逆質問とは、就活生が面接官に行う質問のことです。仕事内容や働き方、企業の雰囲気などについて、質問できます。
この記事では、面接官が逆質問を促す理由と就活生が質問をする際のポイントを解説。逆質問で仕事の疑問点を解消すると、入社後のミスマッチを減らせます。質問をしながら自分の志望意欲や強みもアピールできるので、しっかりと尋ねる内容を考えておきましょう。
目次
日本の就活でよく聞く逆質問とは?
逆質問とは、就活生が面接官にする質問のことです。面接の最後に、面接官が「何か質問はありますか?」と聞く場合があります。このとき、就活生のほうから企業や仕事に関する質問をすることが可能です。通常は面接官が就活生に対して質問を行いますが、質問をする人と答える人が入れ替わるため、逆質問と呼ばれています。
面接官が就活生にする質問について知りたい方には、「日本の面接で聞かれる質問とは?採用につながる回答を考えよう」や「留学生が面接で聞かれる質問は?内容を理解し日本での進学や就職に活かそう」の記事がおすすめです。
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面接官が逆質問を促す理由
面接官が逆質問を促すのは、「就活生の疑問を解消する」ためです。ほかにも、「自社への熱意を確かめる」「自社との相性を見極める」「コミュニケーション能力を確認する」などの理由も挙げられます。
応募者の疑問を解消するため
面接官が逆質問を促す一番の理由は、就活生の疑問を解消するためです。企業のパンフレットやWebサイトには多くの情報が載っていますが、就活生のすべての疑問を解決できるとは限りません。面接官が質問に答えると、就活生は自分の疑問を解消できて企業への理解をより深められます。その結果、入社後に「このような話は聞いていなかった」というミスマッチを減らせるのです。
自社への熱意を確かめるため
企業は逆質問によって、就活生が自社にどのくらい興味があるのか、よく調べているのかを確かめます。質問をしなかったりどの企業に対しても当てはまる内容を聞いたりすると、熱意は低いと判断されるでしょう。
企業についてしっかりと調べたうえで、仕事内容や働き方などの具体的な質問をすると「よく調べている」「入社後のイメージができている」と好印象に繋がります。
自社との相性を見極めるため
企業は逆質問の内容から、就活生が自社の社風と合っているのかを見極めます。たとえば、自主性が求められる企業で「仕事は一から細かく教えてもらえますか?」と質問をすると、自社とは合わないと判断されるでしょう。
ほかにも、「転勤はありますか?」「配置転換は頻繁ですか?」といった質問からも、自社との相性を判断されます。企業側の回答を聞いた就活生が顔を曇らせたり戸惑ったりするようであれば、自社と合わないと判断されるでしょう。
コミュニケーション能力を確認するため
面接官は、逆質問のやりとりから就活生が適切なコミュニケーションを取れるかを確認します。「逆質問の内容は面接の場に相応しいか」「自分の考えをうまくまとめているか」「会話のキャッチボールができているか」が確認されるポイントです。なお、面接官が逆質問に回答したあと、就活生に「あなたはどう考えますか?」と聞く場合があります。適切に答えられるように自分の意見をまとめておきましょう。
逆質問のやりとりが終わったあとに、「ありがとうございます」「勉強になりました」などと伝えると面接官に好印象を与えられます。
面接でよくある質問については、「転職の面接で外国人が聞かれる質問と回答例 「日本に来た理由」はどう答える?」の記事でも解説しています。
逆質問をするときのポイント
逆質問をするときには、自分で調べたら分かる内容や待遇に関する質問は避けましょう。以下では、逆質問をするときのポイントについて詳しく解説します。
質問の意図をはっきりさせる
逆質問では、内容を分かりやすくまとめて質問の意図をはっきりさせることが重要です。最初に要点を話して、補足はあとから付け足したほうが意図が伝わりやすくなります。話があちらこちらに飛ばないように気を付けましょう。
