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外国人を採用する際に、日本語能力試験(JLPT)のどのレベルを基準とすれば良いか迷っている企業の方もいるでしょう。N1やN2合格者を求める企業は多いですが、職種によってはそれ以下のレベルでも十分に業務を行える場合があります。このコラムでは、日本語能力試験の各レベルの認定目安や採用への活かし方を紹介。内容を参考にして、自社に相応しい人材を採用しましょう。
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目次
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日本語能力試験とは、日本語を母語としない人の日本語運用能力を測定し、認定するための試験です。英語表記の「Japanese-Language Proficiency Test」が省略され、JLPTと略されます。
日本語能力試験で問われるのは、日本語の知識のみではありません。言語知識(文字・語彙・文法)・読解・聴解の3つの要素に関する問題が出され、総合的なコミュニケーション能力が求められる試験です。解答方法にはマークシート方式が採用されており、3~4個の選択肢から答えと思う1つを選びます。
日本語能力試験は、1984年に開始されて以来、多くの外国人に受けられてきています。新型コロナウイルス流行前の2019年の受験者数は、全世界で116万人以上でした。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年の受験者数は約68万人と減少してはいるものの、今も変わらず世界最大規模の日本語試験といえるでしょう。
日本語能力試験について、「日本語能力試験の難易度は?外国人を雇用する企業へ向け詳しく解説!」のコラムでも解説しています。ぜひご覧ください。
参照元 日本語能力試験公式ウェブサイト 「日本語能力試験とは」 日本語能力試験ウェブサイト 「過去の試験のデータ」
日本語能力試験を外国人採用に利用すると、応募者の日本語能力が明確になるというメリットがあります。複数の外国人が自社への就職を希望している場合に、各応募者の日本語能力を客観的に比較する手段になるためです。
就職を希望している外国人の大体の日本語能力を予想できることから、自社の業務を行えるかを判断する材料の一つにもなるでしょう。また、どの程度日本語を理解できるのか事前に把握しておくことで、入社後のギャップを減らせます。ミスマッチを防ぐためにも、日本語能力試験を外国人採用に積極的に活用しましょう。
日本語能力試験(JLPT)はN1からN5の5段階のレベルに分かれています。最も難易度が高いのがN1で、数字が大きくなるにつれて易しくなるのが特徴です。ここでは、日本語能力試験の各レベルの認定内容と過去問題、採用・雇用する際に目安にできる基準を紹介します。各レベルの認定目安や問題の難易度を知って、外国人採用や雇用時の目安として活かしましょう。
※また、今回下記にて紹介している業務例は弊社の目安となります。実際の面接や採用時のジャッジの際には、日本語能力試験のレベルだけでなくコミュニケーションでのやり取りや一人ひとりのスキル、社内で準備できる環境などをふまえて検討する必要があるでしょう。
日本語能力試験のN1は、幅広い場面で使われる日本語を理解できるレベルです。日本で医師や看護師、獣医師などの国家試験を受験する際には、N1に合格していなければなりません。なお、2021年12月実施分のN1合格率は、国内外合計で34.5%でした。
日本語能力試験N1の難易度を表す際に、「日本人でも難しい」と言われており、慎重に解答しなければ満点を取るのは難しいレベルと言われています。
日本語能力試験N1は、さまざまな話題を取り扱っている新聞や論説などの難しい文章を読んで、構成や内容をしっかり理解できるレベルです。また、幅広いテーマの文芸書や実用書などを読んで、話の展開や著者の意図を把握する力も求められます。抽象的だったり趣が感じられたりする文章を読んで、詳細に内容を理解できるのが、N1レベルの特徴です。
