「本音で転職理由を話していいのか分からない…」と考える人もいるでしょう。転職理由がネガティブな内容の場合は、ストレートに伝えるのではなくポジティブな言い方に変えて伝えると好印象です。これまで就労した企業の不満や愚痴を伝えずに「これからどうしていきたいか」に軸を変えて、企業への転職理由の伝え方を考えましょう。この記事では、よくある本音の転職理由や転職理由を企業に伝えるときのポイントをご紹介します。
目次
本音の転職理由を企業に伝えるべきか?
本音の転職理由を企業にストレートに伝えることは避けましょう。転職理由がネガティブな内容の場合、正直に伝えすぎてしまうと不満や愚痴としてとらえられてしまうこともあり、企業に対する自分の印象が下がってしまいます。自分の本音を交えながら「自分はこのように仕事を充実させたい」と前向きな意味に言い換えることで、ポジティブな印象にしましょう。
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よくある転職理由の本音
よくある転職理由の本音は「人間関係が良くない」、「成果が給与に反映されない」などです。そのほか教育体制が整っていない、規定外の残業が多いなど職場環境になんらかの理由を抱えているケースがほとんどといえます。
職場の人間関係や上司との関係が良くない
職場の人間関係や上司との関係が良くないことは、縦社会の意識が根強い日本社会において非常に多い転職理由といえるのではないでしょうか。厚生労働省が発表した「令和1年雇用動向調査結果の概要(17p)」によると、人間関係が原因で退職を決断した人の割合は男性は全体の9.3%、女性は全体の14.8%という結果が出ており、女性の割合の中で最も高い数値となっています。
成果が給与に反映されない
成果が給与に反映されないことも、よくある転職理由のひとつです。企業によっては実績を出しても正当に評価されず、入社時からほとんど給与の額が変わらない場合もあるでしょう。成果が給与に反映されなければモチベーションも上がらず、評価されているという自信もつきにくいものです。
教育体制が整っていない
教育体制が整っていないことは、人員不足で多忙な企業や人間関係が良好でない企業に多いのではないでしょうか。職場は「学校のように教えてもらう場所」ではないものの、入社後からはしっかりと基礎を固める必要があります。しかし、「教える時間がない」「教育できる人がいない」など、教育体制が整っていないことで先輩とのコミュニケーションもとりにくくなるでしょう。
規定外の残業が多い
規定外の残業が多いことも、よくある転職理由のひとつです。日本の法律では、残業時間は最大で「月45時間以内、1日2時間程度」と定められています。原則として、如何なる場合もこれを超えることはできません。しかし、企業によっては上司から規定外の残業を強いられることも事実です。規定外の残業が続くと心身ともに疲労が溜まり、オンオフの切り替えができず身体を壊してしまうでしょう。
参考元 厚生労働省「令和元年雇用動向調査結果の概要」
転職理由を企業に伝えるときのポイント
転職理由を企業に伝えるときのポイントは、前述のとおり不満や愚痴を並べずにポジティブに話すことです。とはいえ嘘はつかず、自分の本音を交えながら前向きな印象を与える言葉選びをしましょう。
不満や愚痴を並べるのはNG
転職で企業に不満や愚痴を並べてしまうと、自分の印象が下がってしまいます。転職する理由は正直な本音を話すというよりも、自分の本音を交えてポジティブな内容に変えることが必要です。「入社してもすぐに退職してうのではないか」と企業に思われないよう、前向きさをアピールしましょう。
企業に嘘はつかない
不満や愚痴を並べることがNGとはいえ、企業に自分を繕って嘘をつくと見透かされてしまいます。1から作り話をして自分を良く見せてしまうと、必ず企業は見抜くと心得ておきましょう。企業に転職理由を話すときは嘘をつくのではなく、あくまで転職理由の本音を交えたうえで、前向きな内容にすることが大切です。
転職理由をうまく伝えるコツについては、「外国人が転職を考えるきっかけは?面接で話すポイントも解説!」や「転職理由の書き方を知りたい!外国人に向けて例文を紹介」のコラムがおすすめ。退職から転職するまでの流れも解説していますので、転職活動を始める際にぜひお役立てください。
転職理由を面接で企業に伝えるときの例
転職理由を企業に伝えるときの例文を紹介します。前述のとおり、転職理由の本音がネガティブな内容の場合はポジティブに変換してみましょう。誰が聞いても印象が下がることのない言い回しを考えることが大切です。
人間関係が原因の場合
私は仕事をするうえで、語学力を活かし、チームワークを意識して働くことを重視しております。しかし、現在の職場では先輩や同僚とコミュニケーションを取る機会がほとんどなく、個人プレーが中心となる環境です。そのような環境ではコミュニケーション能力が活かされず、さらにやりがいをもって働ける職場で働きたいと感じました。そのため、新しい職場で仲間とコミュニケーションを取りながら自分の得意分野を発揮すべく、転職を決意致しました。
成果が給与に反映されない場合
現在の職場には▲年勤務して参りましたが、自分の成果が収入に反映されることはありませんでした。昇格を目指して成果を出しても正当に評価されず、やりがいを見出すことに限界を感じております。自分のモチベーションを維持しながら達成感を感じられる仕事をしたいと感じ、転職を決意致しました。
教育体制が整っていない場合
私は未経験で現在の職場に入社し、▲年勤務して参りました。しかし現場の教育体制が整っておらず、マニュアルを読んで自分で習得していくしかない現状に、スキルアップの限界を感じております。新しい環境でより多くのスキルを身に付けて、先輩や後輩と多くのコミュニケーションを取りながら働きたいと考えたため、転職を決意致しました。
規定外の残業が多い場合
現在の職場では規定外の残業が多く、心身ともに疲弊しやすい環境におります。目標を考えたりやりがいを見つけたりする余裕がなく、働きずらさを感じている状況です。そのため、より業務に集中するために、オンオフのメリハリをつけられる働き方を実現すべく、転職を決意致しました。
このように、「確かな事実」を伝えたうえで、話しの流れをポジティブな内容に変えていきましょう。「自分はこのように働きたいが、現在の職場ではそれが実現できない」という話し方で転職理由を伝えると好印象です。仕事への意欲や、やる気を示し自分の印象を下げない伝え方を意識しましょう。
まとめ
転職理由の本音がもしネガティブな内容である場合、「ストレートに伝えず、ポジティブな内容に変えて伝える」ことが重要です。転職先の企業だけでなく、在籍中の企業に対しても同じことがいえます。つい本音をこぼしてしまいたくなる場合でも、企業と自分の意思疎通が良好にできるよう、しっかりと転職理由の伝え方を理解しておきましょう。
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