日本の就職活動の進め方や必要な準備とは?外国人留学生に向けて解説

WeXpats
2021/11/26

「日本で就職したいけれど、どんな準備をしたら良いのか分からない」「就職活動はいつから始まるの?」と疑問を抱える外国人留学生もいるでしょう。日本の就職活動は、大学3年生の3月から企業エントリーが開始され、6月から選考が始まります。このコラムでは、日本の就職活動の概念やスケジュールを紹介。必要な準備もまとめているので、参考にして就職活動を始めましょう。

目次

  1. 日本の就職活動の概念
  2. 日本の就職活動のスケジュール
  3. 日本で就職活動を行う外国人留学生が準備すること
  4. 日本の企業の特徴
  5. 外国人留学生が日本で就職するには在留資格の変更が必要
  6. まとめ
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日本の就職活動の概念

日本の就職活動の概念の画像

日本では、大学や専門学校を卒業後、新卒採用で正社員として就職するのが一般的です。また、能力や知識よりも人間性が重視され、就職した会社に長年勤めるのが良いとされています。ここでは、日本の就職活動に対する概念を解説。まずは、日本の就職に対する考え方を知っておきましょう。

新卒採用で入社するのが基本

海外では、人によって就職活動を開始するタイミングや就職する時期が異なりますが、日本では大学3年生から就職活動を始め、卒業後の4月から働き始めるのが基本です。日本と海外で新卒採用に対する意識が異なるのは、企業の選考時期が関係しています。日本の企業は新卒採用の選考時期が決まっていますが、海外は随時選考を行ってる企業がほとんどです。日本の学生は企業の選考時期に合わせて就職活動を行わないと、希望の就職先に入社できない可能性があります。そのため、全員が同じ時期に就職活動を開始して、新卒採用で入社するのが一般的です。

入社した会社で長く働くのが良い

日本では、新卒採用で就職した会社に長年勤めるのが良いとされています。そのため、「終身雇用」という制度を設けている企業が多くあるのです。終身雇用は企業の労働契約で定められます。労働契約は、雇用期間に縛りがない「無期雇用」と雇用期間に定めがある「有期雇用」の2種類です。終身雇用は、「無期雇用」の労働契約に該当します。つまり、終身雇用で採用された従業員は新卒採用で就職した後、定年まで同じ会社に勤めるのが可能です。このような制度があることから、日本の学生は長年働くつもりで就職活動を進める傾向があります。

能力や知識よりも人間性が重視される

海外の就職活動では能力や知識、学歴を重視しますが、日本ではスキルよりも人間性を重視します。仕事で必要な能力や知識は、入社後に身に付ければ良いと考える企業が多いのです。そのため、面接では人間性や仕事に対する意欲を評価する傾向があります。外国人留学生は面接で、自分の長所や性格をアピールして面接官に好印象を与えるのが大切です。

そのほか、日本の就職活動の特徴については「外国人留学生が知るべき日本の就活ノウハウを解説!」のコラムも参考にしてください。

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日本の就職活動のスケジュール

日本の就職活動のスケジュールの画像

日本の就職活動は、例年同じ流れで行われます。スケジュールは以下のとおりです。
 

大学3年生の6月:インターンシップや自己分析、業界研究などの準備

大学3年生の3月:企業エントリー

大学4年生の6月:試験、面接

大学4年生の10月:内定式
 

企業エントリー後は、エントリーシートの提出が求められます。提出期限は企業によって異なるため、事前に準備して早めに提出しましょう。日本での就職活動を始める時期や期間についてより詳しく知りたい方は、「日本の就職活動期間は?外国人留学生に向けて紹介」や「外国人留学生が日本で就職活動するときの問題点とは?解決策も紹介!」のコラムを参考にしてください。

日本で就職活動を行う外国人留学生が準備すること

日本で就職活動を行う外国人留学生が準備することの画像

就職活動が本格的に始まる前に、自己分析や業界研究など準備することがいくつかあります。スムーズに就職活動を行うためには、念入りな準備が大切です。ここでは、日本で就職活動を行う際に必要な準備について解説します。

自己分析

就職活動では、まず始めに「自己分析」を行うのが大切です。自己分析とは、自分の長所や短所、価値観などを客観的に考える作業を指します。自分を深く理解することで、本当に就きたい仕事や向いている職種に気が付けるのです。また、自己分析を行うことでエントリーシートや履歴書、面接で説得力のある志望動機や自己アピールを伝えられるメリットもあります。面接官に自分の良さをアピールするには、自分の長所や性格を明確に伝えるのが重要です。さらに、自己分析ができていると、社会に出て働き始めたときに、自分には何ができるのかやどうすれば課題を解決できるかなどを考えて行動できるでしょう。

業界や職種の研究

就職活動を行う前に、どのような業界や職種があるのかを調べる必要があります。複数の業界や職種を知り、自分が一番興味のある分野や向いている仕事を選ぶようにしましょう。

業界とは、扱うものやサービスによって分けられる産業区分のことをいいます。「商社」「メーカー」「小売」「サービス」「マスコミ」「金融」「ソフトウエア、通信」「官公庁、公社、団体」の8つに分けられます。

職種は、仕事の種類のことです。たとえば、「販売」「営業」「総務」「経理」「情報」「企画」などが挙げられます。外国人留学生は、まず興味のある職種を調べて、その職種がある業界はどれなのかを考えると良いでしょう。ただし、同じ職種でも企業によって仕事内容が異なる場合もあるので、希望する会社の業務内容を具体的に調べるのが大切です。

