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特定技能の在留資格には、1号と2号があります。2023年6月9日の閣議決定により、2号の範囲拡大が決定しました。これにより、外国人および企業双方が特定技能制度を利用しやすくなります。この機会に、特定技能外国人の受け入れを始めたいと考えている経営者や人事担当者も多いでしょう。
このコラムでは、特定技能1号と2号の違いを紹介します。内容を参考にして、自社の人材確保に活かしましょう。
目次
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ここでは、2019年からスタートした特定技能制度について解説します。2023年6月9日の閣議決定により、「特定技能2号」の範囲拡大が決まりました。今後利用が活発になると予想される制度なので、内容を知っておきましょう。
特定技能は、人手不足が深刻な業界で多くの外国人労働者を受け入れるために作られた制度です。設けられている試験に合格した外国人には、「特定技能1号」の在留資格が付与されます。特定技能1号では、ほかの就労に関する在留資格では許されていない、単純労働への従事も可能です。
関連記事:「【2024年6月最新】特定技能とは?制度や採用方法をわかりやすく解説」
特定技能制度の対象になる分野(特定産業分野)は以下のとおりです。
2019年に特定技能制度ができた当初は14分野でしたが、2022年に「素形材」「産業機械」「電気電子情報関連製造」の製造3分野が統合されました。
関連記事:「在留資格29種類を一覧で紹介!就労の可否や「特定技能」についても」
2023年6月9日に特定2号の分野拡大が閣議決定されました。特定技能の在留資格は1号と2号があります。1号だと日本で働けるのは最長でも5年ですが、2号に移行すれば事実上無期限の就労が可能です。現行の特定技能制度では、2号に移行できるのは「建設分野」「造船・舶用工業分野の溶接区分」のみでした。今後は制度が整い次第、「介護」を除いたすべての分野で受け入れができます。
介護分野が特定技能2号の対象から除外されたのは、在留資格「介護」があるためです。詳しくは「在留資格「介護」を持つ外国人の採用について、最新情報を解説」の記事で解説しています。
ここでは、特定技能1号と2号の違いをそれぞれの項目に分けて解説します。
特定技能1号は、技能試験と日本語に関する試験に合格すれば取得可能です。一方、特定技能2号の場合は1号で5年間就労したうえで、熟練した技能を持っていることを認められなければなりません。
特定技能1号の在留期間は、法務大臣が個別に決定します。在留期間を更新できるのは最長で5年です。特定技能2号の在留期間は3年・1年・6ヶ月と決まっていますが、更新の条件はありません。在留資格更新許可申請が許可されれば、事実上日本に無期限で在留できます。
特定技能1号を取得する条件は、「特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を要する技能を要する」ことです。一方、特定技能2号は「特定技能分野において熟練した技能を要する」といった、さらに高い能力を要求されます。具体的な基準は、「自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる」「監督者として業務を統括しつつ、熟練した技能で業務を遂行できる」などです。
特定技能1号は、すべての特定産業分野で受け入れられます。
特定技能2号を受け入れられる分野は2023年6月時点で「建設分野」「造船・舶用工業分野の溶接区分」のみです。特定技能2号に移行した外国人の数は、2022年12月時点で10人以下とそう多くはありません。今後は制度が整い次第、「介護」を除いたすべての分野で受け入れが可能となります。
特定技能1号では、配偶者と子どもを母国から同伴させるのは認められていません。特定技能2号に移行すれば、配偶者および子どもには在留資格「家族滞在」が付与され、日本で一緒に暮らせるようになります。
特定技能1号の外国人を受け入れる企業は、支援計画を策定したうえで適切な支援の実施が求められます。支援とは、生活オリエンテーションの実施や住居確保などのサポートのことです。
特定技能2号の場合は、日本での就労経験をある程度積んでいるため支援計画は必要ありません。
関連記事:「就労ビザ(在留資格)は難しくない!全19種類のうち外国人採用に関わるビザはどれ?」
参照元
出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
出入国在留管理庁「特定技能2号の対象分野の追加について(令和5年6月9日閣議決定)」
ここでは、外国人が特定技能1号・2号を取得する方法をそれぞれ紹介します。
特定技能1号を取得するには、技能試験への合格が必須です。試験の内容は分野によって異なり、学科試験と実技試験があります。
特定技能2号に移行する際にも試験を受けなければなりません。たとえば、造船・舶用工業分野の2号移行試験では、熟練した技能の有無を測るための実技試験が実施されます。
特定技能1号を取得するには、「日本語能力試験(JLPT)」のN4レベルの取得、もしくは「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)」への合格が必要です(介護分野は別途試験あり)。
特定技能2号においては、一定の日本語能力を有していることが想定されるため試験は実施されません。
特定技能制度において、外国人を受け入れる企業は「特定技能所属機関」と呼ばれます。外国人の支援業務を代行する個人・団体の名称は「登録支援機関」です。名称が似ていますが意味が異なるので、違いを正しく知っておきましょう。
特定技能外国人を雇用するのが特定技能所属機関です。通常の外国人を雇用する企業とは異なる条件や役割があります。
特定技能所属機関になるには、入管法や労働関係法定の違反といった欠格事由に該当していないことに加え、支援計画の策定・実施が必要です。支援計画の実施は、後述する登録支援機関に委託ができます。
登録支援機関とは、特定技能所属機関に変わって支援業務を代行する団体や個人を指します。行政書士や社労士、技能実習監理団体が役割を担うケースが多いようです。登録支援機関は、特定技能所属機関から委託費を受け取り、特定技能外国人をサポートします。
登録支援機関を利用しなくても、特定技能外国人を受け入れることが可能です。しかし、規模の大きい企業でなければ、支援計画を適切に実施するのは難しいでしょう。
特定技能の在留資格には1号と2号があります。初めて特定技能外国人を受け入れる企業は、1号から受け入れることになるでしょう。2号に移行できる分野も拡大されたため、長期的な雇用も可能です。この機会に受け入れを検討してみてください。
執筆:WeXpats
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