就活中の留学生のなかには、日本ならではの面接のマナーや質問内容が多く、回答を考えるのが難しいと感じている方もいるでしょう。このコラムでは、面接で気を付けるポイントやよく聞かれる質問例を解説しています。ほかにも、面接の最後に聞かれやすい逆質問についても記載していますので、日本で就職を考えている留学生の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
留学生が日本の面接で気を付ける4つのポイント
就職の面接では、質問の回答やコミュニケーションの取り方、臨む態度など、気を付けるポイントが数多くあります。面接官が何に注目しているのかを知り、好印象を与えられるように対策しましょう。
1.良い第一印象を与える
採用担当者が応募者のどこに注目するのか、知っておくことはとても大切です。面接は面接会場に入室するところから、すでに始まっています。顔を合わせた際に第一印象が決まり、その印象が最後まで続くともいわれているのです。面接が始まる前に、自分の身だしなみが整っているかを鏡で確認しましょう。着ている服には清潔感があり、しわや汚れはないか、髪型やメイクが崩れていないかも確認します。
入退室や面接中のマナーが守れていると、採用担当者に好印象を与えることができます。面接の入室には、大きく分けて2つのパターンがあり、最初から室内に面接官がいる場合と、後から面接官が入ってくる場合があります。最初から室内に面接官がいる場合は、入室した瞬間から面接官に見られていると意識しましょう。挨拶と一礼は忘れずにします。敬語で話し、砕けた言葉は使わないのがマナーです。
2.面接中は姿勢と声のトーンに注意
面接中は、姿勢を良くして面接官の話をしっかり聞きます。椅子に座っている際に、足や腕を組んだり肘をついたりするのはマナー違反になるので避けましょう。面接官の話を最後まで聞いてから、自分の回答を始めます。話しをさえぎることや話題と違う話を始めると、コミュニケーション力がない人と判断される可能性もあるでしょう。緊張していても表情は明るく、適切な声のトーンで落ち着いてゆっくり話します。小さな声や早口で話すと面接官にあまり良い印象を与えられません。
3.日本語を気にしすぎずはっきり話す
日本語が得意でなくても、伝えたいことをはっきり話しましょう。面接官は、応募者にどの程度の日本語能力があるかチェックします。しかし、日本語や言葉遣いのことを気にしすぎて、思ったように話せなかったと後悔しないようにしましょう。言葉遣いや日本語を間違えても、気にしないくらいの心持ちで面接に臨みます。敬語がうまく使えない方は、習得するために勉強中であることを伝えると好印象です。
4.ネガティブな発言は禁物
ネガティブな発言は、後ろ向きな人と捉えられてしまいます。採用担当者は、前向きな言動をする人と一緒に働きたいと思っていることが多いのです。質問の回答が、後ろ向きな表現になりそうな場合は、少し考えてから前向きな答えに変換します。たとえば、せっかちな性格は決断力があると変換すると良いでしょう。ほかにも、仕事の経験が少ない人は、これから多くのことを学ぶ意欲があると言い換えられます。ポジティブに言い換えて、明るく前向きな印象を相手に与えましょう。
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留学生が面接で聞かれやすい質問
面接で留学生が聞かれやすい質問をいくつか紹介します。面接は企業によって質問内容が異なり、事前にどのような内容を質問されるか分かりません。そのため、事前に質問を想定して、練習しておくと良いでしょう。
自分自身について
面接官は、さまざまな質問を通して応募者の人柄や考え方を知りたい考えています。人柄が伝わるように自分らしい回答をしましょう。応募者の人柄を知りたいときによく聞かれる質問を、下記にまとめます。
・日本に留学した理由はなんですか?
・なぜ日本で働きたいのですか?
・日本で何を学びたいですか?
・あなたの長所と短所はなんですか?
日本にきたきっかけや働きたい理由に関しては、具体的なエピソードを話しましょう。「日本のアニメが好きだから」「日本の文化に興味があったから」という回答では、自分自身の考え方は伝わりません。どのようなきっかけがあって、なぜその考えを持ったのか詳しく話します。
志望企業について
面接官は、数ある企業の中からなぜ自社を選んだのか、知りたいと考え質問します。入社意欲を示すために、具体的な志望動機を言えるようにしておきましょう。よく聞かれる質問を、下記にまとめます。
・この仕事を希望する理由は何ですか?
・数ある企業の中から当社を選んだのはなぜですか?
・当社で挑戦したいことは何ですか?
・日本で就労する期間の希望はどのくらいですか?
