日本の盆踊りとは?歴史や曲を知って実際に参加してみよう

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2023/06/21

日本の盆踊りは、夏に行われる伝統的なお祭りです。木材などを高く組み上げたやぐらの上で太鼓を叩き、人々は夏の着物である浴衣や甚平を着用し、輪になって踊ります。盆踊りは農耕文化や宗教にも由来しており、お盆の時期に一時的に帰ってくる先祖の霊を迎えるために行われてきました。

ここでは、盆踊りの歴史や盆踊り音頭の人気曲、さらには日本各地で開催される子どもから大人まで楽しめる盆踊りイベントも紹介しています。

目次

  1. 日本の盆踊りとはどのような踊り?
  2. 平安時代が始まり!日本の盆踊りの深い歴史
  3. 日本の盆踊りの有名な曲
  4. 盆踊りはどうやって踊るの?
  5. 日本各地で開催される盆踊りを紹介!
  6. まとめ

日本の盆踊りとはどのような踊り?

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日本の盆踊りは、輪になり、音楽に合わせてリズミカルに手を動かしたりステップを踏んだりしながら踊ります。地域によって異なる振り付けや曲があり、地域の文化や風習が反映されるのも盆踊りの見どころです。先祖代々、身振り手振りで踊り継がれてきた盆踊りは日本の民俗芸能といわれています。

日本の年中行事や伝統行事を一覧で解説!特別な日の風習や行事食とは?」のコラムでは、盆踊りをはじめとした、日本の夏の行事についてまとめているので、ぜひ参考にしてください。

平安時代が始まり!日本の盆踊りの深い歴史 

平安時代が始まり!日本の盆踊りの深い歴史の画像

盆踊りは500年にも及ぶ長い歴史がある日本の伝統文化です。ここでは、日本の盆踊りの変遷を時代ごとに解説します。

平安~鎌倉時代 

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平安時代から鎌倉時代までの日本の盆踊りには、現代の盆踊りの素地となる特徴的な3つの要素、「風流(ふうりゅう)」「融通念仏(ゆうづうねんぶつ)」「田楽(でんらく)」が挙げられます。
風流(ふうりゅう)は盆踊りの中で美しい動きや優雅さを表現しており、現代の踊り手の柔らかな手の動きも風流から受け継がれているのが特徴です。
さらに、信仰への思いから、盆踊りと仏教の念仏を組み合わせた融通念仏(ゆうづうねんぶつ)も親しまれるようになりました。踊り手は念仏を唱えながら踊り、信仰を表現していたといわれています。田植えなどの農耕に関連した踊りである田楽は、農作業を模した動きを踊りながら表現する、この時代に広く広まった民族芸能の一つです。

室町~江戸時代

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室町時代から江戸時代にかけて、盆踊りは宗教的な要素から庶民の祭りへと変わっていきます。まだ仏教的な要素が強く残っていた室町時代の盆踊りは、主に寺院や神社の境内で行われていました。仏教宗派が普及や布教のために行う「踊り念仏」から、念仏を唱えながらも民間の娯楽として行う「念仏踊り」に変化していったといわれています。安土桃山時代に盛んだった風流踊りは、貴族や武士たちが交流を深める社交の場としても重要視されていました。その後、戦国時代の混乱から徐々に復興し、地域ごとに異なる特徴を持つようになったのです。
江戸時代に入ると、風流踊りから日本を代表する歌舞伎や浄瑠璃などの伝統芸能が生まれ、現代に通じる盆踊りが確立されました。三味線などの楽器も普及し、笛や太鼓などの和楽器を取り入れて踊る盆踊りが人々に定着していったのです。

明治~大正時代

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明治時代から大正時代の盆踊りは、近代化と伝統文化の融合が特徴とされています。この時期の盆踊りは、地域の祭りとして根付き人々に親しまれました。近代化の影響は楽器や服装にも現れています。ピアノやオルガンなどの洋楽器が使用され、浴衣や甚平などの伝統的な衣装のほか、洋装やモダンな衣装も着用され始めました。大正時代に入ると、盆踊りは各地域で大規模なイベントとなり、広場や公園でも行われるようになりました。さらに、蓄音機やレコードも普及しはじめ、子どもたちも曲に合わせて楽しく踊れるイベントへと変わっていったのです。

昭和~平成時代

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昭和時代から平成時代、日本は戦後の復興から高度成長期に突入する変革の時代となりました。民謡ブームやテレビなどの媒体の多様化により、盆踊りも多様化していきます。この時代の盆踊りは、地域のコミュニティを結ぶ重要なイベントとして位置づけられました。地域ごとに独自の踊りのパターンが存在し、レコードに加え、カセットテープやCDなどのデジタル音源が使われ始めた時期です。これにより地域独自の様々な音頭が生まれ、曲や踊りも多様なものが併存する時代となりました。さらに盆踊り会場には露店や屋台が出店し、賑やかな夏のお祭りとして全国各地で親しまれるようになったのです。今もなお、日本の盆踊りは伝統と現代の融合を通して人々に愛され続けています。

日本の時代について、詳しく知りたい方は「日本の時代を年表にして紹介!時代区分ごとに起こった出来事も解説」のコラムもぜひご覧ください。

日本の盆踊りの有名な曲

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盆踊りに欠かせないのが、祭りを盛り上げてくれる盆踊り音頭や曲です。日本には各地の盆踊りで踊られる有名な曲があります。ここでは日本の盆踊りで人々から親しまれる人気の曲を紹介します。 