日本語能力試験N1に合格するには、日本人が話すような自然なスピードの会話やニュース、講義を聞き取れる能力が必要です。また、話の流れや登場人物の関係など、詳細を理解できる力が求められます。要旨やどのように内容が構成されているかを把握する力も必要です。
以下は、言い換え類義に関する問題です。
【問題】()の言葉に意味が近いものを1.2.3.4から1つ選びなさい。
このマニュアルの説明は(ややこしい)。
1.明確だ
2.奇妙だ
3.複雑だ
4.簡潔だ
この問題のように、言葉の意味やニュアンスを理解していないと解けない問題が出題されます。
複数の人数がいる環境で、複雑なコミュニケーションや考察が必要な場においても、自主的に意見を発信し、取捨選択して業務に取り組むことができます。臨機応変さを求めながらも、自主的に動かしてほしい業務等をお任せすることができるでしょう。母国語や母国の経験を生かしていくことはもちろん、留学経験や言語の兼ね合いで他の言語にも知見のある方も多い傾向にあります。
例①新規サービス立ち上げWebエンジニア
例②Webマーケティング業務
例③技能実習関連のサポート業務
例④海外進出企業の翻訳者
例⑤クリエイティブディレクター
例⑥海外事業関連人事
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日常的な場面で使われる日本語を理解し、より幅広い場面に対応できるのが日本語能力試験N2レベルです。N2に合格していれば、ビジネスレベルの日本語を習得していると判断されます。なお、日本語能力試験N2合格者を採用した場合は、入社後の日本語研修を省略する企業も多いようです。
日本語能力試験N2レベルだと、分かりやすく書かれていれば、多様なテーマを扱う新聞や雑誌記事が読めます。身近な話題に関する読み物を読んで、話の展開や著者の意図も理解することも可能です。ビジネス文書も読めるため、日本語能力試験N2合格者は仕事に必要な最低限の日本語の読解能力を持っているといえます。
日本語能力試験N2合格者は、日常的な場面で自然に近いスピードの一貫性のある会話の聞き取りが可能です。登場人物同士の関係や話の展開なども理解できます。「日本語能力試験N2とN1ではどのくらい日本語の聞き取り能力の差があるのか」と気になる方もいるでしょう。一般的には、日本語能力試験N2は「日本語で話し合いができる」とされ、N1は「通訳ができる」レベルといわれています。
以下は、文脈を読み相応しい単語を選び出す問題です。
【問題】()に入れるのに最もよいものを1.2.3.4から1つ選びなさい。
日本人の平均()は、男性が79歳、女性が86歳である。
1.生命
2.寿命
3.人生
4.一生
一見すると意味が似ているように感じる選択肢から、答えを選ぶ問題が出されます。日本語能力試験N2の問題を解くには、日本語の意味と正しい使い方を理解する力が必要といえるでしょう。
業務での日本語のコミュニケーションを取りながら業務を行うことができます。決まった業務範囲だけでなく、臨機応変さや人とのコミュニケーションが重視されるポジションでも募集を出している企業様も多い傾向です。日本語を話すのが苦手でもメールや文章で表現しやすいタイプの方もいらっしゃるので、面接時には傾向を見ておくとよいでしょう。
例①Webエンジニア
例②輸入代理店営業
例③コールセンタースタッフ
例④学童指導員
例⑤配達スタッフ
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日常生活で使われる日本語をある程度理解できるのが、日本語能力試験N3レベルです。日本語能力試験の中間レベルに位置しており、応用的なN1・N2と基礎的なN4・N5の橋渡しのような役割を果たします。
日本語能力試験N3は、基本的な日本語能力があり、マニュアルがあれば単独で業務を行うことが可能です。そのため、コミュニケーションがあまり必要でない職種では、N3レベルの外国人の採用が増えている動きがあります。
