日本の就職活動の特徴とは?外国人留学生向けに海外との違いを紹介

WeXpats
2022/12/01

外国人が日本で働くには、就職活動を行う必要があります。日本の就職活動には独自のルールやマナーが多く、海外での生活が長い人はカルチャーショックを受けるでしょう。そこで、このコラムでは日本で働きたい外国人や留学生向けに、就職活動の流れや特徴を解説します。就職活動で内定を得るには、情報収集や事前準備が欠かせません。就職活動を成功に導くには、日本の独特なルールを押さえて適応することが大切です。

目次

  1. 日本の就職活動はおかしい?
  2. 日本の就職活動の特徴
  3. 日本の就職活動の流れ
  4. 外国人が日本で就職活動をするために必要な手続き
  5. まとめ
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日本の就職活動はおかしい?

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日本では就職活動は在学中に行うのが一般的です。各企業が一斉に募集を行うため、学業と並行しながら準備を進めなければなりません。しかし、海外では就職活動は学校を卒業してから行うのが一般的です。そのため、「勉強のために学校に通うのに、在学中に就職活動を行うなんておかしい」と感じる人もいるでしょう。

ほかにも、日本の就職活動には独特なルールやマナーが存在します。すべてのルールやマナーに意味があるので、日本で働きたい外国人はまず日本の就職活動に関する文化の理解を深めましょう。

日本と海外では就職活動のルールが異なる

就職活動のタイミングや選考の流れ、服装のマナーなどは日本と海外で異なります。日本の企業で働きたい外国人は、考え方やルールの違いを認識し、就職活動に役立てましょう。

就職活動を始めるタイミング

日本の企業は基本的に4月に新入社員を一斉に迎えるため、前年の春から秋にかけて選考を行います。選考の対象は翌年に卒業する見込みの学生です。選考で十分な人数が集まった企業から順次募集を停止します。一方、海外では多くの企業が通年募集を行っているため、学校を卒業してから就職活動を行うのが一般的です。大学や専門学校を卒業したあと、留学や長期旅行に時間を使う人もいるので、就職活動を始めるタイミングは人ぞれぞれ異なります。そのため、海外での生活が長い方は、日本の就職活動の流れは特殊に感じるでしょう。

面接や応募書類のマナー

日本の就職活動では、面接を受ける際の言葉遣いや応募書類の書き方など、マナーが細かく決まっています。就職活動中にマナー違反の行動が目立つと、どれだけ優れた人物でも不採用になる可能性が高いので注意しましょう。日本の就職活動ではどの企業に応募するときも履歴書やエントリーシートを提出し、スーツで訪問するのがマナーです。海外の就職活動では服装に規定がないことも多いため、戸惑う人も多いでしょう。なお、インターンシップに参加している企業の選考を受ける場合も面接は必須です。履歴書やエントリーシートは使い回さず、応募企業ごとに新たに作成する必要があるので、日本で就職活動を行う際は注意してください。

日本では就職活動は在学中に行うのが一般的

学業や仕事を行っていない空白期間を作らないために、日本では在学中から就職活動を行うのが一般的です。日本の企業の多くは、若くて伸びしろのある学生を採用したがる傾向にあります。そのため、在学中から就職活動を行うのが最も成功率が高いのです。卒業後に就職活動を行うのも不可能ではありませんが、企業からは「在学中に就職活動をしなかったのは何か問題があるのでは?」と不審に思われてしまうでしょう。卒業後に就職活動を検討している人は、留学や資格取得など正当な理由を用意しておくと、選考でのイメージダウンを避けられます。

髪型や服装で個性を出すのはマナー違反

日本の就職活動では髪型や服装、メイクのマナーが細かく決まっており、守らないと非常識だと判断されます。「髪の毛を明るい色や奇抜な色に染めない」「目にかかる前髪は整髪料で整える」「服装は黒い無地のスーツ」など、日本の就職活動のルールは複雑です。海外では就職活動中の服装に厳しくない国が多いため、日本のルールを不思議に思う方もいるでしょう。昨今では日本も個性を重視し、スーツ以外の服装や自由な髪型での面接を認めている企業もありますが、全体的な割合は多くありません。日本での就職を目指している方は、服装や髪型にも気を使って面接に臨みましょう。

