外国人留学生が知るべき就職活動の進め方!志望企業に採用されるには

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2022/07/22

外国人留学生が新卒で日本の企業に就職するには、在学中から就職活動を行う必要があります。そのため、日本での就職を希望する外国人留学生にとって、最も大事なのは「就職活動に向けた情報収集」といえるでしょう。そこで、このコラムでは日本の就職活動の特徴や大まかなスケジュールの流れを解説します。就活成功のコツや在留資格の手続きについてもまとめているので、日本で就職したい外国人留学生は必見です。

目次

  1. 外国人留学生が知るべき日本の就職活動の特徴
  2. 外国人留学生が就職活動を成功させるコツ
  3. 日本で就職活動を行う外国人留学生の現状
  4. 就職活動を終えた外国人留学生は在留資格を変更しよう
  5. 外国人留学生が卒業後も就職活動を行う場合の手続き
  6. まとめ
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外国人留学生が知るべき日本の就職活動の特徴

外国人留学生が知るべき日本の就職活動の特徴の画像

日本の就職活動は、世界的に見ても独特な「新卒一括採用」方式が主流です。多くの学生は在学中から学業と並行して就職活動を行い、卒業後に就職する企業を探します。企業側の採用に対するスタンスや採用開始時期も諸外国とは異なるので、日本で働きたい方は事前に就活事情をチェックしてみましょう。

終身雇用を前提とした採用を行う企業が多い

多くの日本企業は、終身雇用を前提として採用活動を行っています。終身雇用とは、新卒で採用した正社員が定年退職の年齢まで働き続けるのを前提とした雇用のことです。企業の経営が悪化したり倒産したりしない限り、正社員は安定した収入と福利厚生を受けて定年まで働けます。長期的な人材育成・確保や採用コスト削減のために、終身雇用を行っている企業が日本には多いのです。ただし、終身雇用は日本経済や企業が成長しているのが前提のシステムなので、今後崩壊する可能性が高いとされています。近年では成果主義の考えを取り入れた日本企業が増えつつあるので、どちらが良いかよく比較して検討しましょう。

新卒採用はポテンシャル重視

日本の主な採用方式である新卒一括採用では、スキルよりも人格やポテンシャルが重視される傾向にあります。もちろん、就職後に役立つスキルや資格があれば評価されますが、「人柄が社風に合わない」「消極的で伸びしろがなさそう」と思われると内定を得るのが難しいでしょう。新卒採用を受ける外国人留学生は、企業の採用担当に成長意欲を見せるのが大切です。キャリアビジョンを明確にしたり課題と向き合ったりして、自分のポテンシャルの高さをアピールしましょう。

業界・職種によって新卒採用の開始時期が異なる

ほとんどの日本企業は同じタイミングで選考をスタートしますが、業種・職種によっては選考スケジュールが前倒しで進むケースがあるようです。特に、IT業界は選考スケジュールがほかの業界と大きく異なる傾向にあります。IT業界は需要の増加に伴って人手が不足しているため、優秀な人材を早めに確保しようと選考スケジュールを早めているのです。

日本では政府が就職活動の方針を決め、日本経済団体連合会(経団連)が約1,300社の所属企業に対して周知と順守の要請を行っています。政府の方針を守らなくても罰則はありません。そのため、経団連に所属していない企業は、優秀な人材を確保するためにスケジュールを前倒しにして選考を進める傾向にあります。

自己分析能力やビジネスマナーが求められる

新卒採用で内定をもらうには、自分の長所・短所や企業とのマッチ度をよく理解し、アピールするのが大切です。また、敬語や正しい言葉遣い、電話の取り方など基本的なビジネスマナーもチェックされるので身につけておきましょう。自分自身を理解し企業の特徴を深く知るには、自己分析・企業研究が有効です。本格的に就職活動をスタートする前に、取り組んでおくと良いでしょう。ビジネスマナーを身につけるために、ビジネス書籍を読んだりビジネスマナー実務検定を受けたりするのもおすすめです。自己分析能力やビジネスマナーは日本社会において重視されています。入社後にも役立つスキルなので、ぜひ身につけておきましょう。