日本語能力試験N3は、具体的に書かれた日常的な話題に関する文章を読んで、理解できるレベルです。また、新聞のタイトルを読み、大まかな内容を把握できるでしょう。日常生活で目にする少々難しい文章は、ほかの表現が与えられれば、おおよその内容を掴めます。ビジネスシーンで通用するとまではいきませんが、日常生活で使われる日本語は読み取れるレベルです。
日本語能力試験N3合格者は、少しゆっくりしたスピードの日常的な会話を聞き取れます。話の流れや人物の関係など、具体的な内容もほぼ理解可能です。
試験では、内容を聞いて話者の意見や思惑を答える問題が出てきます。まとまりのある話であれば、要点を理解できるのがN3レベルの特徴です。
以下は、オノマトペに関する問題です。
【問題】()に入れるのに最もよいものを1.2.3.4から1つ選びなさい。
()寝たので、気持ちがいい。
1.すっかり
2.ぐっすり
3.はっきり
4.ぴったり
日本語能力試験N3では、擬音語や擬声語、擬態語などのオノマトペに関する問題が出されます。外国人にとって、オノマトペは覚えるのが難しいといわれている言葉です。とはいえ、日常生活でよく用いられるので、よく耳にするオノマトペは理解する必要があります。
ある一定、日本語でコミュニケーションを取りながらも決まった業務をこなしていく業務に向いています。イレギュラーでのお客様からの要望があるケースは、最低限業務内での相談を自力でできるレベルを想定します。
例①介護職
例②飲食店でのキッチンスタッフ
例③飲食点でのフロアスタッフ
例④ホテルの客室清掃スタッフ
例⑤コンビニスタッフ
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日本語能力試験N4は、日常生活で必要とされる基本的な日本語を理解できるレベルです。そのため、N4レベルの外国人が、日本語による多くのコミュニケーションが必要な業務に就くのは難しいでしょう。
なお、N4以上のレベルへの合格は、在留資格「特定技能」を申請する際に必要な条件の一つです。在留資格「特定技能」がある外国人は、人手不足が深刻な産業分野において、単純労働が許可されています。つまり、複雑なコミュニケーションを必要としない業務であれば、日本語能力試験N4レベルでも従事できると考えて良いでしょう。
日本語能力試験N4レベルでは、基本的な語彙や簡単な漢字による文章の読解が可能です。理解できる内容に関しては、日常的な場面のなかでも特に身近な話題に限られます。日本語能力試験N4で出されるのは、類義語や漢字の読み方を答える問題などです。
日本語能力試験N4は、少しゆっくりとしたスピードの日常的な会話であれば、内容がほぼ理解できるレベルです。ただし、日本人同士の一般的な速さの会話を聞き取るのは、難しいといえるでしょう。試験では、図を見ながら答えたり短い会話を聞いて質問の正しい返答を選択したりする問題が出ます。
日本語能力試験N4から下のレベルでは、試験問題に出る言葉の多くがひらがなで表記されます。読み仮名を振っている漢字があったり単語の間にスペースが入ったりするのも特徴です。
【問題】()になにをいれますか。1.2.3.4からいちばんいいものを1つえらんでください。
スーパーでもらった()を見ると、何を買ったかわかります。
1.レジ
2.レシート
3.おつり
4.さいふ
以上のように、使われるのは簡単な漢字に限られます。
業務的に決まったフローがある作業が多い傾向にあります。一度日本語でレクチャーした内容を実施してもらうことがメインとし、時に簡単な相談や報告を求める業務であればこのレベルでの募集でも問題ない傾向にあります。
例①水産加工全般の業務
例②高齢者施設での調理業務
例③工場でのマシンオペレーター
例④機械の組立、加工、検査
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日本語能力試験N5は、日本語能力試験のなかで最も易しいレベルです。とはいえ、日常生活である程度のコミュニケーションがとれる日本語能力を持っています。そのため、職場内に多言語を話せる人がおり、通訳してくれる場合は、N5程度の日本語能力で良しとする企業もあるようです。
