履歴書における日本語能力試験(JLPT)の結果の書き方を詳しく解説します。履歴書は選考の結果を左右する大切な書類です。綺麗な字で正しく記入された履歴書は、採用担当者からの印象も良くなります。一方で、履歴書に空欄があると印象が悪く不採用となる恐れもあるため、すべての項目を正しく記入しましょう。コラムを参考に、日本の履歴書の書き方に関する理解を深め、就職活動に役立ててください。
目次
外国人が知りたい!履歴書の基本情報の書き方
日本在住の外国人や留学生は、日本式の履歴書の作成を難しく感じることがあるでしょう。ここでは、履歴書の基本的な書き方について解説します。各項目の書き方や書く内容を理解し、日本での就職活動をスタートさせましょう。
1.日付
日付の箇所には、提出する日を記入します。郵送で送る場合は、投函する日を書きましょう。履歴書を書いた日ではありませんので注意してください。履歴書の情報が最新であることを示すためにも、日付は間違えないように記入しましょう。
2.名前
パスポートといった身分証明書に記載されている名前を正しく記入してください。名字と名前の間は1文字分の間隔を空けると読みやすくなります。ふりがなは、履歴書に「ふりがな」と印刷されているときは平仮名で、「フリガナ」と印刷されているときはカタカナで書きましょう。
3.生年月日と年齢
履歴書を提出する時点での年齢を書きましょう。和暦(平成●年)か西暦(20●●年)かの指定がない場合はどちらでも構いません。和暦で書く場合は、アルファベットで省略せずに正式な表記で書きましょう。
4.性別
「男」または「女」のどちらかに丸を付けましょう。履歴書によっては、自身で記入するものもあります。
5.現住所
今住んでいる日本の住所を書きます。「〒」の後には、郵便番号を書いてください。郵便番号は、郵便局のWebサイトで確認できます。住所は都道府県名から書き出し、マンションやアパート名、部屋番号も省略せずに書きましょう。
6.電話番号
日中に連絡が取れる電話番号を書きましょう。携帯電話の番号でも構いません。企業から直接電話連絡が来ることもあるため、間違えのないように記入しましょう。手書きの場合は、数字をはっきりと丁寧に書いてください。
7.メールアドレス
携帯ではなくPCのアドレスを書きましょう。メールで履歴書を送る場合は、応募する際に使用するメールアドレスと同じアドレスを書いてください。
8.連絡先
現住所以外への連絡を希望する場合は、連絡先の欄に記入しましょう。下宿先やホームステイ先などに連絡を必要とする場合は、家主の名前の後に「方」を付けます。また、就職活動中に引っ越しをする予定がある場合は、新しい住所を記入しておきましょう。引っ越しの日が決まっている場合は「●月●日に転居予定」と記載してください。
9.学歴と職歴
学歴と職歴は同じ箇所に分けて書きます。最初に学歴を書き、次に職歴を書きます。書き方や書く順番に注意し、漏れのないよう記入しましょう。
学歴
学歴・職歴欄の1行目中央に「学歴」と書き、その下の行から学歴を書き出していきます。学歴は、卒業と入学をそれぞれ記載するのが一般的です。学校名のほか、学部や学科、コースもすべて正式名称で記入します。入学した年・卒業した年は間違いやすいので気を付けてください。中途退学や休学した場合は、その旨も書いておきましょう。
なお、小学校と中学校の義務教育期間に当たる学歴の記載は必要ありません。
職歴
学歴の最終行から1行空け、中央に「職歴」と書きます。社会人経験がない留学生の場合は、その下に「なし」と書いてください。職歴がある人は、勤めていた会社を時系列順に記述しましょう。会社名は学校名と同じく、必ず正式名称で記入してください。
転職する方でまだ会社に勤めている場合は、職歴の最後に「現在に至る」もしくは「在職中」と書きましょう。退職理由は、自分の都合で退職した場合は「一身上の都合で退職」、解雇で退職した場合は「会社都合により退職」と書きます。