外国人留学生が日本で就職活動を行う時期とは?海外との違いも解説」では、海外と日本で異なる就職活動の特徴をまとめています。日本の就職活動について詳しく知りたい方は、あわせてチェックしてみましょう。

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外国人留学生が就職活動を成功させるコツ

外国人留学生が就職活動を成功させるコツの画像

外国人留学生が日本で就職活動を成功させるには、企業が求める人物像にあわせて自分自身をアピールしたりスケジュールにあわせて行動したりする必要があります。ここでは、就職活動を成功させるコツをまとめているので、志望企業の内定を得たい外国人留学生は参考にしてください。

日本の就職活動のスケジュールを把握する

一般的な日本の就職活動のスケジュールは、毎年ほぼ同じです。大学3年生の3月から企業のエントリーが始まり、同時期にエントリーシートの提出を行います。企業説明会は3〜5月ごろが最も盛んに行われるので、気になる企業がある方は参加してみましょう。選考は6月ごろから本格的にスタートします。10月に内定式を行う企業が多いので、それまでに選考を終了するようです。

上記の説明から分かるように、就職活動は過密スケジュールで進んでいきます。時間を有効活用しなければ、内定が出ないまま卒業を迎えてしまうでしょう。就職活動を成功させるには、早め早めの行動が肝心です。

OB訪問・インターンシップに参加する

OB訪問・インターンシップは、就職活動が本格化する前に行われます。大学3年生の夏〜冬ごろに実施されることが多いので、大学の就職支援課が発信している情報をよく確認しておきましょう。なお、インターンシップの申し込みは就活情報サイトでも行えます。就活情報サイトが提供している情報は外国人留学生にも有益な内容なので、登録しておくと良いでしょう。

OB訪問は、すでに就職している先輩から実際の業務内容を聞いたり疑問点を質問したりできるのが魅力です。どのように就職活動を行い、内定を得たのかも聞けるのでモチベーションアップにもつながります。OB訪問・インターンシップは行わなくても問題ありませんが、就職活動の進め方や応募企業の選び方に影響するので、余裕がある方は参加してみましょう。

企業が納得する志望動機・自己PRを用意する

外国人留学生が就職活動を成功させるには、採用担当者が納得するような志望動機・自己PRを考える必要があります。履歴書を書いたり面接を受けたりする際に、「どんなアピールをすれば良いのか分からない」と悩む外国人は少なくありません。志望企業の内定を得るためにも、まずは伝え方の練習から始めましょう。

ほとんどの企業には、明確な「求める人物像」が存在します。野心的で就業意欲が高い、自主的に思考して行動を起こせるなど、企業によって求める人物像が異なるので、あらかじめ研究が必要です。企業が求める人物像と自分自身の特徴の重なる部分を探して、自己PRを考えてみましょう。なお、志望動機を考えるときは具体的かつオリジナリティのある内容に仕上げるのが大事です。

自己分析・企業研究を行う

本格的に就職活動が始まる前に、自己分析・企業研究を行うのが成功のコツです。自己分析は、応募する企業を絞ったり面接の受け答えを考えたりする際に役立ちます。主に以下のポイントを重視して自己分析を行ってみましょう。
 

  • 自分の長所と短所はどこ?

  • 自分にしかできない(自信がある)ことは何?

  • 人格形成に最も影響した経験は?

  • 人生における課題は何?

  • 就職して達成したい目標は?
     

具体的な答えが浮かぶころには、自分自身に対する理解が深まっているでしょう。外国人留学生の場合は上記の内容に加えて、日本に留学した理由や日本で就職したい理由なども聞かれる可能性が高いので、改めて考えておくのがおすすめです。

自己分析を終えて働きたい業界・職種が明確になったら、企業研究を行いましょう。企業研究は日本の就職活動において重要な準備です。企業の特徴を理解して自分との相性を見極め、応募先を絞り込みましょう。企業研究を行わないと、選考で「自社に興味がない」「情報収集をしていない」と悪い印象を与えかねません。

企業研究の成果は志望動機の作成に活かせるので、疑問に感じることはどんどん掘り下げましょう。また、あわせて業界研究や職種研究も行うと、就職活動に必要な情報をまんべんなく集められます。