日本の就職活動について詳しく知りたい方は、就活準備や主なスケジュールをまとめた「日本の就活の流れや必要な準備とは何か?外国人留学生に向けて解説」もご覧ください。日本で就職活動を行う外国人留学生向けに、要点をまとめて紹介しています。

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日本の就職活動の特徴

日本の就職活動の特徴の画像

日本の就職活動の最大の特徴は、毎年一斉に行われる新卒一括採用です。また、実力ではなくポテンシャルを重視した採用方式も海外との違いといえるでしょう、ここでは、日本での就職を検討する外国人が知るべき就職活動の特徴をまとめています。日本の就職活動に関する情報を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

時期を限定して行う新卒一括採用

新卒一括採用は、学生を対象に翌年の新入社員を決める日本特有の採用方式です。日本の就職活動において、最もスタンダードな採用方式といえるでしょう。ほぼすべての企業が、毎年新卒一括採用で新入社員の確保を行っています。なお、学校卒業後に既卒として就職したりほかの企業から転職したりする際は、新卒採用には応募できません。実力やこれまでの経歴が合否を左右する中途採用を受けることになります。そのため、外国人が日本で働くには学生のうちから来日しておく方法がおすすめです。外国人留学生として日本に入国し、在学中に就職活動を行えば採用される可能性が高まるでしょう。

協調性の高さが重視される集団主義

日本の就職活動では個人の持つスキルよりも、協調性が重視される傾向にあります。多くの企業は部署やチーム内での働きで社員を評価する集団主義です。周囲と協力してお互いに支え合い、企業として大きな利益を挙げられる人材が重宝されます。海外の企業では個人主義なところも多く、単独で十分な成果を挙げていれば評価されますが、日本ではそうはいきません。自己中心的な考え方を持ち、協力するそぶりを見せないような人材は採用しない企業がほとんどです。日本での就職を考えている外国人は求められる働き方の違いを理解して、企業へのアピールポイントを変えることをおすすめします。

成長を見越して行われるポテンシャル採用

日本では新卒一括採用が一般的なため、採用する際は伸びしろがどれくらいある人材かが重視されます。即戦力になれる実力がなくても、やる気や熱意が伝われば採用してもらえる可能性が高まるでしょう。もちろん、ある程度業界や職種への知識、基礎的な能力などは求められます。将来的な成長性をうまくアピールできれば、大手企業への入社も夢ではありません。

インターンシップが採用可否に直結しない

日本は海外と違ってインターンシップが選考結果に関わらないのが特徴です。企業によっては、参考としてインターンシップの様子を採用可否の判断に含めている場合もありますが、基本的にほとんど影響はありません。海外ではインターンシップが盛んにおこなわれており、合否に直結するケースが多いため、文化圏の違いを感じる人は多いでしょう。なお、海外と同じく選考の一環としてインターンシップを行う企業もあります。日本で就職活動を行う際は企業研究を徹底し、インターンシップの扱いを調べておくと良いでしょう。


日本と海外では就職活動のやり方が大きく異なります。出身国によっては文化の違いを受け入れがたいと感じることもあるでしょう。「外国人留学生が理解しにくい日本社会と就活の習慣」では、日本で働くうえで慣れておくべき日本独特の習慣をまとめています。日本で就職するか悩んでいる方はチェックしてみましょう。

日本の就職活動の流れ

日本の就職活動の流れの画像

外国人が日本での就職活動を成功させるには、事前準備を念入りに行うことが大切です。応募企業の選定から内定式までは約6ヶ月しかないため、準備不足で就職活動に臨むと思うような結果を得られず、帰国を余儀なくされる可能性もあります。ここでは、新卒採用を受けるときのスケジュールを参考に日本の就職活動の流れを紹介するので参考にご覧ください。

就職活動が本格化する前に準備を行う

日本の就職活動は4~5月ごろから本格化するため、前年の夏ごろから早めに準備に乗り出すことをおすすめします。就活の事前準備に必要なのは、自己分析や業界研究、企業研究です。目指す業界や職種によっては、インターンシップへの参加も視野に入れたほうが良いでしょう。なお、自己分析や企業研究は、途中で考えが変わる可能性もあるため。就職活動が本格化したあとも継続して行うのが賢明です。