質問の意図が伝わらないと、面接官は何を答えたら良いか分かりません。また、「この就活生はコミュニケーション能力が低い」「理路整然と話せない」と判断される可能性もあります。スムーズに話せるように、面接前に逆質問の練習をしておきましょう。
自分で調べたら分かる内容は聞かない
調べたら分かる内容を聞くのは、企業研究をしていないと伝えているようなものです。たとえば、「御社が開発しているサービスを教えてください」という質問の答えは、企業のWebサイトを見ればすぐに分かります。
質問するときには、「御社の●●というサービスは、どのようなコンセプトで生まれたのですか?」「他社商品と●●を比較したときに、どこが最も誇れる点とお考えでしょうか?」など、掘り下げて聞くと良いでしょう。
待遇に関する質問は避ける
「残業はどのくらいありますか?」「有給は取得しやすいですか?」といった、待遇に関する質問は避けたほうが無難です。働く環境は重要ですが、日本では待遇面を細かく聞くのは良しとされていません。就活で企業を選ぶ際に、事業や仕事内容ではなく待遇を判断基準にしていると思われる可能性があります。
面接で避けたほうがよい質問については、「面接NGワードとは?避けた方が良い回答例をご紹介」の記事でも解説しています。
シチュエーション別の逆質問例
以下では、業務内容や企業の雰囲気を尋ねるときの質問例のほか、意欲・強みをアピールできる質問の仕方を紹介します。最終面接での逆質問例とポイントもまとめているので、ぜひチェックしてください。
業務内容について尋ねたいとき
業務内容や現場の様子に関する逆質問は、現場の社員が面接官をする一次もしくは二次面接で行いましょう。以下では、業務内容の逆質問の例を紹介します。
- 1日の仕事のスケジュールを教えてください
- 仕事のなかで特に達成感があるのはどのようなときでしょうか?
- 今までで最も大変だったエピソードを教えてください
- 仕事のなかで特に気を付けているのはどのような点でしょうか?
- 繁忙期はありますか?
- 社内の公用語は英語だと伺っています。どの部署でも同じでしょうか?
- 仕事をするうえでどれくらいの日本語レベルが必要でしょうか?
入社後のミスマッチを防ぐためにも、業務内容の確認は重要です。実際に自分が働いている様子を思い浮かべて、逆質問を考えると良いでしょう。
働き方について聞きたいとき
キャリアパスや福利厚生などに関する逆質問は、人事部門の社員が面接官をする一次面接ですると良いでしょう。短時間正社員や週4日勤務といった多様な働き方を実現している企業には、実際にどのように運用しているのかを質問すると理解が深まります。
- リーダーやマネージャーといったポジションを目指したいと考えています。御社ではどのような評価制度や昇進制度を取っていますか?
- 海外事業部へ配属されるには、どのような経験が何年ほど必要でしょうか?
- 御社は短時間正社員制度を導入されていると伺いました。実際にどれくらいの人が短時間正社員として働いていますか?
- 子供が生まれた際の育児休暇や在宅勤務、復職に関する取り組みを教えてください
短時間正社員制度や休暇制度について質問する際は注意が必要です。質問の仕方によっては、「仕事内容ではなく休みの多さで企業を選んでいる」という印象を与えてしまいます。マイナスな印象を与えないためにも、「ユニークな制度だと思ってお話を伺いたいと思いました」と付け加えると良いでしょう。
企業の雰囲気を知りたいとき
企業の雰囲気に関する逆質問は、一次・二次・最終のいずれの面接でもできます。企業の雰囲気に関する逆質問の例は以下のとおりです。
- 御社の社風を教えていただけますでしょうか?
- 御社で活躍している社員に共通点はありますか?
- 社内行事がありましたら教えてください
- 部署や係での飲み会はありますか?
- どのような国籍の方が働いていますか?
- 多国籍の社員が一緒に働くうえで、どのような点に気を付けられていますか?