筆記試験や面接の対策を行う

選考対策を行うのも、就職活動を成功させるために重要なコツです。日本では応募者と企業の相性を測るために、筆記試験や面接を行います。筆記試験は「SPI」「玉手箱」「TG-WEB」などが有名です。筆記試験は、基礎能力を測定する「能力検査」とパーソナリティを明らかにする「性格検査」が組み合わさっています。特に能力検査は対策が必要なので、事前に問題集を購入して勉強するのがおすすめです。

書類選考・筆記試験を通過すると面接に進みます。面接は、企業の社員や役員が応募者の適性を見るためにさまざまな質問を行う場です。身だしなみや言葉遣いにも気をつけつつ、好印象を与えられる回答をする必要があります。ほとんどの企業は同じような質問をしてくるので、あらかじめ受け答えを考えてから本番に臨むと良いでしょう。なお、外国人留学生の場合は来日理由や日本語能力に関する質問をされることもあります。

外国人留学生が日本で就職するには、問題点を把握することも大切です。「外国人留学生が日本で就職活動するときの問題点とは?解決策も紹介!」では、多くの外国人留学生が就職活動で苦労するポイントをまとめています。就職活動を円滑に進めたい方は、参考にしてください。

日本で就職活動を行う外国人留学生の現状

日本で就職活動を行う外国人留学生の現状の画像

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)によると、2020年度に教育施設を卒業した外国人留学生のうち、日本国内で就職した人数は全体の31.1%です。なお、前年度は全体の36.9%が日本国内で就職しています。新型コロナウイルス感染症の影響で、帰国を余儀なくされたり就職活動を行えなかったりしたのが就職率低下の原因でしょう。

日本はダイバーシティの推進やグローバル人材の確保に積極的な企業が多く、日本政府も外国人留学生の就職支援に前向きな姿勢を示しています。そのため、感染症の懸念がなくなれば外国人留学生の就職率は徐々に上がっていくでしょう。多くの企業が求めているのは十分な日本語能力を持ち、日本での働き方を理解している外国人留学生です。情報収集を徹底し、日本人とコミュニケーションがとれる程度の日本語能力を身につけたうえで、就職活動に望むことをおすすめします。

参照元
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「2019(令和元)年度外国人留学生進路状況・学位授与状況調査結果」
「2020(令和2)年度外国人留学生進路状況・学位授与状況調査結果

就職活動を終えた外国人留学生は在留資格を変更しよう

就職活動を終えた外国人留学生は在留資格を変更しようの画像

外国人留学生が日本で就職するには、「在留資格変更許可申請」が必須です。外国人留学生の在留資格は「留学」なので、学業以外の活動が認められていません。そのため、就職活動を終えた外国人留学生は、入社に間に合うよう速やかに就労資格への変更手続きを行う必要があるのです。なお、外国人留学生が取得できる就労可能な在留資格は、専攻分野や経歴に関係するものに限定されます。関連性のない職業では働けないので、注意しておきましょう。

在留資格変更許可申請に必要な書類

在留資格変更許可申請に必要な書類は、大きく分けて「本人が用意する書類」「企業が用意する書類」「学校が用意する書類」があります。外国人留学生の雇用に不慣れな企業の場合、用意する書類があることを知らない可能性もあるので、早めに連絡して準備してもらいましょう。ここでは、具体的な書類の種類を紹介します。

申請者本人が用意する書類

申請者が用意する書類は以下のとおりです。
 

  • 在留資格変更許可申請書

  • 証明写真(縦4cm×横3cm)

  • パスポートおよび在留カード

  • 申請理由書(任意)
     

申請理由書はなくてもかまいませんが、用意しておくと手続きがスムーズに進みます。在留資格を変更する理由や自分の経歴・専攻分野と就職先の関連性を記入して提出すると良いでしょう。

在留資格の変更が認められたときは、手数料4,000円を支払う必要があります。収入印紙で納付するので、郵便局やコンビニで購入しましょう。

就職する企業に用意してもらう書類

入社予定の企業に用意してもらう書類は、在留資格の区分や就職先のカテゴリーによって異なります。ここでは一般的に必要な書類のみを紹介するので、詳細が知りたい方は出入国在留管理庁のWebサイトをご覧ください。
 