自己分析

自己分析とは、過去の体験や経歴、自分の性格などを振り返って「自分自身がどういった人間なのか」を明らかにする行動です。日本の就職活動では自己理解が深い人材が好まれる傾向にあるので、自己分析は力を入れて行いましょう。自分の得意不得意や興味のある分野、長所と短所を分析し就職活動に活かしてください。「どんな仕事に就きたいか決まっていない」「働く自分の姿が想像できない」といった方は、特に自己分析を重点的に行うことをおすすめします。

業界研究

業界研究では、自分が就きたい仕事はどこで行えるのかを調査をします。営業職や事務職、Webデザイナー、プログラマーなどさまざまな仕事がありますが、業界によっては業務内容に違いが出ることもあるようです。業界は大まかに、メーカー・小売・サービス・商社・金融・マスコミなどに分かれています。携わる仕事にこだわりがある方は、職種だけでなく業界にも目を向けたほうが良いでしょう。業界への理解が浅いまま就職すると、ミスマッチを感じて働くのが辛くなる可能性もあります。OB・OG訪問や企業説明会、インターンシップなどは業界研究を行う絶好の機会です。興味があるイベントがあれば、積極的に参加してみましょう。

企業研究

自分の興味の方向性がはっきりし、働きたい業界や仕事が明らかになったら、具体的に応募先を決めるために企業研究を行います。企業研究では、会社の経営方針や力を入れている事業、求められている人物像などを理解するのが大切です。企業の方向性と自分が就職活動で大切にしている軸が一致すれば、採用される可能性が高く、入社後にミスマッチを感じにくいといえます。企業研究は会社説明会やOB・OG訪問、口コミサイトの評価を参考に行うのがおすすめです。応募を検討している企業のインターンシップに参加し、実際の働き方や社風を確認するのも良いでしょう。

インターンシップ

インターンシップは日本の就職活動では必須ではないものの、参加しておくと自己分析や業界研究、企業研究に役立ちます。主に夏季と冬季に行われているので、気になる企業がインターンシップの募集を行っていたら、積極的に応募してみましょう。インターンシップは最短1日、最長3ヶ月以上行われます。企業によっては海外と同じように採用選考の一環としてインターンシップを行っている場合もあるので、参加する際は気を引き締めて臨みましょう。採用可否に直結しないインターンシップでも、実際に働く社員に良い印象を与えることで、採用の可能性が高まることもあるようです。

企業説明会に参加する

新卒向けの企業説明会が盛んに行われるようになったら、就職活動が本格化してきた合図です。各企業がポテンシャルの高い人材を求めて、自社の魅力や経営方針をアピールしているので、積極的に参加しましょう。昨今ではオンラインでの説明会を開いている企業も多いため、自宅から出ずに就職活動を行うことも可能です。
企業説明会は書類選考を兼ねているケースも多く、エントリーシート(通称:ES)の提出を求められることもあるでしょう。ESはテンプレートが決まっており、基本的にほとんどの企業で同じ内容の書類を提出します。ESには自分の氏名や連絡先、顔写真といった個人情報に加えて、志望動機や自己PRも書くのが基本です。履歴書を用意するときと同じく、誤字脱字や書き方に気をつけてESを作成しましょう。ESの記入欄に余白が多いと「入社意欲が低い」と思われる可能性が高いので、できるだけ内容を充実させることをおすすめします。

企業にエントリーして選考に進む

企業説明会や新卒向けの求人サイトで気になる企業があったら、積極的にエントリーを行いましょう。新卒採用の場合、書類選考に通過したのち、2〜3回程度面接を行って最終的な選考結果が決まります。海外と日本では履歴書に書く内容や面接で聞かれる質問が異なります。たとえば、アメリカでは就職差別の原因になる顔写真や性別、年齢、配偶者の有無などは記載しません。また、書式が自由なため応募者が企業に合わせて最適なアピールを行えるのが魅力です。一方、日本の履歴書では本人確認のために年齢や性別、顔写真などの個人情報が必要になります。日本で就職活動を行う外国人は、必ず履歴書やESの書き方を調べてから応募書類を作成しましょう。

