日本で外資系企業への就職を考えている外国人留学生の中には、興味はあるけれど、就活をどのように進めれば良いかわからないという人もいるでしょう。就活を成功させるには、日本独自の就活スケジュールに注意する必要がありますし、インターンシップへの参加も重要です。このコラムでは、外資系企業の特徴を紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
日本における外資系企業とは
日本における外資系企業とは、外国法人および外国人の出資によって成り立つ企業を指します。外資系企業へ就職を考えている外国人留学生の中には、その企業で留学生を採用しているのか気になる方もいるでしょう。この項目では、外資系企業の特徴や留学生の採用について解説します。
外資系企業の特徴
外資系企業は、仕事内容や求められる能力など企業ごとに特徴が異なります。業種の多くを占めているのはメーカー、サービス業、情報通信業です。なかでも、メーカーはアメリカ系企業とヨーロッパ系企業では社風が異なります。変化するスピードが激しい情報通信業は、変化に適応できる能力が求められるでしょう。ただ、実績を出せばやりがいと高い報酬を期待できるのが外資系企業の特徴です。外資系企業の特徴は、アメリカ系企業のイメージそのものといっても過言ではありません。ヨーロッパ系企業は対照的で、効率よく働いて、プライベートも充実させるワークライフバランスを重視しているのが特徴です。
職種別採用で専門性が身につく
外資系企業では基本的に職種別に採用を行っているため、自分から希望しない限り、入社後に職種が変わることはめったにありません。一貫して同じ職種に携わることができるので、専門性が身につきます。ただし、職種を変えたくなっても、社内での異動先が見つかりにくいというデメリットもあるようです。
成果次第で高収入を得られる
多くの外資系企業では、成果に応じて報酬を得ることができます。上下関係が堅苦しくないため、年齢に関係なく、自分の頑張り次第で高収入が得られるのは魅力の一つといえるでしょう。ただし、わからないことは自分から聞き、考え行動し成果を出す努力が必要です。受け身の姿勢で、先輩社員がレクチャーしてくれるのを待っているようでは、仕事を前に進めることができないでしょう。
・結果重視ゆえ解雇のリスクがある
外資系企業では、結果が重視されるため成果を出せない人は、解雇の対象となるリスクがあることを覚えておきましょう。企業は職種別採用を行い、職務内容や個人の役割を細かく設定し明記することで、結果を重視した判断ができるようにしています。十分な成果をあげていない社員に対して再教育プログラムや割増退職金制度、再就職支援制度などのプログラムを用意し、退職勧奨が行なわれる企業もあるようです。
外資系は留学生の採用に積極的?
外資系企業の多くは、外国人留学生の採用に積極的です。留学生向けの企業説明会も開催されています。なかには、留学生枠を設けている企業もあり、入社後、外国人留学生はグローバル事業に携わるケースが多いようです。特に、海外業務のある企業は、留学生の採用を積極的に考えています。
ピックアップ記事
外資系企業を志望するなら就活スケジュールに注意
ほとんどの外資系企業は、早期に選考が行なわれるので注意が必要です。大学3年生の4月にはインターンシップの選考がスタートし、10月には本選考の受付が始まります。外資系企業を志望するなら早めに就活スケジュールを立て、就活を進めましょう。大学2年生のうちから準備するのがおすすめです。
詳しい就活スケジュールについては「留学生必見!2022年卒の就活スケジュールと進め方を解説」も参考になるでしょう。ぜひチェックしてみてください。
外国人留学生向け!外資系の就活の3つのポイント
ここでは外資系企業の選考に向けて、必要なポイントを紹介します。重要事項をしっかり押さえて、選考に臨みましょう。
1.英語だけでなく日本語力も重要
外資系企業では、業種によって異なりますが日本語力も重視されます。たとえば製薬メーカーなどの営業職は、クライアントの多くが日系企業のため英語を使うシーンがほとんどありません。また、外資系企業とはいえ日本人の社員も多くいます。日常のコミュニケーションや日本語で仕事をする場合があるので、英語だけでなく日本語力を高めることも重要です。