学歴・職歴をすべて書き終えたら、最終行の一行下に右寄せで「以上」と記載しましょう。職歴がない場合は、「なし」と書いたすぐ下に「以上」と書きます。
10.免許と資格
免許・資格欄は客観的なスキルを伝えられる項目です。仕事に関連するものを優先して書きましょう。一般的に、免許や試験のスコアなど点数が得られるものは「取得」、合格証が交付されるものは「合格」と記載します。免許や資格は、一般的な呼称や省略した名称ではなく、正式名称で記載しましょう。
免許
免許は、取得しているものの中から応募先の仕事に役立つものや関連するものを書きましょう。運転免許について記載する場合は、「普通自動車第一種運転免許 取得」と書きます。
資格
同じ資格の複数の級をもっている場合は、最もレベルが高いものを書きましょう。たとえば、実用英語技能検定の1級と2級を取得している場合は、1級のみを書きます。欄に収まらないほど多くの資格を持っている場合は、応募職種で活かせる資格のみを選び記載してください。
11.通勤時間
通勤時間欄には、家を出てから会社に着くまでにかかる時間を書きましょう。徒歩と電車で通勤する場合は、両方にかかる時間の合計を記載します。応募時は遠方に住んでいる場合でも、就職・転職後に引越しする予定であればその旨を記載し、通勤に問題がないことを示してください。
12.扶養家族数
扶養家族とは、自分の収入で養っている家族のことです。たとえば、子ども1人と配偶者を養っている場合は、扶養家族数は2人と記載します。配偶者側の収入で養ってもらっている場合や独身で扶養の対象となる家族がいない場合は、0人と書きましょう。
13.配偶者の有無
結婚している方は「有」に、独身の方は「無」に丸印を書きましょう。配偶者と認められるのは、戸籍上の婚姻関係にある人です。事実婚や内縁関係にあるパートナーは、配偶者には該当しないため注意しましょう。
14.配偶者の扶養義務
配偶者とは結婚相手のことです。配偶者である夫または妻の収入が、税法上または健康保険上において要件を満たさない場合は、配偶者は扶養家族となります。相手の現在の収入に応じて、扶養の必要があれば「有」、必要がない場合は「無」に丸印を書きましょう。
15.本人希望記入欄
応募する企業内で募集職種が複数ある場合は、希望する職種を書きましょう。給与や勤務地は特別な事情がない限りは希望を書かず、「貴社規定でお願いいたします」と書くのが一般的です。
16.写真
履歴書にはスーツ姿の写真を貼りましょう。海外では前歯が見える笑顔の写真が好印象であるものの、日本では口を閉じて口角を少し上げた柔らかい表情が良しとされています。前髪の長さやメイクにも気を付け、社会人らしい写真を貼るようにしましょう。なお、写真は3ヶ月以内に撮影されたものを使用します。貼り付ける際は写真の裏に名前を書き、指定サイズにも気を付けましょう。
17.志望動機と自己PR
志望動機は就職・転職のときに必ず聞かれる質問の1つです。履歴書に書いた内容が面接でも深堀りされる可能性が高いため、自己PRも含め分かりやすくまとめておきましょう。
志望動機
意欲が伝わる志望動機の第一の条件は、「同業他社では言えない理由」が示されていることです。ほかの企業でも言える内容では、「うちでなくても良いのでは?」と思われ熱意を伝えることができません。事前に応募企業の特徴や強みを調べ、企業の特徴を取り上げながらなぜ入社したいかを伝えましょう。志望動機には、自分の経験や強みが入社後どのように活かせるかを盛り込むと効果的です。企業研究をしながら企業が求める人物像をイメージし、企業のニーズに合った強みをアピールしましょう。さらに熱意を示したいなら、入社後の目標やキャリアプランを入れるのも効果的です。その場合、将来のビジョンは応募先企業で実現できる内容にすると良いでしょう。
自己PR