新卒採用のときは、応募者を絞るために1次選考・2次選考・最終選考と、何度も面接を行われるのが一般的です。面接の回数が少ない企業でも、2回はあると考えておいたほうが良いでしょう。企業が面接を通してチェックしているのは、「応募者が自社にマッチする人材か」です。選考が進むにつれてチェックが厳しくなるので、しっかりと対策をして本番に臨みましょう。最終面接では役員クラスの社員や社長を相手に面接を行うケースもあるので、緊張して失敗しないように練習を重ねておくと安心です。

内々定・内定を受ける

最終面接に合格したら内々定・内定の通知が届くので、承諾するか辞退するかを選びます。内定承諾後の辞退はトラブルになる可能性が高いので、慎重に考えましょう。なお、内々定は「これから内定を出す」という約束で、内定は「正式な雇用契約を結ぶ」ことを指します。内々定は選考終了から入社までに時間があるときに出されることが多く、基本的に問題がなければそのまま内定に切り替わるでしょう。ただし、内々定・内定を受けたからといって安心してはいけません。

素行不良があったり会社の経営状況が悪化したりした場合、内々定・内定が取り消される可能性があります。会社に問題があった場合はともかく、自分の行いに注意しておけば内定が取り消されることはほとんどありません。入社まで油断せず、素行に注意を払いましょう。

内定式に参加する

内定式は日本の就職活動における締めくくりです。内定式は10月ごろに行われます。内定式を行わない企業や十分な人数を採用してから開催する会社もあるので、事前に確認しておくと安心です。内定式では正式な雇用契約を結びます。労働条件がまとめられた内定通知書や労採用通知書などが交付されるので大切に保管しておきましょう。また、先輩になる社員との交流や入社までのスケジュール案内、配属先の発表などを実施する企業もあるので、あらかじめ気持ちの準備をしておくことをおすすめします。


日本独特の就活スケジュールを把握したい方には、「留学生向け!日本での就活ガイド」のコラムもおすすめです。具体的な就職活動の流れを分かりやすくまとめているので、新卒採用を受ける方はチェックしてみましょう。

外国人が日本で就職活動をするために必要な手続き

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日本で就職活動を行う外国人は、在留資格に関する手続きを行う必要があります。ここでは、海外から来日する場合と外国人留学生が就職活動を行う場合に分けて、それぞれ必要な手続きを紹介するので参考にしてください。

海外在住の外国人の場合

海外の大学に通う学生や社会人が日本で就職活動を行うには、在留資格認定証明書申請が必要です。「短期滞在」、もしくは「特定活動」の在留資格を取得して、日本での就職活動に励みましょう。基本的に就職活動のために来日する外国人は、在留資格「短期滞在」を取得します。最大90日間日本での滞在が可能です。就職活動を短期間で行う必要があるので、事前準備や企業への応募は来日までに済ませておきましょう。なお、日本の査証免除国に指定されている国から来日する場合は、「短期滞在」の在留資格認識証明書取得の手続きは必要ありません。
就職活動の一環としてインターンシップに参加する外国人は、在留資格「特定活動」を取得する必要があります。サマージョブのために来日する場合もこの在留資格が必要なので、必ず手続きを行いましょう。なお、在留資格の取得手続きにはおよそ1〜3ヶ月ほど掛かります。就職活動と並行して手続きを行いましょう。

外国人留学生の場合

外国人留学生の場合はすでに在留資格「留学」を有しているため、就職活動のために新たに手続きを行う必要はありません。外国人留学生は日本での就職活動も認められています。しかし、就職活動を終えて入社する企業が決まった場合は、在留資格変更許可申請が必要です。外国人留学生には就労が認められていないので、入社する企業に合わせて就労可能な在留資格への変更を申請しましょう。

「技術・人文知識・国際業務」をはじめ、「医療」「教育」など業務に合わせた在留資格へ変更手続きを行います。在留資格変更許可申請では企業に用意してもらう書類が多いうえ、審査に約2週間から1ヶ月掛かるため、入社に間に合うよう早めに準備しておくのが賢明です。

参照元
出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」
出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請

まとめ

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日本と海外では就職活動の進め方や履歴書の書き方、面接の質問など違いが数多くあります。日本での就職活動を考えている外国人は、文化の違いを理解したうえで事前準備を行いましょう。在留資格の取得手続きや変更申請のやり方も押さえておくと、就職活動でつまづきにくくなります。

ライター

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