2.日本のマナーを押さえておく
外国人留学生は、日本特有の行動や言葉使いなどのマナーに馴染みがなく、どのように日本人の社員と接すれば良いか悩む人もいるでしょう。面接官への印象を良くするためには、日本のマナーを押さえておくのが大切です。面接では入室時に「失礼します」、退出時に「失礼しました」と言うなど、細かい礼儀を心がけましょう。服装は普通のスーツではなく、就職活動専用のリクルートスーツを着用するのがマナーです。また、日本には人と接する時は基本的に笑顔でいることが望ましいとされる風習があります。外国人留学生には習慣がなく理解が難しいかもしれません。面接のときは、普段より笑顔を意識すると良いでしょう。
3.応募書類と筆記試験の対策が重要
日本の就職活動では、応募書類の選考に通らなければその先に進むことができません。自分のことを最大限アピールするために、応募書類の内容や書き方は重要なポイントです。特に応募書類に書いた内容は面接で質問されることが多いため、具体的なエピソードを盛り込み、分かりやすくまとめましょう。また、筆記試験は日本語で行なわれることがほとんどです。そのため、日本語の読解能力アップと試験問題への対策が重要です。
「外国人留学生の関門?!就職試験(筆記試験、面接試験)の対策方法を解説」では、日本の就職試験について詳しくまとめています。ぜひ参考にしながら、はやめに試験対策をしましょう。
外資系の就活はインターンシップも重要
外資系企業の就活の際、インターンシップの経験が重視されます。面接では判断がつかない外国人留学生の本質的な性格や能力、ほかの学生や社員とのコミュニケーション力などを見極めることが目的なので、自然体でいることを心掛けつつ、節度のある行動を心がけると良いでしょう。
外資系企業は選考目的のインターンシップが多い
選考目的のインターンシップは、優秀な学生を見つけることを目的として開催されています。そのため、インターンシップで良い印象を残せば、内定まで進むこともあるようです。逆に、悪い印象がついてしまうと、選考へ進めない可能性があります。
インターンシップで好印象を残す3つのポイント
インターンシップでは、好印象を残すことがとても重要です。先述のとおり、好印象を残せれば良い結果につながる可能性があります。ポイントをしっかり押さえて、インターンシップに備えましょう。
1.コミュニケーションを大切にする
インターンシップで重視されるポイントの一つは、周囲とのコミュニケーションです。一定期間で与えられた課題に取り組むグループワークが、多くの企業で行なわれています。相手が発言することを正しく理解しスムーズにディスカッションを進めるために、コミュニケーションを大切にしましょう。
2.自発的に行動する
インターンシップでは、自発的に行動することが大切です。与えられた仕事をこなすだけではなく、自らやるべきことを考え、目的を持って行動をしましょう。必要な情報を調べたり、段取りを考えたりすることは実際に仕事をする上でも必要です。積極的な行動は、高い評価へ繋がります。
3.時間を意識して行動する
インターンシップのグループワークでは、限られた時間の中で成果を出さなければなりません。クオリティにもこだわりつつ、時間を意識した行動が大切です。たくさんの意見やアイデアを出し合って整理し、結果をまとめて発表に備えます。時間内に結果を出せなければ、グループ全体の評価が下がってしまう可能性も。良い結果を出すために時間に余裕を持って、開始から終了までの具体的な流れを意識して行動しましょう。
就活におけるインターンシップについては「就活をする外国人留学生必見!日本のインターンシップは海外とは違う」のコラムが役立ちます。海外のインターンシップとは考え方が異なるので、しっかり確認しておきましょう。
まとめ
外資系企業の就活では、スケジュールやポイントをしっかり押さえることが重要です。就活を成功させるために、日本語力や日本のマナーを理解しましょう。選考をスムーズに進めるための応募書類と筆記試験の対策も万全に。
このコラムを参考に、外資系企業の選考に向けて準備を進めていきましょう。