履歴書の書き方や面接のポイントを知る

海外と日本では履歴書の書き方や面接のマナーが異なるので注意が必要です。履歴書には、志望動機や自己PRを書く欄があります。志望動機にはなぜ応募先の企業に入社したいのか、入社後はどういった活躍ができるのかを詳しく書くのがポイントです。どの企業にも当てはまるような内容を書くと、熱意が伝わりにくくなります。そのため、応募先の企業に合わせた志望動機を書くようにしましょう。また、自己PRには、長所や強みとあわせて具体的な経験やエピソードを記載すると説得力が増します。

面接で見られるポイントは身だしなみや言葉遣い、人柄などです。「です」「ます」「ありがとうございます」「失礼します」という敬語が使えていれば、多少日本語に誤りがあっても問題ありません。また、企業は外国人留学生に対して、会社の組織や日本の文化への適応力も求めています。外国人留学生は、日本の企業に就職したい理由を明確に答えたり、日本の文化に柔軟に対応できる旨を伝えたりすると良いでしょう。

日本で就職活動用の履歴書を書いたことがない方、書き方や内容に不安のある方は、「外国人が日本の履歴書を書くコツとは?就職・転職で有利になる書き方を紹介」のコラムをご確認ください。

日本の企業の特徴

日本の企業の特徴の画像

日本の企業は、敬語や協調性を重視するのが特徴です。ここでは、海外とは異なる日本の企業の特徴を紹介します。

年功序列制度の企業もある

日本の企業のなかには、「年功序列制度」を取り入れているところがあります。年功序列制度とは、勤務年数や年齢に応じて役職や給料が上昇する制度です。近年の日本では転職をする人も増えているため、勤務年数に関係なく実力がある人が出世できる制度を導入する企業も多くあります。しかし、年功序列制度が根強く残っているのも事実です。

目上の人には敬語を使う

日本の企業では、目上の人に敬語を使うのが常識です。さらに、相手によって呼び方を変えたり、「謙譲語」「尊敬語」「丁寧語」などの区別をしたりする必要もあるため、外国人留学生は慣れるまで時間が掛かるでしょう。仕事で関わる上司や取引先に、砕けた言葉や誤った日本語を使わないように注意が必要です。また、伝え方や言い回しひとつで、相手に悪い印象を与える場合もあります。敬語のほかにも、日本語の言い回しやニュアンスの違いを把握するのも大切です。

協調性を重視する

企業に限らず日本人は、自己主張が強い人よりも協調性がある人を評価する傾向があります。自分の能力や考えをアピールして仕事を進めると、自己中心的と思われる可能性が高いでしょう。日本の企業は、個人の能力が高い人よりも周りの人と上手に連携を取って業務をこなす人を重宝します。海外では、個人の能力が高く物事をはっきりと意見できる人が多いため、日本の企業の雰囲気に違和感を覚える場合があるでしょう。

外国人留学生が日本で就職するには在留資格の変更が必要

外国人留学生が日本で就職するには在留資格の変更が必要の画像

外国人留学生は、日本で就職するために「留学」の在留資格から就労可能な在留資格へ変更する必要があります。ここでは、在留資格の変更方法や必要な書類を紹介するので参考にしてください。

在留資格を変更する流れ

外国人留学生は地方出入国在留管理官署で、「留学」の在留資格から就労可能な在留資格への変更申請を行う必要があります。申請の際は自分で準備する書類のほかにも、学校と就職先の企業が用意する書類があるので確認が必要です。必要な書類を提出した後は、審査の結果を待ちます。結果が出るまでには、2週間から1カ月程度掛かるため早めに手続きするのがおすすめです。

在留資格を変更するために必要な書類

在留資格の変更には、下記の書類が必要です。
 

【申請人本人が用意する書類】

・在留資格変更許可申請書

・在留カード

・写真(縦4cm×横3cm)

・旅券又は在留資格証明書(提示出来ない場合は、その理由を記載した理由書)
 

【学校が用意する書類】

・卒業証明書(専門学校の場合は、専門士または高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書)
 

【就職予定先の企業が用意する書類】

・登記事項証明書

・労働条件を明示する文書

・事業内容を明らかにする次のいずれかの資料

1.企業の沿革や役員、組織、事業内容などが詳細に記載された案内書

2.そのほかの企業が作成した上記1に準ずる文書

・直近の年度の決算文書の写し

・前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し
 

上記の書類に不備がある場合は、再申請する必要があります。再申請をすると、さらに時間を要するので、事前に書類の確認をしてから提出しましょう。「日本で就職する外国人留学生は留学ビザから就労ビザへ!必要書類を紹介」のコラムでも、在留資格の変更手続きについて解説しています。

出入国在留管理庁の審査基準

在留資格の変更可否は、出入国在留管理庁が下記を基準に審査します。
 

・外国人留学生の学歴(専攻課程や分野)と在留資格の内容、就職予定先の業務内容に関連性があるかどうか

・就職予定先の企業の安定性や継続性に問題がないか

・給与が適当な金額かどうか

・外国人留学生が知識や技能を活かせる業務かどうか
 

外国人留学生は、学歴と関連性のない在留資格の取得ができないため注意が必要です。自分が取得できる在留資格や就職できる職種を把握して、スムーズに変更申請を行いましょう。

参照元
出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請

まとめ

まとめの画像

日本の企業と海外の企業では、就職活動の流れや就職に対する概念が異なります。外国人留学生は、日本の就職活動のスケジュールを把握し、自己分析や業界研究、面接対策などの準備を行うのが大切です。希望の企業に就職できるように、余裕を持って準備を進めましょう。

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