転職活動において職務経歴書は、企業が応募者の経験やスキルを評価するための重要な書類です。このコラムでは、職務経歴書の書き方や履歴書との違い、作成する前に必要な準備を紹介します。綺麗に書く自信がない人はパソコンで作成するのがおすすめです。また、転職回数が多い場合の書き方もご紹介していますので、ぜひ、参考にしてみてください。
目次
日本での転職に必要な職務経歴書とは?
職務経歴書とは、これまでに経験した仕事内容や身につけたスキルなどを記載する書類のことです。
なぜ職務経歴書が必要なの?
職務経歴書は、これまでにどのような職業に携わってきたか、どのようなスキルを持っているかをアピールするために必要な書類です。採用か不採用かを判断する一つの材料となるので、重要な書類といえるでしょう。
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職務経歴書と履歴書の違いとは?
職務経歴書と履歴書は一見似ているようですが、用途や役割が異なります。転職活動では、職務経歴書と履歴書を応募する企業に提出するのが一般的です。この項目では、職務経歴書と履歴書において採用担当者がチェックするポイントを解説します。
職務経歴書
採用担当者は職務経歴書を通じて、自社で活用できるスキルや仕事に対する意欲、仕事をする上での強みなどをチェックします。
履歴書にも職歴欄はありますが、スペースが限られているため、職務経歴書でより詳しくキャリアをアピールしましょう。
履歴書
履歴書とは、名前や住所をはじめとする個人の基本情報を記載する書類のことです。採用担当者は履歴書を通じて、学歴や職務経歴、通勤可能な距離に住んでいるかをチェックします。
職務経歴書は手書きかパソコン作成か
職務経歴書のフォーマットに決まりはなく、作成方法は自由です。パソコンで作成しても手書きで作成しても構いません。日本には、「手書きのほうが誠意が伝わる」という企業もありますが、日本語のライティングに自信がない方はパソコンでの作成をおすすめします。
職務経歴書を書く前にするべきこと
職務経歴書を書くには準備が必要です。今までのキャリアを整理したり、応募する企業が求めていることを理解したりしてから作成しましょう。
今までのキャリアを整理する
これまでに経験した仕事内容や、仕事での実績を年次順に整理します。さらに、仕事で得たスキルや苦労したこと、やりがいを感じたことなどを掘り下げていきましょう。転職経験がない方や社会人経験が浅い方は、自分の得意なことや趣味などから仕事に活かせる強みを整理します。
応募する企業が何を求めているか理解する
応募する企業が求めていることを、求人票や企業のホームページで確認することが大切です。たとえば、事務職の場合、「Excelスキル」「作業のスピード」「臨機応変な対応」などと仕事内容や必要なスキルをノートに書き出します。
企業が求めていることと自分のキャリアを照らし合わせる
企業が求めていることと自分のキャリアが、どれだけ合致しているかが重要です。応募する企業で自分が働いている姿を想像しながら照らし合わせてみましょう。また、仕事に対するモチベーションや応募する企業でどのように活躍したいかを具体的に整理することで、自己PRや志望動機が書きやすくなります。
職務経歴書の項目別に書き方を解説!
職務経歴書の書き方を項目別に解説します。「見やすさ」「読みやすさ」を重視しながら書きましょう。
氏名・日付・タイトル
氏名と日付は書類の右上に寄せて書きます。氏名は英語表記で問題ありません。日付は氏名の真上に書きます。職務経歴書を作成した日ではなく、書類を提出する日を書きましょう。
職務要約
職務要約とは、これまでに経験した業務内容を簡潔にまとめた文章のことです。専門用語は避けて250字程度で書き納めます。採用担当者に興味を持ってもらえるように工夫して書きましょう。
職務経歴・内容
職務経歴の項目では、これまでのキャリアを勤めた企業別に詳しく記入します。会社名や在籍期間、従業員数、事業内容、業務内容を記入しましょう。職務経歴書の書式スタイルは自由ですので、過去の職務経歴から書いても、新しい職務経歴から書いてもどちらでも構いません。アピールしたいスキルや仕事内容があれば最初に記入しましょう。仕事での成果や実績などは、下記のように数字を用いて具体的に表現するのがポイントです。
例:売上目標を上回る150%の達成率を記録し、100名の従業員の中からMVPを受賞しました。
知識・スキル
取得している知識やスキルを記入します。応募する企業で活かせる知識やスキルを書くことがポイントです。長い文章だと読みにくくなってしまう可能性があるので、箇条書きで記入しましょう。また、下記のように知識やスキルの熟練度を具体的に書きます。
例:Excel:IF関数、ピボットテーブル、データ表の作成
アピールできるような知識やスキルが少なかったり、見つからない場合は、過去の職場の仲間に自分のことを聞いてみましょう。
免許・資格
取得している免許や資格を記入します。応募する企業の業務内容に関連した免許や資格を優先して記入しましょう。最初に免許、その次に資格を記入する方法が一般的です。資格は、取得した年月日を添え、資格名は省略せずに正式名称で記入します。また、勉強中の資格があれば「情報処理検定1級取得に向けて勉強中」というように記入しましょう。
自己PR
自己PRの項目では、自分の強みや仕事に対する意欲を表現します。文章で書く場合は、5行程度でまとめましょう。書き方のポイントは、誤字脱字に注意し、冒頭で要点を述べることです。たとえば、「協調性」「作業スピード」というように自分が伝えたいアピールポイントを冒頭に書き、本文では、アピールポイントを裏付ける内容と入社後のビジョンを簡潔に述べます。
自己PRの書き方に悩む方には「転職活動における自己PRの書き方とは?外国人に向けて例文を紹介」のコラムがおすすめです。書き方のポイントや例文などを参考にしてみてください。
転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方のコツ
この項目では、転職回数が多い場合の書き方をご紹介します。書き方を工夫して、転職回数の多さをを感じさせない職務経歴書を作成しましょう。
職種別にまとめて書く
転職経験が多い方は、「接客業」「事務職」などと職種別にまとめて書くことがポイントです。そうすることにより、職務経歴の一貫性を表現できます。また、転職回数の多さも感じにくくなるでしょう。
転職によって得たスキルや身についたことを書く
転職によって身についたスキルや経験を書きます。たとえば、「営業職と接客業を経験し、お客様に対して柔軟な対応ができるようになった」と書くと、転職回数の多さに対するネガティブなイメージは感じにくくなるでしょう。
今回の転職に力を入れていることを強く表現する
採用担当者に「この会社もすぐ辞めてしまうのではないか」とマイナスなイメージを持たれないように、「今回が最後の転職です」という気持ちを強く表現します。応募する企業でどのように働きたいか、どのように貢献したいかを具体的に表現することがポイントです。
まとめ
職務経歴書は転職活動に欠かせない書類です。職務経歴書を書く前に、自分のキャリアを整理し、応募する企業が求めていることを理解しましょう。転職回数が多い場合でも書き方を工夫すれば、読みやすい職務経歴書ができます。