日本語能力試験N5は、ひらがなやカタカナ、画数の少ない漢字で書かれた文章を読んで理解できます。なお、読めるのは、よく見かける語句や定型的な文章に限られるため、複雑な内容は把握できません。
試験に出されるのは、ひらがなを正しいカタカナに書き換えた選択肢を選ぶといった、易しい問題です。
ゆっくり話される短い会話であれば、日本語能力試験N5レベルでも、必要な情報を聞き取れます。ただし、理解できるのは、教室や特に身近な場面で使われる語彙や表現などに限られるでしょう。なお、日本語でのやりとりが少ない職場でも、安全性が求められる業務に就くのは難しいといえます。
N5は日本語能力試験のなかで、最も易しいレベルです。しかし、以下のような長めの文章を読む問題も出題されます。
【問題】つぎのぶんを読んで、しつもんにこたえてください。こたえは1.2.3.4からいちばんいいものを1つえらんでください。
先生がアンナさんに手紙を書きました。
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アンナさん
今週は仕事がたくさんあります。
土曜日と日曜日もいそがしいです。
来週の月曜に来てください。
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【質問】
先生はいつ時間がありますか。
1.今週
2.土曜日
3.日曜日
4.月曜日
以上のように最も易しいとされるN5でも、ある程度の語彙力や文脈を読む力が必要です。
比較的、仕事上のコミュニケーションが多く発生せず、業務的にも単純作業が多い傾向にあります。フローが複雑化されてなく、決められた業務範囲内で一度日本語でレクチャーした内容を実施するには十分なレベル感です。
例①工場/製造業での簡単な軽作業、確認業務
例②工場での調理/仕上の業務
例③単発の警備スタッフ
例④自動車部品の機械加工
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日本語能力試験のN1・N2については、「日本語能力試験N1の難易度は?外国人採用で参考になるレベルを解説」や「日本語能力試験とは?N2レベルの概要や合格者を雇用するメリットも解説」のコラムでも解説しています。ぜひご覧ください。
参照元 日本語能力試験公式ウェブサイト 「N1~N5:認定の目安」 日本語能力試験公式ウェブサイト 「問題例に挑戦しよう」
日本語能力試験の結果を採用に活用する際は、面接でのやりとりと合わせて総合的に判断することが重要です。また、日本語をネイティブレベルで話せる外国人でも、業務の処理能力が高いとは限りません。以上のことを念頭に置いて、自社の業務遂行に必要な日本語のレベルを把握し、採用基準を設けましょう。
日本語能力試験を外国人の採用に活用する際には、試験結果は参考程度に捉えましょう。なぜなら、日本語能力試験には会話能力を測る問題がないためです。N1やN2に合格していても、日本語をスムーズに話せるという保証はありません。
日本語能力試験の受験経験がなくても、日本語でのコミュニケーション能力が高い場合も考えられます。また、漢字が苦手で日本語能力試験では低いレベルしか合格できなくても、会話は問題なくできる外国人もいるでしょう。以上のような例を踏まえ、日本語能力試験の結果以外にも、面接での会話も考慮して、日本語能力を判断するのをおすすめします。
外国人を採用する際には、日本語能力と業務の遂行能力が比例しないことも、認識しておきましょう。円滑にコミュニケーションが取れれば、確かに仕事は進めやすくなります。しかし、職種によっては、日本語能力よりもITスキルやクリエイティビティの方が重要な場合もあるでしょう。日本語能力だけに注目して採用を進めると、行うべき業務に支障が出る可能性もあります。コミュニケーションが業務の中心ではない場合は、日本語能力試験N3レベルを採用の基準にするのも選択肢の一つです。
また、日本語能力だけでは意欲や人間性は測れません。日本語が拙くても熱意があり、「一緒に働きたい」「入社して欲しい」と思える人材は、思い切って採用してみるのも良いでしょう。外国人の日本語能力は、入社後のフォローで十分に伸びる可能性があります。
