外国人留学生が理解しにくい日本社会と就活の習慣

WeXpats
2023/01/30

外国人留学生の中には「日本の文化や就活マナーって難しい」と感じている人は多いのではないでしょうか?
日本におけるビジネスや就職活動の場では、外国人留学生の方が理解しづらいルールや風習がたくさん存在します。
当ページでは、そんな日本社会の決まりごとや就活の習慣について簡単にまとめました。
「理解できない…」と諦める前に、当ページで日本のルールをチェックしてください。

目次

  1. 外国人留学生が理解しにくい日本社会のルール
  2. 外国人留学生が理解しにくい日本の就活
  3. それでも企業が外国人留学生に期待する理由は?
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外国人留学生が理解しにくい日本社会のルール

外国人留学生が理解しにくい日本社会のルールの画像

外国人留学生の方が「理解しにくい…」と感じやすい日本社会のルールについてまとめました。

言葉

日本語は世界共通語の英語に比べ、習得するのが難しい言語であると言われています。
なぜ難しいと言われているのか、理由を2つ挙げました。

  • 一人称、二人称がたくさんある

英語で一人称は「I」、二人称は「You」と単純に答えることができますが、日本語では呼称のバリエーションが多く複雑です。一人称は「私(わたし、わたくし)」「僕」「自分」「俺」など、二人称は「あなた」「君」「そちら」「お前」「◯◯さん」「◯◯社長」などがあります。
「私」や「あなた」はフォーマルな場でも問題ありませんが、「俺」や「お前」などは相手によって失礼になることも。日本では、相手の立場や関係によって一人称、二人称を使い分ける必要があるため、理解しにくいと感じる外国人の方は多いでしょう。

  • 「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」を使い分けている

日本では、相手の立場によって語尾を変えることがあります。言葉づかいは相手へ与える印象を大きく左右するため、ビジネスの場では特に注意しなければなりません。
尊敬語は目上のを敬う表現、謙譲語は自分がへりくだって相手を立てる表現、丁寧語は相手に対して丁寧に述べる表現です。例えば「行く」という動詞を尊敬語で表すと「行かれる」「いらっしゃる」「おいでになる」、謙譲語で表すと「参る」「伺う」、丁寧語は「行きます」となります。
日常会話では丁寧語が分かれば大丈夫ですが、ビジネスの場では尊敬語や謙譲語も押さえておく必要があるでしょう。

日本語が苦手な方には「日本語が難しいといわれる理由とは?外国人が学習するときのコツを解説!」や「日本語を学ぶ外国人が難しいと感じる理由とは?挫折しやすいポイントを解説」のコラムもおすすめです。日本語ならではの難しい点と外国人が日本語を学習するうえでのコツを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

年功序列

日本社会の風習として、勤続年数の長い社員から昇進させる「年功序列制度」というものがあります。
一昔前は「終身雇用制度」を導入する企業が多く、入社した会社で退職まで務めるのが一般的な雇用の形でした。しかし、近年では転職が珍しくなくなり、勤続年数よりも能力や経験、成果によって評価・昇進する「成果主義」が目立つように。とはいえ、今も年功序列という考えが残る企業もあります。
成果主義、実力主義が主流の海外から来た外国人留学生の方が年功序列制度の残る企業へ就職した場合、母国とのギャップを感じる可能性も。応募先企業がどのような組織風土なのか事前に確認しておくとミスマッチを防げるでしょう。

チームプレー

日本では、個人プレーよりもチームプレーで行動できる人の方が重宝される傾向があります。
周囲と足並みを合わせる「横並び」の意識が根強く、協調性の高い人材が評価されがちです。競争意識を持ち、自分の意見をはっきりと主張したい外国人の方には、慣れるまで居心地の悪さを感じるかもしれません。
もちろん、企業によっては優秀な個人プレーヤーが評価されるケースも。自分の能力や価値観に合った就職先を探すことが大切です。

