日本で就職したい外国人留学生で、就活のスタート時期に悩んでいる方はいませんか?海外では卒業後に就活する場合もありますが、日本では在学中に就職先を探すのが一般的です。スタート時期を逃して就活に失敗する人は多いですが、それぞれの時期にやるべきことを把握すれば心配はいりません。
就活前に必要な準備を分かりやすく解説するので、日本で就職したい方はぜひご覧ください。
目次
外国人留学生は就活のスタートが遅れがち
日本では在学中から就職活動を始め、学生のうちに内定をとって卒業後すぐに働き始めるのが一般的です。日本は企業が毎年一括して新卒(※)を募集する「新卒採用」が主流。企業は学生が在学中に採用試験を行って内定を出し、卒業後すぐに入社できるよう準備をします。
新卒採用は外国人には馴染みがなく、「就職活動は卒業後にするもの」と思っている留学生は多いのではないでしょうか?
外国人留学生にありがちな失敗は、日本の就活に関する知識がないために、就活のスタートが遅れ、希望する企業の内定がとれないパターン。日本の学生は早い人で1・2年生、遅くとも3年生の時点で就活の準備を進めています。企業は予定していた採用人数に達すると募集を終了するので、日本で就職したい場合は、早い段階で就活の準備を始めましょう。
日本の就職活動の特徴や開始時期について知りたい方は、「外国人留学生必見!日本の就職活動が始まる時期と特徴を解説」のコラムもチェックしてみてください。
※その年に学校を卒業する学生
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日本の就活の流れを知って準備しよう
就活の準備をするには、まずは日本の就活スケジュールを知ることが必要です。日本での一般的な就活の流れを知りましょう(2019年時点)。
大学3年生の3月:エントリー開始
多くの企業が新卒を対象とするエントリー受付を開始するのが3月です。エントリーとは、企業からの選考情報を得るために、企業の採用Webページや就活情報サイトに個人情報を登録すること。エントリーしないと会社説明会の案内や応募書類の提出締め切りといった情報が得られないので、就活にあたってエントリーは必須です。
就活中に志望する企業や業界が変わっても対応できるように、必ず複数企業にエントリーしましょう。目安として、日本の学生は30~50社ほどエントリーする人が多いようです。
大学4年生の3~5月:会社説明会、応募書類提出
エントリーが済んだ後は、会社説明会に参加したり、応募書類を提出したりするのが流れです。会社説明会は選考過程に組み込まれていない場合もありますが、企業の詳しい話を聞けるチャンスなので、都合がつく限りは参加しましょう。
新卒の応募書類には、履歴書とエントリーシート(ES)の2種類があり、前者は採用後も社員の情報を管理するために会社に保管される書類、後者は選考のみに用いられる書類という違いがあります。会社によって両方が必要な場合もあれば、片方のみの提出で良い場合もあるでしょう。
大学4年生の6月:面接選考が開始
大学4年生の6月から面接選考や筆記試験が始まります。新卒の面接は平均して2~3回程度あり、筆記試験や適性検査が実施される場合もあります。
大学4年生の7~9月:引き続き面接選考
6月中に内定をとる学生は多いですが、選考に落ちても諦めずに就活を続けましょう。
大学4年生の10月:内定式
日本では多くの企業が内定した学生を集めて、10月1日に内定式を行います。内定式には、学生とコミュニケーションをとって入社までの不安を減らしたり、事務的な手続を進めたりといった目的があります。
大学4年生の10月以降:内定がない学生は引き続き就活
内定式が終わると新卒募集をする企業の数は減りますが、秋から冬にかけて採用活動を行う企業もあります。内定がなくても、最後まで諦めずに就活を続けましょう。
「外国人留学生が日本で就職活動を行う時期とは?海外との違いも解説」では、就職活動の流れや海外との違いを解説。ぜひ参考にして日本企業への就職を叶えましょう。
就活前の準備は?