東京音頭 

1930年に誕生した『東京音頭』は、丸の内のご当地ソングとして作られた『丸の内音頭』が原曲になっているといわれています。東京音頭は幅広い世代に好まれ、盆踊りの曲としてだけではなく野球の応援歌にも使用されるなど、今もなお人々に親しまれている盆踊りの名曲となりました。

ソーラン節 

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ソーラン節は北海道のニシン漁を元に広まった民謡です。過酷な労働を励ましあうために歌い始めたといわれています。ソーラン節の力強い踊りは活気に満ちており、「ソーラン、ソーラン」の掛け声やリズミカルな曲調は、観る人や聞く人を元気づけることができるのです。盆踊りのみならず、運動会や発表会などでも披露されるなど、教育現場においても子ども達に親しまれてきました。

炭坑節

福岡県田川市が発祥といわれている炭坑節は元々、労働歌の一つで、炭都田川の発展を願い歌い継がれてきた曲です。ラジオで全国的に流されたことで、広く知られるようになりました。時代の流れとともに、宴会や盆踊りでも人々に親しまれています。独特なリズムと太鼓の拍子が特徴的な盆踊りの人気曲です。

【子ども】ドラえもん音頭

声優の故大山のぶ代氏の歌う『ドラえもん音頭』は、人気アニメ『ドラえもん』のキャラクター達と一緒に踊る音頭で、今や子ども達から愛される盆踊りの定番曲となりました。歌詞や振り付けも覚えやすく、キャッチーなメロディーが特徴です。盆踊りのみならず、夏祭りや保育園、幼稚園などのイベントでも踊られています。
また、大山のぶ代氏の後を継いでドラえもんの声優となった、水田わさび氏が歌う『踊れどれドラドラえもん音頭』も『ドラえもん音頭』と同じく盆踊りの人気曲です。馴染み深い歌なので、子ども達も盛り上がること間違いなしの一曲として親しまれてきました。

盆踊りはどうやって踊るの? 

盆踊りはどうやって踊るの?の画像

盆踊りの踊り方は地域や音頭によって異なりますが、誰でも参加でき気軽に楽しく踊れるよう複雑なステップはありません。右足を出したら右手、左足を出したら左手……と繰り返す「ナンバ歩き」が基本です。ナンバ歩きとは日本固有の歩き方で、歌舞伎や日本舞踊にも使われています。同じ動作を繰り返すことで徐々に動きに慣れ、誰でも楽しんで参加できるのが盆踊りの魅力といえるでしょう。

日本各地で開催される盆踊りを紹介!

日本各地で開催される盆踊りを紹介!の画像

毎年日本各地で、さまざまな盆踊りイベントが開催されています。盆踊りの歴史や意味を知り、実際に参加してみることで、より一層楽しい時間を過ごせるでしょう。

阿波踊り 

阿波の画像

阿波踊り(あわおどり)は、日本三大盆踊りの一つであり、徳島県で生まれた盆踊りです。400年という長い歴史を持つ阿波踊りは風流おどりが起源といわれ、それが現在の阿波踊りの「組おどり」に通じています。毎年徳島市のお盆休みの時期に開催され、4日間の人出は約130万人にも上るといわれている、日本でも特に有名な盆踊りです。

西馬音内の盆踊り 

西馬音内の盆踊り(にしもないのぼんおどり)は、秋田県で開催される歴史ある盆踊りの一つです。日本三大盆踊りの一つでありながらも、西馬音内盆踊りについては記録された書物が現存しておらず、言い伝えにより伝承された盆踊りであるといわれています。現在の西馬音内の盆踊りに至るまで、集団で見せるための盆踊りとして衣装や踊りが変化してきました。

郡上おどり 

郡上おどり(ぐじょうおどり)は岐阜県で開催される盆踊りで、阿波踊りや西馬音内の盆踊りに並ぶ、日本三大盆踊りの一つです。2022年にはユネスコ無形文化遺産に登録され、国際的にも認められた盆踊りになりました。江戸時代から続く郡上おどりは、「見て楽しむよりも参加して楽しむもの」とされ、毎年盛大な盛り上がりを見せています。

六本木ヒルズ盆踊り  

六本木ヒルズ盆踊りの画像

六本木ヒルズ盆踊りはその名の通り、東京・六本木ヒルズアリーナで開催される盆踊りです。六本木ヒルズアリーナは東京メトロ日比谷線「六本木駅」直結という近さから、仕事帰りに参加できる盆踊りとしても人気があります。オリジナル曲である六本木音頭や子どもも楽しめるドラえもん音頭など、様々な音頭で踊りを楽しめるイベントです。都心で盆踊りを楽しみたい方は気軽に足を運んでみてください。

八尾河内音頭まつり

八尾の河内音頭まつり(かわちおんどまつり)は、大阪府八尾市で開催される盆踊りです。河内音頭には楽譜がなく、人々は唄いたい歌詞を自由にアレンジし、楽曲にのせて楽しんできました。河内音頭は、戦後から様々な音楽の要素を取り入れ、浪曲やジャズ、フォークなどの影響により進化し続けています。2017年には最多人数で盆踊りを踊るというギネス世界記録を達成しました。

まとめ

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日本の盆踊りは、長い歴史とともに日本各地で受け継がれ、時代とともに変化しつつ今もなお進化し続けています。ユネスコの無形文化遺産への登録や、ギネス記録達成からも分かるように、盆踊りは世界的にも認知度が高い日本文化であるといえるでしょう。今や日本の夏には欠かせないイベントとなった盆踊りは、毎年日本各地で大きな盛り上がりを見せています。実際に参加してみることで、日本の伝統文化である盆踊りの楽しさをより体感できるでしょう。

ライター

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