日本で就職したい外国人留学生へ、日本の就活マナーをご紹介します。礼儀を重んじる日本での就職を成功させるためには、面接の場だけでなく、エントリーの時点でマナーを意識できるようにしておきましょう。エントリー編、面接編、態度編の3つに分け、身だしなみや挨拶についてもわかりやすく解説します。
目次
就活のマナーとは
日本の就活では、「企業に敬意をはらい、礼儀をもって取り組む」ことが求められます。日本ならではの礼儀作法はもちろん、身だしなみや話し方にも細やかな気配りが必要です。面接の場だけでなく、エントリーから面接終了後のメール送信まで、誠意をもって取り組みましょう。「人の第一印象は3秒で決まる」といわれています。自分が企業側から見て好印象となるよう、しっかりと基本のマナーを理解しておきましょう。
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日本の就活で知っておくべきマナー(エントリー編)
まず企業にエントリーをする時点で、マナーに注意しましょう。電話連絡や履歴書の郵送、メール送信など、顔が見えないときのコミュニケーションは慎重に行いましょう。以下で具体的に解説します。
電話で連絡をするときの注意点
電話でエントリーをしたり問い合わせをしたりする際には、明るくハキハキと話しましょう。表情が見えない分、声だけで印象が変わってきます。「お忙しい中申し訳ございません。只今、お時間宜しいでしょうか」と冒頭に一言添えると、企業への配慮や気遣いが伝わりやすくなります。同じことを繰り返し聞かないように、必ずメモを取りましょう。
履歴書を送るときの注意点
履歴書を送る際は、誤字脱字や書き漏れのほか、読みやすい文章かどうかを客観的にチェックしましょう。特に「氏名や住所のフリガナ」「学歴の卒業年月・留学していた年数」など、細かな部分まで確認することが大切です。必ず黒のボールペンで記入し、汚れや折り目がつかないようにしましょう。履歴書を封筒に入れる際は、表面が見えるように三つ折りに入れます。期日は必ず守るようにしましょう。
メールを送るときの注意点
メールを送信する際は、件名や自分の氏名に漏れがないかを確認しましょう。本文の冒頭に、「▲▲会社 人事部ご担当者様」や、「◯◯会社 人事部御中」などを記載しておくと丁寧です。電話連絡と同様、文章のはじめに「お忙しい中、失礼致します。」と入力すると、メールの書面上で気遣いの心を表すことができます。企業側で書式が決まっている場合は、企業の指示に従って入力するようにしましょう。
日本の就活で知っておくべきマナー(面接編)
面接においても、たくさんのマナーがあります。身だしなみや挨拶を徹底し、面接官から良い印象を持ってもらえるように心がけましょう。
服装は基本的にスーツ
面接をはじめ、説明会やセミナーなどの就活の場では、スーツを着るのが一般的です。ただし、企業から「私服での来社」など指示があった場合は、企業の指示に従いましょう。スーツの場合、シワやほつれがないようにし、男性はネクタイをしっかりと締めましょう。女性の場合は、ストッキングが伝線していないか注意しましょう。男女ともに、Yシャツやブラウスのボタンはしっかりと上までとめておきましょう。
髪の毛をまとめて清潔に
女性の場合、髪の毛が肩につく長さの場合は必ず結びましょう。おくれ毛がある場合は、ピンで止めるとより清潔感がでます。男性は髭を剃り、髪の毛はワックスなどでまとめると良いでしょう。襟足は短く切るのが一般的です。
アクセサリーはしないのが無難
アクセサリーは、何もつけない方が良いでしょう。面接の場だけでなく、セミナーや説明会のときも同様です。面接官によっては「シンプルなものならOK」というところもありますが、人によって「シンプル」のイメージは異なるので、つけないのが無難です。
ナチュラルメイクを心がける
就活ではナチュラルメイクを心がけましょう。濃いメイクをしてしまうと、就活の場では浮いてしまいます。薄い口紅やアイメイクなど、誰が見ても好印象を持つ落ち着いたメイクにしましょう。
挨拶や礼儀を忘れない