自己PRは、自分の強みをアピールして書きましょう。他者から高く評価されたことや、仕事に活かせるスキルなどを書くことで企業側からの期待も高まります。自己PRを通して、企業が求める人材であることや、企業にマッチしていることを伝えられると良いでしょう。
志望動機や自己PRを書く際のポイントをより詳しく知りたい方は「外国人向けに志望動機の例文を紹介!NG例も知り就職や転職を成功させよう」や「自己PRに悩む外国人留学生必見!履歴書やESの書き方や例文を紹介」のコラムをご一読ください。
ピックアップ記事
日本語能力試験の結果の書き方
日本語能力試験の結果を履歴書に書く際は、JLPTなどの略語ではなく正式名称で書きましょう。たとえば、日本語能力試験(JLPT)のN2に合格した場合は「日本語能力試験N2 合格」と書きます。日本在住の外国人や留学生にとって、日本語に関連する資格を持っていることは高評価に繋がるので、忘れずに資格の欄に書きましょう。履歴書に記載した資格や免許は、原本またはコピーの提出を求められる場合もあります。合格通知や認定証は失くさず、大切に保管しておきましょう。
免許や資格がないときの書き方
免許や資格を持っていない場合は「特になし」と書くのが一般的です。ただし、履歴書を作成した時点で取得済みの免許や資格がない場合でも、取得に向けて勉強中の場合はその旨を記載できます。「日本語能力試験N2 7月受験予定」や、「BJTビジネス日本語能力テスト受験に向けて勉強中」など、就職に向けて意欲的に取り組んでいることを伝えるのも効果的です。
趣味・特技の書き方
趣味・特技欄の内容は面接でアイスブレイクに使われることがあるため、履歴書に記載する欄がある場合は必ず書くようにしましょう。書く際は、仕事で活かせる趣味や特技を優先して記入します。たとえば、ホテルや観光業を目指す場合「日本語と母国語を駆使して外国人観光客に対応できる」というのは仕事に活かせる立派な特技です。
趣味や特技を書くときは「運動」「読書」のように固有名詞だけを並べても、読み手があなたの人柄を想像できません。読書であれば「読書(月に20冊の小説を読みます)」というように、具体的な説明を一文加えると良いでしょう。
趣味・特技は基本的に何を書いても構いませんが、ギャンブルのように社会的にマイナスなイメージがあるものは避けてください。また、宗教や政治に関連するものも個人で意見が分かれやすいので、選考の場では話題に出さないのが無難です。
「【外国人向け】アルバイトの履歴書の書き方ガイド」のコラムでも、趣味・特技の書き方を詳しく解説しています。
文化活動の書き方
履歴書によっては、「文化活動」について記載する項目があります。文化活動には、習字や茶道、吹奏楽などの文化的な趣味を書くのが一般的です。履歴書によっては、「スポーツ・部活動・文化活動」などと印刷されている場合があり、その際はどれか1つを選択し記載します。幅広くさまざまなことに取り組んでいる人は、複数の活動を書いても構いません。
いずれにしても、スポーツや文化活動について書くときは、「どうしてその活動を始めたのか」「どのくらいの期間活動しているのか」「どんな実績があるのか」「活動から学んだことは何か」といった具体的なエピソードを書くのがポイントです。活動そのものよりも、活動をしようと思った動機や感想、自身の成長について書くことで、あなたの人柄や強みがより伝わるでしょう。
まとめ
書類選考の合否を決めるのは履歴書です。面接や次の選考に進むためにも履歴書作成は慎重に行いましょう。手書きの場合は読む人に配慮し、綺麗な字で誤字脱字に気を付けて書くことが大切です。Web上で履歴書を作成する場合も、入力漏れやミスがないかプリントアウトして確認するなど見直しを行いましょう。日本語や書き方が不安な人は、提出前に周りの人にチェックをお願いして空欄や誤字がないよう仕上げることが大切です。
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