自己PRは書類選考における重要ポイントの一つです。採用担当者の心に残る自己PRを書けば、採用に大きく近づくことができるでしょう。このコラムでは自己PRの書き方や例文について詳しく解説します。外国人留学生ならではのアピールポイントについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 自己PRとは?
- 企業が外国人留学生を採用する目的
- 自己PRの内容を決める3ステップ
- 自己PRの基本的な書き方
- 外国人留学生向けの自己PRの例文
- 面接官の印象に残る自己PRを書くポイント
- 履歴書作成に活かせる外国人留学生の強み
- 自己PRを書くときに気をつけたい4つのNG例
- まとめ
自己PRとは?
就職・転職活動における自己PRとは、自分の強みや得意分野をアピールして、自分を企業に売り込むことです。自分の性格や能力を詳しく説明し、「何ができるか」「どのように貢献できるか」を提示して企業とマッチしていることをアピールします。
自己PRが見られるのはなぜ?
自己PRが見られるのは、応募者と仕事とのマッチング度合いをチェックするためです。
たとえば、チャレンジ精神や行動力をアピールする就活生は、ベンチャー企業や事業を新しく始めた会社にマッチしているでしょう。また、冷静な判断力や分析力をアピールする就活生は、研究職やコンサルティング会社が向いている可能性があります。
相性がチェックされているので、応募企業で求められる能力を想像してマッチする強みをアピールすると効果的です。
また、自己PRは応募者の能力や性格を判断する材料として用いられます。新卒の場合、過去の実績から能力を測ることができないので、自己PRをチェックして応募者が会社で活躍をしてくれる能力を持っているかを判断しています。
長所・自己紹介との違い
自己PRは、長所や自己紹介とは異なります。長所を伝えたり自己紹介をしたりする場面があるなら、自己PRとは分けて考えましょう。
長所は、仕事にプラスになるような性格・資質をアピールする項目です。努力で獲得したスキルよりも「手先が器用」など生まれ持った特徴を伝えましょう。自分の強みを伝えて興味を持ってもらうという点では、長所と自己PRは共通しています。
自己紹介は、自分のプロフィールを簡単に伝える項目です。名前や前職の業務内容などについて簡潔に書きましょう。
外国人留学生の自己紹介の仕方については「就職面接の自己紹介で何を話す?外国人留学生と転職者に分けて例文も紹介」でも紹介しているので、興味のある方はご覧ください。
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企業が外国人留学生を採用する目的
企業が外国人留学生を採用するのには以下のような目的があります。外国人留学生としての強みを活かして就職活動を進めたいと考えている方はチェックしてみましょう。
グローバル展開するため
海外でビジネス展開を行っている日本企業は数多く存在します。海外企業との取引きには、多言語対応や文化の違いを理解して対応する力が必要です。企業がグローバル展開をするために、言語力や異文化を理解する力に長けた外国人留学生が求められています。
インバウンド対策のため
インバウンドとは、外から中へ入ってくるという意味で訪日外国人の旅行を指す言葉です。外国人旅行客を対象にサービスを提供するには、外国語対応が必要なので、語学力に長けた外国人留学生は重宝されます。百貨店や家電販売店などで活躍できるでしょう。
ダイバーシティの推進
外国人留学生の雇用によって、職場のダイバーシティ(多様性)の推進に繋がります。性別や年齢、国籍、人種などが異なる人材を雇用しダイバーシティを推進することで、価値観の異なるさまざまな人が活躍できる職場になるでしょう。
優秀な人材の確保
採用活動は、企業で活躍する人材を確保するために行っています。そのため、優秀な人材なら国籍に関わらず雇用されるでしょう。特にIT系のように日本語スキルよりも専門技術が重視される傾向にある業界で雇用が進んでいます。
人手不足が深刻な農業でも外国人の採用が進められています。「日本の農業は高齢化が深刻!外国人が求められる理由や働くメリットとは」のコラムで解説しているので、興味のある方はご覧ください。
自己PRの内容を決める3ステップ
自己PRでは、企業で求められる能力を想像し、それに適した強みをアピールするのが効果的です。自己PRの内容に自信がない方は、以下の方法で内容を決めましょう。
1.過去の経験や実績を振り返る
過去の仕事の実績や学生時代の経験などを振り返り、自分の強みを発揮したエピソードを洗い出してみましょう。内容を客観的に理解してもらうために、数字や固有名詞を用いて具体的な表現にするのがおすすめです。
2.企業が求める人物像を調べる
