円満退社を実現するために大切なのは、退職理由をどのように伝えるかです。退職理由を包み隠さずに話すと、上司に愚痴や不満と思われ、関係が悪化してしまい円満退社が難しくなってしまうことも。退職理由の伝え方を工夫して、円満退社を実現しましょう。このコラムでは、退職を決めたら誰に話すのか、理由はどのように伝えると印象を悪くしないのかを解説します。
目次
退職意思はどのタイミングで誰に伝えるべき?
退職の意思を伝える際は、必ず直属の上司に伝えましょう。企業のルールによって伝えるタイミングは異なるため、就業規則を確認したうえで、繁忙期は避けるようにします。あわただしい時期に伝えてしまうと上司からの印象を悪化させ、落ち着いて話す時間も作りづらいでしょう。
一つの会社を定年まで勤め上げる「終身雇用」の考えが根強い日本では、定年前の退職や転職をあまり良しとしない人も少なくありません。そのため、退職の意思を示すときは、自分の気持ちを伝えるだけでなく、企業や上司に対し失礼のないようにすることが大切です。
円満退職のメリットや具体的なコツについては、「円満退職とは?メリットやコツを外国人に向けて解説」でも紹介しています。転職先で働きやすくするためにも、退職する企業での円満退職を目指しましょう。
ピックアップ記事
退職理由の伝え方で注意すべき点
退職理由を伝える際は、前述のとおり、企業の繁忙期は避けましょう。また、メールや電話を使わずに、直接話すのがマナーです。重要度の高い話を、簡易的な方法で伝えるのは失礼にあたります。また、企業や上司への愚痴や不満を並べず、前向きな内容で伝えることが大切です。
企業の繁忙期を避けて伝える
繁忙期とは、来客や業務量が増える特に忙しい時期のことを指します。繁忙期に個人的な話をすることはマナー違反と考えられ、自分の印象を下げてしまう可能性もあるでしょう。落ち着いて話すためにも、相手の立場になって考え、繁忙期は避けることが大切です。
上司には退職理由をメールや電話で伝えない
退職の意思を伝えるときは、メールや電話で伝えずに、必ず直接伝えるようにしましょう。互いの表情が見えない方法では、自分の誠意や意志の固さを伝えきれず、上司に対しても失礼にあたります。直接話すための時間をとってもらい、落ち着いて話せる場所で打ち明けるようにしましょう。
上司に愚痴や不満を並べない
上司に愚痴や不満を並べることは避けましょう。退職理由の本音をすべてストレートに伝えてしまうと、愚痴や不満と捉えられ、自分の印象が下がってしまいます。ネガティブな言葉は使わずに、前向きでポジティブな内容に言い換えると良いでしょう。
退職理由の伝え方で好印象となるポイント
退職理由の伝え方で好印象となるポイントは、どんな退職理由であれ、前向きにハッキリと伝えることです。また、上司への感謝や敬意も交えると好印象になりやすく、退社までの関係も良好に保てるでしょう。
どんな退職理由でも前向きな伝え方にする
どんな退職理由でも、前向きに伝えることを心がけましょう。ポジティブで向上心のある話し方をすれば、印象が下がることはあまりありません。「転職して自分の経験をさらに活かしたい」「ほかの分野に挑戦してみたい」などと前向きな伝え方にし、本音と建前を使い分けることがマナーです。
曖昧な表現はせずハッキリと意思を伝える
退職理由ははっきり伝えるのが大切です。「辞めようと思っている」など中途半端な言い方をしてしまうと、本気なのか相談なのか、真意が上司に伝わりません。前向きな理由を添えたうえで、「退職します」と明言しましょう。上司から引き止められる可能性もありますが、「申し訳ございませんが、退職の意思を固めました」と伝えれば追及される可能性は低くなります。
上司への感謝や敬意を交えて理由を伝える
退職理由を伝える際は、これまで仕事を教えてくれたことへの感謝や敬意を必ず伝えましょう。退職する最後の日まで感謝の気持ちを忘れてはいけません。しっかり今までのお礼を口にすることで、自分も上司も気持ちよく話を進められ、良好な関係を保つことができます。
円満退社に繋がりやすい退職理由の伝え方例文
円満退社につながりやすい退職理由の伝え方を例文で解説します。退職理由によって伝え方はさまざまですが、2つの例文に共通していることは「前向きな伝え方」であることです。参考にしてください。
収入面が退職理由の場合
お忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
突然のことで大変申し訳ございませんが、退職をしたいと考えております。
現在の収入では生活はできているものの、将来を見据えたとき、自分の貯蓄などにも余裕をもちたいと考えるようになり、これまでの経験を活かして別の業界への転職を決めました。
大変身勝手ではありますが、▼月△日をもって、退職させていただけないでしょうか。
退職の話を切り出す前に上司が時間を割いてくれたことへの感謝を述べると非常に好印象です。また、収入面の問題をストレートに伝えるのではなく、将来を考えた前向きな理由を話すことで、上司も納得しやすくなります。
業務内容が退職理由の場合
お忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
突然のことで大変申し訳ございません。
実はかねてより◯◯業界に興味があり、将来のことを考えたときに、今挑戦しないと後悔するという思いに至り、この度転職を決意しました。
大変身勝手ではありますが、×月◇日をもって、退職させていただけないでしょうか。
このように、チャレンジ精神を前面に出した退職理由は、前向きに捉えてもらえます。これまでの経験を大切にし、それを活かして新たな場所で活躍したいと伝えることで、多くの上司は背中を押してくれるでしょう。
「退職届の書き方を解説!日本で転職したい外国人へ例文や注意点も紹介」では、退職届を作成する際の注意点や例文も紹介しています。転職を考えている方はぜひご一読ください。
まとめ
退職意志の伝え方のポイントは「相手の立場に立ってタイミングを決め、直接、ポジティブに伝えること」です。礼儀礼節を重んじ、上司に対し感謝や敬意を表して円満退社を実現しましょう。