「挨拶や礼儀」は、就活マナーで最も重要なことといえるでしょう。面接の部屋に入る前に、ドアを必ずノックし「失礼致します」と一言伝えましょう。椅子に座る前に、「◯◯(氏名)です。宜しくお願い致します。」と自分の名前を伝えることが大切です。面接官よりも先に座らず、面接官から「おかけください」と言われてから座るようにしましょう。面接終了時には「ありがとうございました」と伝え、ドアの前で「失礼致します」と言って一礼すると、好印象です。
就職面接での身だしなみについては「留学生必見!就職面接での服装マナーを解説」をご覧ください。また、面接の流れについて知りたい方には「就活中の留学生必見!個人面接の流れやマナーを徹底解説」のコラムもおすすめです。就職面接でのマナーを知って、日本での就活を成功させましょう。
必ず押さえるべき就活マナー(態度編)
就活を通して最も大事なのは、態度です。面接官は、応募者の発言だけでなく、表情や態度もしっかりと見て、応募者の内面を確認しています。
自分を客観的に見る
自分を客観的に見ることは就活マナーを押さえるうえで、とても大切なことです。そうすることで自分は面接官にどう見えているのかを想像することができ、発言だけでなく自分が面接に取り組む姿勢にも意識的になれるでしょう。自分を客観視するには企業にエントリーした時点で自己分析を開始しましょう。自分の行動や気持ちを書き出したり、自分の長所や短所を考えたりすることがおすすめです。
素直な気持ちで取り組む
人の気持ちは対面で会話をしていれば、少なからず表情にあらわれるものです。素直な気持ちで取り組むと、自然に素直な感情が表情にもにじみ出ます。逆に、繕って取り組んでいるとすぐに面接官に見透かされてしまうでしょう。素直な気持ちで取り組むにはエントリーする前から自分に素直に行動し、等身大の自分を理解しておくことが大切です。そのためには自己分析をして、自分にできること・できないことを把握しておきましょう。
どの企業に行っても通用する礼儀をもつ
どの企業でも通用する礼儀を身につけましょう。前述の就活マナーを徹底すれば、基本的なことは理解しているといえます。気持ちの良い挨拶や、清潔的な身だしなみで悪印象となる企業はありませんので、「就活マナーも自己表現のひとつ」と捉え、どの企業でも堂々と振舞えるようにしましょう。
就活マナーのNG例
就活マナーには失敗やNG例もあります。就活をスタートする前に把握しておきましょう。
連絡のタイミングを間違える
電話連絡をするタイミングを間違えてしまうと、印象がよくありません。たとえば、朝一番で電話をかけてしまうと、朝礼をしている企業にとっては都合がよくありません。一概に「この時間が良い」とはいえませんが、午前中なら10時30分以降、もしくはお昼休憩の時間が過ぎた13時以降に連絡をするのが無難といえるでしょう。終業時刻に近い17時以降や、休憩時間に近い12時台は避けておいたほうが良いといえます。
ガムを噛んでいる
就活の場でガムを噛むのはやめましょう。企業からの説明に対して真剣に向き合う姿勢が見られません。
言葉遣いが悪い
言葉遣いの悪さは、人柄をあらわします。話し方が雑であったり、流行り言葉を多用してしまうと、面接官から「就活の場にふさわしくない」と思われてしまいます。場をわきまえ、きれいな言葉遣いで取り組みましょう。
挨拶がない、声が小さい
挨拶がない場合や声が小さい場合も就活マナーが欠けていると判断されます。身だしなみがきれいでも、必要な挨拶ができない人や、声が小さく話が聞き取れない人は、印象が下がってしまうでしょう。基本的な礼儀や話し方ができない人は、面接のイメージトレーニングも不十分と思われてしまいます。明るくハッキリとした話し方で、適切な挨拶を心がけましょう。
清潔感がない
清潔感は、就活マナーの基本です。特に日本人は清潔感に敏感なうえ、見た目から人の印象を判断されやすいので、きれいな身だしなみで臨みましょう。また、清潔感のある靴やきれいなリクルートカバンを持ち、いつでも面接できるようにしておきましょう。
まとめ
外国人留学生が日本での就活を成功させるには、就活マナーをおさえつつ、相手の立場に立って行動し、発言する際には敬意をはらって言葉を伝えましょう。また、身だしなみは人の印象を決めるものです。誰が見ても清潔な見た目で取り組み、内面・外見ともに就活マナーをマスターしましょう。