優れた実績をアピールしても、企業に必要とされている能力でなければあまり評価されません。そのため、企業が求める人物像を調べておきましょう。企業が求める人物像は、求人情報や説明会の資料、企業の採用ページなどをもとに推測できます。
3.「企業が求める人物像」と「自分の強み」が重なる部分を探す
企業が求める人物像と自分の強みが重なる部分を探しましょう。重なる部分がアピールポイントになり、自己PRに書くべき内容となります。自己PRに書けそうな内容が複数ある場合は、1〜2つに絞ったほうがベターです。アピールポイントが詰め込まれていると、一つひとつの内容が薄くなってしまいます。
自己PRの基本的な書き方
自己PRは、簡潔に分かりやすく書くことが大切です。自己PRには基本となる書き方があるので、以下のポイントを押さえて読みやすい自己PRを作成しましょう。
結論を先に述べる
自己PRの構成は、必ず結論からスタートさせましょう。文章の一番始めに結論を書くことによって、エントリーシートを読む採用担当者の興味を引き、その後の文章がより伝わりやすくなります。「私の強みは△△です」といった簡単な表現でかまいません。
具体的なエピソードを盛り込む
結論を裏付ける具体的なエピソードを盛り込みましょう。抽象的な内容だと、採用担当者にうまく長所が伝わらない可能性があります。数字や固有名詞を用いて、そのときの状況を思い浮かべられるような表現を意識すると良いでしょう。
また、エピソードの最後は、強みを活かして得られた成果や実績を述べます。具体的な実績がない場合は、日々の努力や工夫で得られた成果を書きましょう。
仕事に活かせるアピールポイントを入れる
自己PRでは、仕事にどのように活かせるかを盛り込むのを忘れないようにしてください。自分の今までの経験や実績をアピールしても、仕事で活かせる内容でなければ採用に繋がりません。選考を受ける企業の事業内容を理解したうえで、自分の能力とのマッチングをアピールしましょう。
「外国人留学生の履歴書入門!インターン経験の書き方も」のコラムでも、自己PRの書き方を解説しています。
外国人留学生向けの自己PRの例文
この項目では、自己PRの例文を紹介します。内容は丸写しせず、自分の実際の経験や出来事を書きましょう。留学生の場合は、文章や構成におかしなところがないか、日本人の友だちや教員に確認してもらうと安心です。
例文1:諦めずやり遂げる力をアピール
「私の強みは、諦めずにやり遂げる気持ちの強さです。コツコツ継続して努力するのが得意です。私は母国で日本語を勉強し、日本語能力試験のN1レベルを取得してから来日しました。しかし、実際来日してみると、日本語の微妙なニュアンスの違いが分からなかったり、自分の発音をうまく聞き取ってもらえなかったりする場面が頻繁にありました。私は実際に日本人が使っている話し言葉を理解するために、飲食店で接客のアルバイトをしたり、日本人と積極的に話したりすることを心がけ、毎日勉強しました。その結果、アルバイト先のお客様からは“日本人かと思った”“発音がきれい”と褒めていただくまでになりました。諦めず能力を磨き続けることで、苦手だったこともいつかは克服できると学びました。この強みを活かし、貴社のいかなる業務も粘り強く最後までやり遂げる所存です」
自分の強みのほか、日本語能力の高さもアピールできる例文です。
例文2:柔軟性をアピール
「私の強みは、柔軟に対応できる頭の柔らかさです。日本に来たばかりのころは、母国との文化の違いに少し戸惑いました。人間関係のマナーや礼儀作法など、何もかもが母国とは違うルールで成り立っていたからです。しかし、私は違いを楽しめるように発想を切り替え、日本人向けのマナーの本をたくさん読んだり、日本人の友人と日本食料理店に行ったりして、日本独自のマナーを教えてもらいました。その結果、友人に“日本人より日本人らしいふるまいができている”と言われるくらい日本の文化が好きになりました。そして、自分の固定概念を崩し、柔軟な考えを持つことを学びました。以上のことから、私の強みは柔軟性といえます。入社後も、この柔軟な考えを活かして日本人の仲間と良い関係を気付き、あらゆる突発的な状況にも上手く対応していきます」
異文化への理解力の高さは、留学生の就職活動では大きなアピールポイントになります。
自己PRの例文は「外国人の転職活動における自己PRの書き方とは?例文やポイントを紹介!」でも紹介しているので、ぜひご覧ください。
面接官の印象に残る自己PRを書くポイント
採用担当者はたくさんの履歴書に目を通しているので、ありきたりな自己PRではほかの応募者に埋もれてしまいます。印象に残る自己PRを書くには、以下のポイントを気にしてみましょう。
強みを具体的な言葉で表す
