日本で転職活動をするときは、どういった格好をしたら良いか分からないという外国人の方もいるでしょう。このコラムでは、転職活動を行うときの服装や持ち物のマナーについて解説。また、面接時の入室マナーや名刺の受け取り方、退室方法など項目ごとに紹介しています。Web面接での注意事項もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
目次
転職活動を行うときの服装や持ち物のマナー
日本の転職活動では、服装や身だしなみといった社会人としての基本的なマナーができているかが重要です。以下に項目ごとにチェックするポイントをまとめているので、ぜひ参考にしてください。
スーツを着用する
男性は上下セットのスーツを着用します。ネイビーやグレーといった落ち着いたカラーがおすすめです。なお、リクルートスーツは避けましょう。リクルートスーツは、学生が就活を行うときの服装なので頼りなく見えてしまいます。また、黒のスーツも堅苦しく、冠婚葬祭のイメージがあるので避けたほうが無難です。
女性は上下セットのスーツでなくても構いませんが、ジャケットは必ず着用しましょう。男性と同じく、リクルートスーツは避けます。
髪型とメイク
清潔感のある髪型が基本です。男性も女性も、前髪は目にかからないようにし、整髪料の付けすぎに注意しましょう。女性は、髪をまとめたほうが清潔感のある爽やかな印象を与えることができます。また、カラコンやつけまつげは避け、ナチュラルメイクを心掛けましょう。ノーメイクは、身だしなみができていないという印象を与えるのでNGです。
匂いに注意
たばこの臭いや体臭は、清潔感がない印象を与えます。特に夏場は汗をかきやすいので、注意しましょう。香水の付けすぎもNGです。なお、整髪料や柔軟剤も匂いが強いものは避けましょう。
持ち物
ノートまたは手帳、筆記用具は必ず持参します。スマホの通知はオフにしておくのがマナーです。バッグはA4サイズが入るビジネスバッグを使用し、面接中は椅子の足元に立てて置きましょう。
「外国人が日本の面接を受ける際のマナーとは?服装や到着時間について解説」では、日本の面接の服装や時間、名刺を受け取る際のマナーを紹まとめています。応募先の企業に良い印象を与えるためのコツも紹介しているので、参考にして面接を成功させましょう。
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面接会場に入る前~控室でのマナー
ここでは、面接会場に入る前から控室でのマナーについて解説します。
5分前には到着する
遅刻は厳禁です。電車の遅延や道に迷うといったアクシデントにあうリスクも考え、早めに到着するようにしましょう。ただし、受付に行くのは面接の5分前です。早く着きすぎると企業側の準備が整っていない場合があり、迷惑をかけてしまう可能性があります。
スマホはマナーモードか電源オフにする
スマホは音が鳴らないように、マナーモードか電源をオフにしましょう。マナーモードの場合は、バイブ音も鳴らないようにします。たとえ音が出ていなくても、バイブ音が鳴るのは印象が良くありません。
建物に入る前にコートは脱ぐ
建物に入る前に、コートやマフラーなどの防寒具を脱ぎましょう。夏場は、入館前にジャケットを着用するのがビジネスマナーです。
遅刻をする場合は必ず連絡を入れる
遅刻は厳禁ですが、やむを得ず遅刻をしてしまう場合は必ず電話連絡を入れます。遅刻をしてしまう旨の謝罪と、なぜ遅れるのか、どのくらいで到着をするのかを伝えましょう。
受付
会社に着いたら、まずは受付で訪問の趣旨と名前を伝えます。受付での対応もチェックされる場合があるので、丁寧な言動や振る舞いを心掛けましょう。
控室
控室に通されたら下座の席に座って待ちます。下座とは目下の人が座る席で、入り口から最も近い位置にある椅子です。逆に上座は目上の人が座る席で、入り口から最も遠い位置にあります。日本では上座や下座のマナーはとても重要とされているので、間違って上座に座らないように注意しましょう。
日本での転職を検討している方には、「面接の注意点を知りたい!転職希望の外国人に向けてマナーを解説」もおすすめです。面接を受ける際に意識することや流れの注意点を解説しているので、ぜひチェックしてみましょう。
転職面接中のマナー
ここでは、面接中のマナーについて解説します。入室から退室まで細かなルールやマナーがあるので、しっかりと頭に入れておきましょう。
入室
入室時は、3回ノックするのが基本です。ノックをした後に「どうぞ」と声が掛かったら、「失礼いたします」と一言伝えて入室します。入室したら、振り返って両手で静かにドアを閉めましょう。話しながら片手で閉めるのはNGです。ドアを閉めたら、面接官に向かって「◯◯(フルネーム)と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします」と伝えて一礼しましょう。このとき、話しながら礼をするのはマナー違反です。必ず話し終えてから礼をします。