外国人留学生が理解しにくい日本の就活

外国人留学生が理解しにくい日本の就活の画像

外国人留学生の方が理解しにくい日本の就活の習慣もあります。

ポテンシャル採用

日本の新卒採用では「ポテンシャル採用」を導入する企業が多いです。ポテンシャル採用とは、学生の人柄やこれからの可能性を評価するというもの。
スキルや専門知識が重視される国から来た外国人留学生の方には、「ポテンシャルをどうやって測るのか」という疑問が生じ、なかなか理解し難い選考基準のようです。

また、日本では年齢が高くなると経験や実績が重視されるため、採用ハードルが高くなる傾向があります。
このような就職事情を知らない外国人留学生の方は、知識や専門性を高めることを優先し大学院への進学を検討する人が多いようです。母国での就職経験後、日本へ留学し、大学院へ進学した人の中には年齢が30歳近くなる人もいます。
そうなると、ポテンシャル重視の新卒市場とはニーズが合わず、就職活動に苦戦するケースもあるようです。

面接マナー

日本の面接にはマナーや習慣があります。面接官に聞かれたことに答える、自分のどんなスキルが役立つのかアピールするといったことは世界共通ですが、それ以外に日本ならではの決まりごとがあるので確認してください。

  • 服装は黒やグレーのスーツが基本、派手な装いは避ける
  • 髪型やメイクは清潔感のある印象にする
  • 面接会場へは余裕を持って到着する(10~15分前)
  • コートや帽子は受付を済ませる前に脱ぐ
  • 入室するときはノック3回、「失礼いたします」と言ってからお辞儀をして入る
  • 面接官に「どうぞ」と言われてから着席する
  • 面接が終了したら「ありがとうございました」とお礼を述べる
  • 退出時は出口の前で振り返り一礼し、「失礼いたします」と言ってから出る

また、面接中の質疑応答にも注意すべき点があります。
例えば、「自己紹介」は応募者の人となりを知り確認する、その場の空気を和ませるといった理由で行いますが、外国人留学生の方は「履歴書に書いたのになぜ聞くのか」という疑問をもつことが多いようです。
時間は1分程度という暗黙の了解があり、長すぎるとマイナス印象になることも。自分のスキルや強みをアピールする「自己PR」と混同しやすいので、その点も気をつけなくてはなりません。

また、面接の最後に聞かれがちな「逆質問」は外国人留学生には理解しづらい質問の一つ。「何か質問はありますか?」と聞かれたときに「特にありません」と答えるのは「入社に対する熱意が低いのでは?」と評価される恐れがあります。
逆質問をされたら必ず答えられるよう、事前に質問内容を用意しておくのが基本です。

それでも企業が外国人留学生に期待する理由は?

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お伝えしてきたように、日本におけるビジネスの場には外国人留学生にとって理解しにくい習慣が多く存在します。
それでも外国人留学生を採用したい日本企業は絶えることがありません。ここではその理由についてお答えします。

優秀な人材を確保できる

日本で働きたいというモチベーションと高度な専門知識を備えた優秀な人材として、外国人留学生の採用に対する意識が高まってきています。
近年日本では、少子高齢化による労働人口の減少が深刻化。特に、中小企業における人材不足が目立ち、多くの企業が優秀な人材の確保に苦戦を強いられている状況です。日本語力やコミュニケーションといった課題はまだまだありますが、人材不足に対応するため外国人留学生の雇用チャンスを広げようとする動きは年々加速してきています。

海外進出への戦力になる

海外進出を検討している、または海外での事業拡大を考えている企業にとって、外国語と日本語を話しそれぞれの文化を理解している外国人留学生は魅力的な存在です。海外と日本の間に生じるズレを見出し橋渡し的な役割を担える人材として、海外ビジネスの戦力になることが期待されています。

日本人とは違う視点のアイデアが得られる

文化の違いから生まれる新しいアイディアを期待して外国人留学生を採用する企業もあります。日本人にはない視点によって、新しい商品・サービスの開発や組織の活性化に繋げたい…と考えている企業は多いでしょう。

日本での就職を考えている方は「社会人経験は必要?企業が外国人留学生に求めるものとは」のコラムも参考にしてみてください。外国人留学生を採用するメリットや、日本で就活するうえで押さえておきたいポイントをチェックできます。

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