上記の質問のほかに、残業や休日の希望、会社までの交通手段など具体的な質問もされる可能性もあります。自分の希望はあらかじめまとめておき、家から会社までの交通手段と通勤時間は把握しておきましょう。
日本語や一般常識について
日本で仕事をすると、日本語でコミュニケーションを取る場面が多くなるでしょう。そこで、日本語に関する質問をされることもあります。よく聞かれる質問を下記にまとめたので、参考にしてください。
・日本語はどのくらい話せますか?
・日本文化への対応力を教えてください。
・会話で知らない日本語が出てきたらどうしますか?
日本語検定を受けている方は、何級を取得しているか伝えます。質問に回答していくうちに、一般常識を問われることもありますので、時事問題や日本のマナーについて勉強しておくと良いでしょう。
面接で聞かれやすい質問については、「外国人が就活でよく聞かれる質問と回答例を紹介!面接時のマナーも解説!」や「留学生が日本で就職するために!面接でよく聞かれる質問と回答例を解説」のコラムでもまとめています。ぜひチェックしてみましょう。
質問に回答する際に気を付ける3つのポイント
面接で質問された際にしっかり受け答えをするための、気を付けるポイントを紹介します。事前に想定質問に対する回答を準備しておくことも大切ですが、受け答えの注意点を理解しておくことも重要です。
1.質問の意図を理解する
面接官から聞かれたことに的確に答えましょう。面接では、緊張や不安で質問を理解できていないまま答えてしまうことがあります。見当違いな回答をしないためにも、落ち着いて質問を聞きましょう。もし、聞き取れない言葉があった場合や質問の意図が理解できなかった際は、「聞き取れなかったので、もう一度お願いします」「今の質問はこういう意味で合っていますか?」と聞いてから回答します。
2.自分と企業がマッチしていることをアピールする
企業は応募者が自社とマッチしているか、面接で見極めようとしています。企業側が求める人材にマッチしていることをアピールするために、自分の強みやセールスポイントを理解しておきましょう。自分の強みを伝えるコツは、具体的なエピソードを交えて話すことです。何かの実績がある場合は、どのような努力をして結果が出たのか、その過程を伝えると良いでしょう。
3. 応募書類から大きく外れたことを話さない
面接では応募書類の内容を参考にしながら、質問をされることが多くあります。面接の前に応募書類を見直して、志望動機や自己PRの回答内容を事前に考えておきましょう。応募書類と面接での回答が、同じ内容になっても問題ありません。応募書類と一貫性のない回答をすると、内容に信憑性がないと思われる可能性があります。
留学生は「逆質問」にも注意
日本の面接では、面接官から「なにか質問はありますか?」と、逆質問をされることがあります。何を聞いたら良いか分からない方のために、おすすめの質問例と避けた方がいい内容を紹介しますので、参考にしてみてください。
おすすめの逆質問の例
面接官は、企業側の良さを知ってもらったり、応募者の志望度合いを測ったりする意図で逆質問を投げかけます。そのため、企業のWebサイトに載っている内容や一度聞いたことを繰り返し質問するのは、あまり良い印象になりません。なお、業務内容に疑問がある場合は積極的に質問しましょう。
下記におすすめの逆質問の例を挙げていますので、チェックしてみてください。
・1日の仕事の流れを教えてください。
・入社までに学んでおくことは何かありますか?
・御社で活躍されている方の共通点はありますか?
・〇〇の資格を持っていますが、活かせる仕事はありますか?
避けた方が良い逆質問の例
逆質問で待遇や勤務条件ばかり聞くのは避けましょう。聞き方によっては、仕事内容より条件ばかり気にしている人という印象を与えかねません。また、「特にありません。」と答えるのは避けましょう。面接官に、「自社にはあまり興味がないのでは」と思われる可能性があります。先述のとおり、企業のWebサイトやパンフレットを見ればわかるような質問も望ましくありません。
下記に避けた方がいい逆質問をまとめたので、参考にしてみてください。
・残業代は支払われますか?
・有給は使えますか?
・主力商品やサービスは何ですか?
・御社の強みは何ですか?
「外国人の面接対策!企業に対する質問では何を聞くべき?」では、質問の意図や回答の際に気をつけることを解説しています。
面接は必ず事前に準備を行い、本番であなたの人柄や魅力をアピールしましょう!
まとめ
日本で就職を成功させたい留学生は、面接対策をしっかり行いましょう。まずは、上記の内容を参考にして、面接を受ける際の注意点を把握します。事前に想定質問を考えて、回答を準備しておくことも大切です。面接の回答を考える際には、応募先企業の情報収集をしておきます。しっかりと面接の準備をして、日本での就職を成功させましょう。