日本での就労を考えている外国人留学生の中には、「社会人経験がないと企業に採用されないのではないか…」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし、国内で働く外国人の半数以上が新卒採用での入社です。
本記事では、企業が、社会人経験の無い外国人留学生を採用するメリットや、日本で就活するうえで押さえておきたいポイントをまとめました。
参照:経済産業省 - 平成26年度 外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査2015年3月
目次
企業から見た外国人留学生を採用するメリット
日本では、多くの外国人留学生が新卒として企業に入社し活躍しています。
では、企業側が外国人留学生を採用するメリットとは何なのでしょうか。
モチベーションが高い
母国から離れて来日し、語学を学び、日本の企業で働こうとしている外国人留学生は、仕事に対しての意欲やモチベーションが高いと見受けられる傾向にあります。
面接で自身の意欲をアピールするとき、「日本に来て自分がやりたいこと」がはっきりしていると、主体性があり、目標に対しての貪欲な一面が伝わるので、なお良いでしょう。
新しい視点での発想が期待される
話す言葉も、文化も違う、他国の人材を採用することで、今までになかった意見やアイデアが期待されます。
固定概念に囚われない外国人ならではの発想が、新サービスの開発に繋がることもあるので、積極的に外国人留学生を採用する企業が増えています。
グローバル化が進む中で貴重な人材となり得る
日に日にグローバル化が進んでいく社会のなかで、日本企業に他国の視点が入ることは、大きなメリットといえるでしょう。
日本の枠内では収まらなくなってきた国際ビジネスを牽引していくのは、他でもなく、日本で働く外国人留学生なのではないでしょうか。
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社会人経験がなくても活躍できる?
それでは、社会人経験を積んでいない外国人留学生が企業に入ったらどうなるのでしょうか。
実は、そんな外国人留学生だからこそ活躍できるチャンスが、日本にはたくさん転がっているのです。
ポテンシャルが評価される
社会人経験が評価される中途採用の外国人とは異なり、新卒で入った外国人留学生は、その秘めたポテンシャルを評価されることが多くあります。
日本という異国の地で学んできた留学生たちは、専門分野に特化していたり、持ち前のハングリー精神でノルマを達成したり、日本の新卒にも負けないポテンシャルを持ち合わせているのでしょう。
新卒だからこそ、自分の潜在的なスキルを発揮できるチャンスがあるはずです。
社会人として一から学ぶことができる
企業の色に染まっていない新卒の外国人留学生は、社会人としての基礎を一からしっかり学ぶことができます。
社会経験がないというのは必ずしも悪いことではなく、新卒として、素直な心で仕事に邁進するその姿勢は大きな強みとなるでしょう。
日本で就職するなら新卒はチャンス!
このように、日本で就活するうえで、社会経験がないから不利だとは一概には言えません。
あなたのポテンシャルや新卒としてのやる気を買ってくれる企業も多くあるので、ぜひチャンスを掴みましょう。
外国人留学生を採用する企業は?
それでは、積極的に外国人留学生を採用している企業の一例をみていきましょう。
商社
国際的な取引をすることも多い商社では、グローバルに活躍できる人材を求める傾向にあります。
また、商社は、文系の外国人留学生にも人気の高い職種で、スケールが大きく幅広い仕事ができるでしょう。
ホテル・旅行会社
訪日観光客の増加に伴い、積極的に外国人留学生を採用する企業が増えています。
外国人観光客を相手にする仕事なので、日本語だけでなく、英語が得意な方(もしくは英語は母国語の方)が活躍できる職種といえるでしょう。
IT系エンジニア
IT企業はここ数年で大幅にグローバル化が進み、それに伴い、海外進出も視野に入れた外国人エンジニアの採用を強化しているIT企業が多いです。
特に、理系の外国人留学生に向いている職種です。
医薬品・医療関係
日本では、専門分野に特化した外国人留学生を積極的に採用しています。
医療関係だけでなくとも、開発・技術系など、自分の研究分野に関連する職種を目指すのは良い手でしょう。
ソフトウェア・ゲーム関連
ソーシャルゲームのヒットで、ゲーム産業はますます盛り上がりをみせています。
日本でも、世界的にヒットするゲーム開発のため、クリエイティブな発想を持った外国人の採用を積極的におこなっている企業が多い印象です。
日本での就活のポイント
それでは最後に、日本で就活する際のポイントや注意点を押さえておきましょう。
日本語力を身につける
一緒に働く仲間と意思疎通ができなくては、仕事はうまく進められません。
日本の企業で働く場合、ビジネス会話程度の日本語力を身に着けておく必要があるでしょう。
日本でアルバイトをしていた方の場合は、日本の接客用語や日常会話は頭に入っていても、ビジネス用語はうまく使えないことがあります。将来必ず必要になるスキルですので、よく勉強しておきましょう。
日本語力をさらにアップさせたいという方は、「日本語の勉強方法を外国人に向けて解説!覚えるのが難しい内容も紹介」のコラムも参考に日本語を勉強することをおすすめします。
日本の企業や職種のことを知る
自分に合った就職先を見つけるためにも、日本の企業や職種についてよく調べましょう。
外国人留学生向けの就活情報サイトや企業説明も充実しているので、そのようなサービスを活用して知識を深めると良いでしょう。
就活の仕組みを知る
日本では基本的に、書類選考に通過したのち、面接を数回繰り返し、最終面接を突破すると内定がもらえるフローになっています。
つまり、就活で結果を出すには、「書類選考対策」と「面接対策」が必要不可欠となるでしょう。
また、日本の就活は日本独特のルールやマナーも多く存在します。「外国人留学生が理解しにくい日本社会と就活の習慣」や「外国人留学生必見!日本の就職活動の流れや必要な準備について解説」のコラムも参考に、日本の就活への理解を深めておきましょう。
自己PRと自己分析はぬかりなく
就活では、自分自身の強みをアピールする「自己PR」と、その企業で働きたいという熱意を伝える「志望動機」を述べる機会が多くあります。
この2つのアピールポイントを、自分の言葉で自信を持って伝えることができたら、選考を突破する確率が格段にあがるでしょう。
企業が外国人留学生に求めているものは何かを考え、その採用ニーズに合ったアピールをしていきましょう。
以上が、企業が外国人留学生を採用するメリットと就活のポイントでした。
「社会人経験がない」ということが、企業によっては、プラスに繋がる場合もあるということが分かったと思います。
自分が「外国人留学生」であるという強みをよく理解し、それを言葉にして伝えられるよう、就活対策をおこなっていきましょう!