  • 雇用契約書のコピー

  • 企業の商業法人登記簿謄本および決算報告書のコピー

  • 会社案内(パンフレット)

  • 雇用理由書(任意)
     

雇用理由書は、用意しておくと手続きがスムーズになる書類です。在留資格を変更する際は、入国管理局に「申請者が日本にとって有益で、害を及ぼさない人物である」と、認めてもらわなければなりません。そこで、申請者を雇用する正当な理由を証明する雇用理由書は役立ちます。

在留資格の変更が認められず、内定が取り消しになる外国人留学生は珍しくありません。万が一の事態を避けるためにも、入社予定の企業にほかの書類とあわせて雇用理由書も用意してもらうと安心です。

学校に用意してもらう書類

学校に用意してもらう書類は以下のどちらかです。
 

  • 卒業証書(コピー)

  • 卒業見込証明書
     

卒業見込証明書の場合、申請時に提出するのは原本です。誤ってコピーを出さないよう注意しましょう。また、外国語で書かれた卒業証書・卒業見込証明書の場合は日本語訳の添付が必要です。

手続きの流れ

在留資格変更許可申請は、申請者の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。手続きの内容に不備があると在留資格を変更できないので、入社する企業任せにせず、自分でも流れを把握しましょう。まず、上記の項目を参考に申請に必要な書類を用意します。不備がないか確認したのち、地方出入国在留管理官署に書類を提出し審査結果が届くのを待ちましょう。在留資格変更許可申請の標準処理期間は、2週間から1ヶ月です。ただし、進学・就職で在留資格に関する申請が増加する1〜3月ごろはさらに処理に時間が掛かる可能性が高いので、入社に間に合うよう早めの手続きをおすすめします。

在留資格変更許可申請は、日本で就職する外国人留学生が必ず行う手続きです。「在留資格変更許可申請書の書き方とは?外国人留学生に向けて解説」では、必要書類の書き方を詳しく説明しています。これから手続きを行う方はぜひチェックしてみましょう。

参照元
出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請

外国人留学生が卒業後も就職活動を行う場合の手続き

外国人留学生が卒業後も就職活動を行う場合の手続きの画像

在学中に就職活動が終わらず、卒業後も継続を考えている外国人留学生も、在留資格変更許可申請が必要です。就職活動のために日本に残りたい外国人留学生は、在留資格「特定活動」への変更を申請しましょう。特定活動とは、法務大臣が個々の外国人に対して付与する在留資格で、就職活動は「特定活動9」に該当します。なお、特定活動9で定められている在留期限は最長で1年なので、その間に就職を決めなくてはなりません。提出書類は以下のとおりです。
 

  • 在留資格変更許可申請書

  • 証明写真(縦4cm×横3cm)

  • パスポートおよび在留カード

  • 申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書

  • 継続就職活動を行っていることを明らかにする資料

  • 直前まで在籍していた大学(専修学校)の卒業証書(コピー)又は卒業証明書

  • 直前まで在籍していた大学(専修学校)による継続就職活動についての推薦状

  • 専門課程における修得内容の詳細を明らかにする資料(専門学校卒業生の場合のみ)
     

企業へのエントリー履歴や選考状況が分かる書類や卒業した学校からの推薦状を用意して、地方出入国在留管理官署に提出しましょう。申請について詳しく知りたい方は、出入国在留管理庁のWebサイトを確認してください。

参照元
出入国在留管理庁「本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合

まとめ

まとめの画像

外国人留学生が日本での就職活動を成功させるには、情報収集を行って必要な準備を把握したり、主なスケジュールの流れを掴んだりする必要があります。最初は戸惑いや不安を感じるでしょう。しかし、要点さえ押さえられれば、就職活動は一気に進めやすくなります。時間を有効活用して、就職活動を有利に進めましょう。また、外国人留学生が日本で就職する際に欠かせない在留資格の変更手続きも、事前知識があればスムーズに進みます。情報収集と時間の有効活用を心掛けて、就職活動を成功させましょう。

ライター

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