企業の文化や雰囲気について質問して、自分に合っているかを考える判断材料にしましょう。
入社意欲をアピールしたいとき
逆質問で入社までに身に付けておくべき知識やスキル、仕事に必要な資格についてを聞くと、前向きに取り組む姿勢をアピールできます。入社意欲をアピールしたいときは、以下の例を参考にして自分の言葉で質問をしましょう。
- 入社までに身に付けたほうが良い知識やスキルはありますか?
- 仕事に役立つ資格があれば教えてください
- 外国人社員はどのような活躍をされていますか?
- 海外展開に携わりたいと考えています。どのような適性が求められますか?
入社後を積極的にイメージしようとしていると伝えられると、良い印象を与えられるでしょう。
強みをアピールをしたいとき
話せる言語や海外での経験、持っている資格などを織り交ぜた逆質問は、自己アピールも同時にできます。強みをアピールできる逆質問の例は以下のとおりです。
- 私はビジネスレベルの中国語と英語を活かして、将来は海外駐在員として働きたいと思っております。御社で海外駐在員として活躍するために、語学力以外に身に付けておいたほうが良いスキルや取得しておくべき資格はありますか?
- 私は人とコミュニケーションを取るのが好きで、部署関係なく協力して働きたいと考えています。御社では他部門との交流は盛んでしょうか?
- 私はチャレンジ精神が旺盛な性格です。御社が若手社員に求める点や理想の社員像などはありますか?
逆質問をする際に、強みをアピールをし過ぎるのは良くありません。自分の強みをどのように企業で活かせるかという視点から質問しましょう。
最終面接に挑んでいるとき
社長や役員が来る最終面接では、事業や業界の将来性、求めている人材などについて聞きましょう。また、入社意欲や熱意を積極的にアピールするのもおすすめです。以下では、最終面接での逆質問の例を紹介します。
- 御社の強みと、その理由を教えてください
- 御社が今足りていないと感じるものや必要なものは何ですか?
- 御社の5年後のビジョンを教えていただけますでしょうか?
- 10年後に●●業界はどのようになっているとお考えですか?
- 外国人社員にどのような点を期待していますか?
- 御社は今後、海外展開すると伺いました。差し支えない範囲で概要を教えていただけますか?
- 海外展開をしている御社の製品を、私の母国にも広める仕事がしたいと思っています。海外事業に関する今後のビジョンを教えてください
社長や役員は、現場の雰囲気や仕事の詳細にあまり詳しくない場合があります。社長や役員が来ている最終面接で、現場に関する質問は避けましょう。
最終面接を控えた方は、「留学生に向けて最終面接で聞かれる質問と回答例を紹介!内定を得るコツとは」の記事もぜひチェックしてみましょう。
逆質問しないのはNG
逆質問を促されたときに、「特にありません」と答えるのはやめましょう。何も質問をしないと、「入社意欲が低い」「興味がない」と捉えられてしまう可能性があります。逆質問をされたときに戸惑わなくて済むように、企業研究をしっかりと行い尋ねたい内容を考えておきましょう。
逆質問を用意していても、面接官と話しているうちに疑問が解決して聞きたい内容がなくなるケースも考えられます。どうしても逆質問が思い浮かばない場合は、「本日は貴重なお話を伺い、入社後をしっかりとイメージできました」とお礼を述べるのも一つの手です。また、「御社が●●に力を入れていると知り、さらに入社したい気持ちが強まりました」といったように、入社意欲を伝えるのも良いでしょう。
しかし、基本的には逆質問できるように、いくつか聞きたい内容を準備しておくのが賢明です。
まとめ
面接では最後に「何か質問はありますか?」とよく聞かれます。逆質問は疑問を解決できるだけでなく、自分の入社意欲や強みをアピールできる絶好の機会です。そのため、「特にありません」と答えるのだけは避けたいところ。しっかりと企業研究をして、逆質問の準備をしておきましょう。
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