日本語能力試験の結果を採用に活かす際は、どの程度の日本語能力が自社の仕事に必要かをよく考えましょう。日本語能力試験N1・N2合格者を採用できれば、日本語でのやりとりがしやすいと考えられます。しかし、N1・N2合格者を求める企業は多く、競争率が高くなりがちです。そのため、日本語能力試験N1・N2合格者だけを選ぼうとすると、人材が集まりにくくなる可能性があります。自社にとってハイレベルな日本語能力が必要でない場合は、必ずしもN1やN2の合格者にこだわる必要はないでしょう。
日本には日本語能力試験のほかにも日本語に関する試験があり、特徴はさまざまです。ここでは、「日本語検定」「日本語能力試験(JPT)」「BJTビジネス日本語能力テスト」について、紹介します。「日本語能力試験(JLPT)」との相違点を理解し、採用時の参考にしてください。
日本語検定は、主に日本語を母語とする人が正しく使えているかを確認する試験です。1級から7級まであり、数字が少ない方が難しいとされています。最も難しい1級は社会人レベル、1番易しい7級は小学校の低~中学年レベルです。なお、日本国籍以外の人も受験できるため、日本語検定を受験する外国人もいます。日本語検定の上級レベルに合格している外国人は、高度な日本語能力を有していると考えられるでしょう。
日本語能力試験(JPT)は、日本語能力試験(JLPT)と正式名称が同じものの、異なる試験です。JPTは主に韓国で浸透しており、日本語が話せる人材を求める韓国企業が採用基準に用いています。そのため、韓国出身者が受験するケースが多いようです。ただし、韓国だけではなく日本をはじめとしたアジア各国でも受験できます。JPTは無段階評価方式の試験で、得点により以下のJLPTのレベルに置き換えが可能です。
JPT:660点以上→JLPT:N1
JPT:525点以上→JLPT:N2
JPT:430点以上→JLPT:N3
JPT:375点以上→JLPT:N4
JPT:315点以上→JLPT:N5
JPTよりJLPTの方が規模が大きいものの、資格保有者の日本語能力に優劣が付くわけではありません。企業は、JPTとJLPTの互換性を把握し、外国人採用を行う際に活用しましょう。
BJTビジネス日本語能力テストでは、ビジネスに必要な日本語でのコミュニケーション能力が測れます。日本語が母語でない人に向けた試験で、受験者は日本での就労を希望する社会人や学生です。
試験結果は、得点に対応したJ5~J1+の6段階で評価されます。自社の業務に高い日本語能力が必要な場合は、BJTビジネス日本語能力テストの結果を、採用に活用するのも良いでしょう。
BJTビジネス日本語能力テストについては、「外国人対象の日本語能力試験とは?JLPT、EJU、BJTの違いを解説」や「実用日本語検定(J.TEST)のレベルとは?JLPTとの違いを解説」のコラムでも解説しています。
日本語能力試験(JLPT)は、外国人の日本語能力を確かめるうえで、役立つといえます。しかし、日本語能力試験の結果だけで外国人の日本語能力を判断するのは、おすすめしません。
外国人の採用を検討する企業は、日本語能力試験の結果に加えて、実際にコミュニケーションをとったうえで、総合的に判断しましょう。
監修:島田亮司 日本ビザ国際行政書士事務所
ストックホルム大学交換留学を経て、中央大学法学部卒業。東京書籍株式会社に入社、主に英語辞典や教材の編集、異文化理解教育のテキスト製作を担当。その後、PHP研究所にて英文月刊誌の副編集長として国内外の取材、執筆、編集に携わる一方、松下幸之助研究の研究スタッフとして外国人経営者向けの研修セミナーの企画、運営、講演を行う。伊藤忠商事食料カンパニー向けのアナリストを経て独立。1997年設立のNPO国際交流団体SIEN(埼玉県国際交流協会登録)の代表として現在までの22年間、異文化理解、交流促進に関わる社会活動をする他、外国人社員教育、外国人採用コンサルティング、在日外国人向けに生活サポートや賃貸物件のアドバイス等も行う。宅地建物取引士。英語通訳案内士。 http://visa-nihon.com/