本格的な就活はエントリー開始時期からスタートしますが、外国人留学生がそれ以前にやっておいた方が良いことをご紹介します。
日本の業界・職種について理解する
自分に合った仕事を見つけるには、日本にある業界や職種を把握することが第一歩です。日本の主な業界と職種を挙げるので、参考にしてください。
〈日本の主な業界〉
- メーカー
食品、住宅、鉄鋼、機械、自動車、スポーツなど
- 商社
総合商社、専門商社
- 小売
コンビニ、スーパー、専門店など
- 金融
銀行、クレジットなど
- サービス、インフラ
不動産、鉄道、航空、ホテル、レジャー、人材サービスなど
- ソフトウエア
ソフトウエア、インターネット、通信など
- マスコミ
放送、新聞、出版、広告など
〈職種の例〉
- 研究開発
- 設計
- 技術
- システムエンジニア(SE)
- プログラマー
- 生産管理
- 品質管理
- 経営企画
- 商品企画
- マーケティング
- 営業
- 販売
- 広報
- 総務
- 人事
- 経理
- 財務
最初は幅広く業界や職種を調べ、どんな仕事で自分の専門性が活かせるか考えましょう。外国人留学生が就職先を決める時は、在留資格の許可が下りる仕事を選ぶことも大切です。
インターンシップに参加する
近年の日本ではインターンシップが盛んになり、たくさんの企業が学生に就業体験の機会を提供しています。日本のインターンシップは選考過程に組み込まれないことが多いですが、業界や企業の情報を収集し、自分の適性を見極めるまたとない機会です。
インターンで業務のイメージや今後の目標が明確になると、本選考でも説得力のある意見を伝えられます。1日完結の短期インターンもあるので、気になる業界や企業があれば気軽に参加しましょう。
インターンは春・夏・冬休みに実施する企業が多く、開催時期の1~2ヶ月前を目安に募集受付が開始されます。就活まで余裕がある3年生の長期休暇中に、インターンを通して情報収集するのがおすすめです。
ビジネスマナーを理解する
日本の面接では、態度やマナーが評価されます。中には留学生には理解しにくいマナーがあるかもしれませんが、面接官に「この人と一緒に働きたい」と思われるには、誠意ある態度で信頼を得ることが大切です。ビジネスマナーの知識は社会人になっても役立つので、ぜひ覚えておきましょう。
〈受付には10~15分前に到着する〉
面接開始時間の10~15分前に受付に到着するようにします。早すぎる到着は迷惑になる恐れがあるので、早めに到着した時は、駅のトイレで身だしなみの最終チェックをしたり、喫茶店で時間を調整したりするのが良いでしょう。
〈遅刻しそうな時は必ず連絡を入れる〉
交通機関の遅れなどで遅刻しそうな時は、必ず担当者に電話で連絡を入れましょう。その時は到着できる時刻とともに、お詫びの言葉を伝えるのを忘れずに。面接会場に辿り着いたら、改めて謝罪の気持ちを伝えると丁寧な印象になります。
〈敬語を使う〉
敬語は苦手な人が多いですが、「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」を意識して丁寧な言葉で話しましょう。日本語力を重視する企業は多いので、正しい敬語が使えれば語学力のアピールにもなります。
〈面接中は姿勢を正す〉
日本では面接中に足を組んだり肘をついたりするのはマナー違反です。面接中は背もたれに背中をつけず、背筋をまっすぐに伸ばした姿勢で座りましょう。
〈オフィスシーンにふさわしい服装をする〉
新卒の就活ではリクルートスーツを着用するのが基本です。企業に私服を指定された場合も、何を着ても良いわけではありません。露出が多い服、派手な印象がある服は避け、オフィスカジュアルと呼ばれる服装をしていきましょう。
服装のほかには、寝癖がないか、化粧が濃すぎないかといった点に注意が必要。就活では清潔感が重視されるので、誰が見てもすっきりと清潔感のある身だしなみを意識しましょう。
「留学生必見!2022年卒の就活スケジュールと進め方を解説」では、就活の進め方と対策、注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。