着席
椅子の横に立ち、面接官から「どうぞ」と言われたら「失礼いたします」と一言添えて座ります。面接官から促される前に座るのはマナー違反です。また、座る際も面接官が着席したのを確認してから座りましょう。
バッグは椅子の横に立てて置きます。コートは折りたたんでバッグの上に置くか、椅子の背もたれに二つ折りにして掛けましょう。
名刺の受け取り方
名刺は「頂戴いたします」と一言添えて両手で受け取ります。名刺を受け取ったら軽く確認し、自分から見てテーブルの左側へ置きます。複数名から名刺を受け取った際は、役職が一番高い人の名刺を、自分の名刺入れの上に置きましょう。名刺は重ねず、並べて置くのがルールです。すぐに名刺入れにしまうのはマナー違反になるので注意しましょう。
面接中
まず始めに「本日はお忙しい中、面接のお時間を頂きましてありがとうございます」と、お礼を伝えます。
質問を受けたら、面接官の目を見てハキハキと答えましょう。目を合わせなかったり、おどおどしたりすると、自信がないように見えて印象が良くありません。面接官の話を聞くときは相づちをうち、必要があれば都度メモを取ります。
退室
面接が終わったら、「本日はお忙しい中、面接のお時間を頂きまして本当にありがとうございました」と伝えて席を立ち、そのまま椅子の横で一礼します。ドアの手前まで移動したら、再び面接官の方を向いて「ありがとうございました、失礼いたします」と伝えて一礼し、退室しましょう。
エレベーターまで見送ってくれる場合は、お礼を伝えてエレベーターに乗り込み、扉が閉まるまで礼を続けます。出口まで見送ってくれる場合は、お礼を伝えてから外に出て、再度振り返って一礼をしましょう。コートなどの防寒具は、面接官が見えなくなってから着るのがマナーです。
「面接前に正しい敬語を知りたい!外国人に向けてNG例や注意点を解説」では、面接で押さえておくべき敬語のマナーや間違えやすいNG例を紹介。面接で正しい敬語を使用すると、好印象を与えやすく日本語スキルのアピールにも繋がります。面接を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
web面接でのマナー
ここでは、web面接でのマナーを紹介します。対面の面接とは異なる注意点があるので、しっかりとチェックしておきましょう。
身だしなみを整える
Web面接であっても対面の面接と同様に服装や髪型、メイクといった身だしなみに気を配ります。カメラに映らないからといって、上半身だけ身だしなみを整えるというのはNGです。
スマホやパソコンの通知音をオフにする
面接中に音が鳴らないように、スマホやパソコンの通知音をオフにしておきます。なお、web面接では周囲の環境音や生活音もマイクが拾ってしまう場合があるので、面接中は窓を閉めたり、家族に極力音を立てないように協力してもらったりすることも大切です。
背景は壁が映るようにする
背景は、装飾のない壁やカーテンが映るようにしましょう。ベッドや本棚、ポスターといった生活感のあるものが映り込むのは好ましくありません。特に部屋が雑然として散らかっていると、良い印象は与えないでしょう。
なお、バーチャル背景は好ましくないと考える面接官もいるため、避けるのが無難です。もしバーチャル背景を設定するのであれば、白い無地の背景が良いでしょう。
10分前にはスタンバイする
面接が始まる10分前には、パソコンの前でスタンバイしておきます。事前に通信回線やカメラ、マイクのテストは忘れないように行っておきましょう。
カメラを見て話す
面接が始まったら、カメラを見て聞き取りやすい声でハキハキと話しましょう。画面に映る面接官の顔を見てしまいがちですが、目線をカメラに合わせなければ相手は別のところを見ていると感じてしまいます。また、カンニングペーパーの使用もおすすめできません。カンニングペーパーを見るたびに視線がカメラから外れてしまうので、面接官には何か見ているとすぐ分かってしまいます。
なお、面接中のパソコン操作も控えましょう。マイクがタイピングやマウスのクリック音をが拾ってしまうため、メモはパソコンではなく手書きで書くようにします。
通信が途切れた場合
もしも、通信が途切れた場合には焦らずに復旧をしましょう。相手方のトラブルで通信が途切れる場合もあります。そのため、事前にトラブル発生時の連絡手段を確認しておくのもおすすめです。
まとめ
日本の転職活動ではスキルや経験だけでなく、社会人としてのビジネスマナーが身に付いているかという点についてもチェックされます。初めは難しく感じることもあるかもしれませんが、転職活動を成功させるためにも、しっかりとルールやマナーを学んでおきましょう。