自分の強みをアピールする際に抽象的な表現になってしまうときは、具体的な表現に変換してみましょう。たとえば、柔軟性をアピールしたいなら「私の強みは、柔軟性が高いところです」と表現するのはNGです。具体的な表現を加えて「私の強みは、予想外のことが起こっても臨機応変に対応できる柔軟性です」と伝えることで差別化ができます。
数字や固有名詞を使って具体的なエピソードにする
自己PRの内容をイメージしやすいように、数字や固有名詞を用いて具体的に表現しましょう。たとえば、「売上目標の150%を達成」「月20件のアポイントを獲得」などと表現すると効果的です。
一貫性のある内容にする
自己PRを書いていると「あれもこれも」とさまざまな内容を盛り込みたくなりますが、要点を絞り一貫性を持たせることが重要です。アピールポイントが増えすぎると、ひとつひとつの印象が薄くなり、記憶に残らない文章になってしまいます。メインでアピールする長所は1つか2つに絞り、その長所を具体的なエピソードで補完するような構成にしましょう。
履歴書作成に活かせる外国人留学生の強み
外国人留学生ならではの強みを活かして就職活動を進めたい方向けに、アピールポイントを紹介します。自分に当てはまる強みがあれば、参考にして自己PRを作成してみましょう。
言語力
海外と取引のある企業やこれから海外展開をしようとしている企業については、複数の言語を扱える外国人留学生の語学力が強みになります。言語力に長けていること、そして言語力を活かしてどのように活躍できるかをアピールすれば評価に繋がるでしょう。なお、日本で働くうえで日本語能力はほぼ必須といえます。日本語以外の言語が話せることをアピールするのはもちろん、ビジネスレベルの日本語が扱える点もしっかりアピールしましょう。
適応力
外国人留学生は、適応力を強みとしてアピールしやすいでしょう。日本で暮らす留学生活の中で、意見が食い違うことや文化の違いに戸惑うことがあるはず。価値観の違う環境でも馴染むことができた留学生は適応力を強みにできるでしょう。入社後すぐに職場に慣れたり、海外展開の際に適応したりすることをアピールできます。
コミュニケーション力
価値観の異なる人とも交流できる外国人留学生のコミュニケーション能力は、強みになります。企業で働くうえで、上司や同僚、顧客、海外の取引先など、さまざまな立場の人とコミュニケーションを取っていかなければなりません。コミュニケーション能力は、多くの職場で活かせる強みといえます。
異文化理解力
企業が海外展開する際は、その国の文化や宗教、価値観を理解できる人材を確保することが重要です。外国人留学生は母国の文化を理解している、もしくは他国の文化を理解しやすいため、強みを活かして働けるでしょう。
自己PRを書くときに気をつけたい4つのNG例
自己PRにはNGとなる書き方も存在します。ここではありがちな自己PRのNG例を紹介するので、自己PR作成の際は注意しましょう。
文章量が少なすぎる・多すぎる
自己PRの文章量は、記入欄の8割程度が目安です。文章量が少なすぎたり、多すぎたりしないようにしましょう。文章量が少ないと、熱意や意欲がないと捉えられてしまう可能性があります。逆に文字で詰まった文章量の多い自己PRは、要点が掴みづらいためきちんと読んで貰えない恐れも。読み手から見て読みやすい文章を心がけましょう。
誤字脱字や言葉の間違いがある
誤字脱字や言葉の間違いはNGです。応募書類は重要な書類なので、ミスをしてしまうと「重要な仕事は任せられない」という悪い印象を与えてしまいかねません。また、言葉を間違えると日本語能力に対する評価も低くなってしまうでしょう。誤字脱字や言葉の間違いを防ぐには、清書する前に下書きをするのが有効です。また、文章を声に出して読んでみたり、日本人の知人に文章チェックをしてもらったりする方法もあります。
強みが複数ある
自己PRに書ける文章量は限られているので、強みを複数詰め込んでしまうと、一番伝えたいことが伝わらない文章になってしまいます。書きたいことが複数ある場合は、応募先の企業に合った強みを1本に絞ってアピールしましょう。
実績や肩書きばかりの内容
自己PRでは、自分の強みを伝えること、そして強みを発揮したエピソードを書くことが重要ですが、内容が実績や肩書きばかりになってしまうのは避けるべきでしょう。結果を出すに当たって、どのように努力し能力を発揮したかがポイントです。人柄や性格の伝わる内容を書いて、興味を持ってもらえるような内容にしましょう。
まとめ
自己PRは、企業にとって重要な判断材料になります。最大限、自分をアピールできるような内容を考えましょう。留学生ならではの内容を盛り込むと、ほかの就活生とは違った印象になり、採用担当者の目を引きます。自己PRの書き方をマスターして、選考を突破しましょう!
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