」「ありがとうございます」などの敬語を使い、砕けた言葉は避ける必要があります。外国人留学生は正しい敬語を適切なタイミングで使えるようにしましょう。
コミュニケーション能力
外国人留学生に限らず、コミュニケーション能力は面接において重要な判断材料といえます。面接でいうコミュニケーション能力とは、「誰とでも仲良くなれる」という意味ではなく「言葉のキャッチボールができる」という意味です。面接官の質問を理解して、自分の言葉で分かりやすく伝える能力が求められます。
企業に対する熱意
面接で好印象を与えるには、企業に対する熱意をアピールするのも大切です。「なぜ応募先の企業でないといけないのか」「入社後どのように活躍できるのか」を具体的に伝える必要があります。そのためには、応募先の企業の情報や求めている人材を把握しなくてはなりません。外国人留学生は志望動機を明確に答えられるように、事前に企業の情報を集めておきましょう。
業務内容への適正
面接官は学生の業務内容への適正もチェックします。採用後に早期退職をしてしまわないように、学生の性格と業務内容が合うかどうかを慎重に見極めるのです。外国人留学生は応募先の企業の業務内容を詳しく調べて、自分がやりたい業務と相違がないかを確認します。その上で自分が学んできた内容と業務内容が関連していることを伝えたり、仕事に活かせる知識やスキルをアピールしたりすると良いでしょう。
日本語能力
外国人留学生は面接で日本語能力もチェックされます。正しい敬語を使い、伝えたい内容を正確に話すのが大切です。ただし、多少の日本語の間違いは気にし過ぎないようにしましょう。面接官は外国人留学生に対して、完璧な日本語能力よりも自分の意見を分かりやすく伝えられるかどうかを見ています。日本語能力に不安がある外国人留学生も、自信を持って堂々と発言しましょう。
外国人留学生が面接でよく聞かれる質問の種類
外国人留学生は面接で、来日の理由や日本の印象について質問される傾向があります。ここでは、外国人留学生が面接でよく聞かれる質問の種類を紹介するので、面接対策の参考にしてください。
来日の理由や日本の印象について
外国人留学生の来日の理由や日本の印象については、以下のように質問されます。
「日本に来日した理由は何ですか?」
「なぜ日本企業に就職したいのですか?」
「日本の良いところと悪いところはどこだと思いますか?」
「日本に慣れるまで大変だったことはありますか?」
面接官は上記の質問で、日本で働く意欲やコミュニケーション能力を判断します。また、はっきりと自分の意見や考えを伝えられる人材を求める企業も多いでしょう。「日本の良いところと悪いところ」の質問では、自分の言葉でしっかりと指摘するのが大切です。
人柄や経歴について
人柄や経歴についての質問には以下の種類があります。
「長所と短所を教えてください」
「周りからどのような性格だと言われますか」
「ストレスを発散する方法を教えてください」
「今までどのようなことを学んできましたか」
「アルバイト経歴を教えてください」
「職場ではどのような人間関係を意識していましたか」
ストレス発散方法の質問は、外国人留学生の打たれ強さやストレスとの向き合い方を確認するためのものです。
志望動機や目標について
志望動機や目標は面接で必ず聞かれる質問です。具体的には以下のような質問をされます。
「自社へ応募した理由を教えてください」
「ほかの企業ではなく自社を選んだ理由は何ですか」
「あなたを採用するメリットは何ですか」
「入社後の目標やどのように活躍してくれるのかを教えてください」
「ほかにも選考を受けている企業はありますか」
面接官は上記の質問から、外国人留学生の向上心や企業への理解を確認します。志望動機や目標の内容が薄いと、日本企業ならどこでもいいのではないかと思われる可能性があるでしょう。応募先の企業で働きたい理由や目標を明確に伝えるのが重要です。
「外国人が就活でよく聞かれる質問と回答例を紹介!面接時のマナーも解説!」のコラムでは、面接の質問と回答例を紹介しているので、目を通しておきましょう。また、「面接NGワードとは?避けた方が良い回答例をご紹介」のコラムで紹介しているような避けるべき回答を知っておくのも就活成功のポイントです。
外国人留学生必見!面接の流れ
日本の面接では、入室や退室の際にもいくつかのマナーがあります。面接で話す内容が良くても、基本的なマナーが出来ていないと印象が悪くなるでしょう。ここでは、面接の流れやマナーを解説します。
1.受付
面接会場に着いたら受付を済ませます。帽子やコートを脱いだ状態で受付に行くのがマナーです。受付の方に、学校名と名前、面接を受けるために来訪した旨を伝えます。このときに、挨拶やお礼を忘れないようにしましょう。また、受付の方だけでなく、すれ違った社員の方にも会釈をするのが基本です。面接が始まる前の段階でも、企業の方に良い印象を残すように意識しましょう。
2.入室
面接官に自分の名前が呼ばれたら入室します。このときドアをノックして「失礼します」と言ってから入室しましょう。入室後は用意された椅子の横に立って、学校名と学部名、氏名を伝えます。伝えた後はすぐに椅子に座るのではなく、面接官から「お座りください」と言われるのを待ってから座るのがマナーです。座った後は姿勢を正して真っ直ぐ面接官の方を向きましょう。
3.退室
面接が終わり退室する際は「ありがとうございました」とお礼を言い、お辞儀をしてから退室します。ドアの前でももう一度お礼とお辞儀をして、静かにドアを閉めましょう。退室した後も、建物を出るまでは気を抜かないように注意が必要です。
外国人留学生が面接を成功させる3つのコツ
面接をスムーズに進めるには、聞かれている質問の意味や企業が求める人物像を理解するのが大切です。ここでは、外国人留学生が日本で面接を受ける際のコツを紹介します。
1.企業が求める人物像を把握する
面接を成功させるには、企業が外国人留学生に求めているスキルや人柄を把握するのがポイントです。そのために、本格的に就職活動が始まる前に企業説明会に参加すると良いでしょう。また、自己分析を行い、自分の強みと企業のニーズの一致する部分を知るのも有効です。
2.相手の目を見てはきはき話す
面接では必ず面接官の目を見て話しましょう。また、自分が話すときもほかの学生の話を聞くときも明るい表情を意識するのが大切です。暗い表情をしていると、第一印象で良いイメージを与えられません。さらに、面接官の話を聞くときは適度に相槌を打ちながら聞くのもポイントです。相槌を打つことで、しっかり話を聞いている姿勢が面接官に伝わります。
3.質問の意味を正しく理解する
外国人留学生は、面接官の質問の意味を正しく理解するのが重要です。質問によっては意味が理解できない場合もあるでしょう。そのようなときは「もう一度お願いします」や「△△という意味でよろしいでしょうか」と聞き返しても問題ありません。質問と回答にずれが生じるよりも、面接官に聞き返してでも適切な回答が出来る方が印象が良くなります。不明な点は思い切って質問しましょう。
まとめ
日本の面接には「個人面接」「集団面接」「プレゼンテーション面接」「グループディスカッション」の4種類があります。外国人留学生は面接で日本語能力や言葉遣いをチェックされるので正しい敬語を身に付けましょう。また、外国人留学生は来日理由や日本の印象などの質問をされます。日本企業で働きたい意思や自分の強みを積極的にアピールしましょう。