履歴書は採用の可否にも関わる重要な書類です。日本の履歴書は海外とは異なり、フォーマットや記入欄がしっかり決まっています。そのため、初めて企業に応募する場合、書き方が分からず戸惑ってしまう人が少なくありません。
このコラムでは、アルバイトに応募する際の履歴書のルールを解説します。内容を参考にして、スムーズにアルバイトの内定を得ましょう。
目次
履歴書とは?
履歴書は雇用主が応募者のプロフィールや人柄を知り、採用の可否を判断するための書類です。住所や連絡先はもちろん、今までの経歴やアルバイトに応募した理由、趣味などを書く欄があります。
アルバイトの採用可否は、履歴書の内容と面接の結果でほぼ決まるといっても過言ではありません。不備があると不採用になってしまう可能性があるので、あらかじめ正しい書き方を知っておきましょう。
履歴書については「外国人留学生の履歴書入門!インターン経験の書き方も」のコラムもぜひご覧ください。
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履歴書を書くときのルール
履歴書を書く際は、基本的なルールやマナーを守る必要があります。アルバイトの履歴書であってもいい加減にせず、以下の点を守って書きましょう。
黒いボールペンを使って書く
履歴書をはじめとした正式な書類は、黒いボールペンを使って書くのがルールです。シャープペンシルや鉛筆で書くのは、何かの拍子に消えてしまう可能性があるため相応しくありません。シャープペンシルや鉛筆で下書きした場合は、上からボールペンでなぞったあとに綺麗に消しゴムで消しましょう。
修正テープは使わない
書き間違えてしまったときに、修正テープや修正液を使ってはいけません。修正がある履歴書を提出すると「書き直す手間を惜しんだ」「仕事がいい加減」と思われる可能性があります。ミスがあったときは、面倒でも一から書き直すのがマナーです。
手書きだと書き損じてしまう可能性が高いのであれば、パソコンで作成する方法もあります。しかし、外国人の場合は日本語の能力をアピールする機会とも捉えられるため、練習して手書きで書いてみると良いでしょう。
コピーをして使いまわさない
複数のアルバイトに応募する場合、何枚も履歴書を書くのは多くの手間と時間がかかります。とはいえ、手書きの履歴書をコピーして使い回すのはおすすめできません。手を抜いていると思われ、誠意が伝わりにくくなるためです。面倒でも、応募先にあわせて履歴書を用意しましょう。
パソコンで履歴書を作成する場合でも、応募先にあわせて内容を書き換えます。
空欄にしない
履歴書はすべての項目に意味があるため、なるべく空欄を作らない工夫が必要です。空欄があると、熱意ややる気がないと判断される可能性があります。特に志望動機は意欲を伝えるための大切な項目なので、必ず記載するようにしましょう。
免許・資格欄などは、書くことがなければ「特になし」と記載します。
「【履歴書の書き方】日本語能力試験(JLPT)合格はどのように書くか解説」のコラムでも、免許や資格がないときの書き方を解説しているので、ぜひご一読ください。
アルバイトの履歴書の書き方
以下では、履歴書の画像を見ながら各項目の書き方を解説します。履歴書にはいくつかの種類があるので「パート・アルバイト用」を選ぶようにしましょう。
1.日付
履歴書を書いた日ではなく、郵便ポストに出す日にち、もしくは面接当日の日にちを記載します。枠外にあることから書き忘れてしまう人も多いので、気を付けましょう。
2.氏名
氏名およびフリガナを書きます。「フリガナ」と印刷されている場合は片仮名で、「ふりがな」と印刷されている場合は平仮名で書くのがルールです。
3.生年月日
生年月日を西暦から記載します。「満~歳」のところには満年齢(現在の年齢)を書きましょう。
4.性別
性別の欄に関しては多様な性のあり方を尊重し、任意記載制になっています。書くことを苦痛に思う場合は、空欄でも問題ありません。
5.現住所
住所は省略せずに、郵便番号やマンション名までしっかり書きましょう。面接結果の通知が郵送の場合、履歴書に記載された住所に送付されるためです。フリガナも忘れずに記入してください。
6.電話番号
自宅に電話機がなければ、携帯電話番号でも問題ありません。日中に連絡が付きやすい番号を書きましょう。
7.メールアドレス
面接結果がメールで来るケースも多いので、忘れずに記載が必要です。送信間違いを防ぐために「oと0」「1とl」などの似た文字の区別をしっかり付けることを意識しましょう。
8.連絡先
現住所を書く欄のほかに、連絡先の住所を書く欄があります。現住所以外への連絡を希望する場合に、記入が必要です。希望しない場合はそのまま空欄で問題ありません。
9.学歴・職歴
「学歴・職歴」と書かれた欄の1行目に「学歴」と記載し、今までに通った学校名と入学・卒業年を書いていきます。学歴はすべてを一から書かずとも、最終学歴の1つ前から書き出せば問題ありません。
現在通っている学校については、「在学中」と記載します。
<学歴の記入例>
- 20××年4月:△△日本語学校 入学
- 20××年3月:△△日本語学校 卒業
- 20××年4月:△△大学△△学部△△学科 入学
- 20××年3月:△△大学△△学部△△学科 在学中
職歴は学歴の最終行から1行あけて次の行の中央に「職歴」と記載し、今までに勤めた会社があれば、以降の行に会社名と入社・退社の年を書きます。もし、これまでに勤めたことがなければ「職歴なし」と書きましょう。
当然ではありますが、学歴や職歴で嘘を付くのは絶対に辞めましょう。学歴が関係ないアルバイトの採用面接であっても、嘘だと分かったときに大きく信用を失います。
10.免許・資格
免許・資格欄には、今まで取得した免許や資格を正式名称で記載します。略称のほうが一般的な資格もあるので、迷ったら必ず正式名称を調べましょう。免許・資格が複数ある場合は取得した年月の順に書き、免許・資格がない場合は欄の1行目に「特になし」と書きます。
書き方の例は以下のとおりです。
<免許・資格の記入例>
- 20××年△月:TOEIC公開テストスコア800点
- 20××年△月:日本語能力試験(JLPT)N1 合格
なお、同じ種類の資格試験を何度か受けている場合は、その中で一番成績が良かったものを記載しましょう。たとえば、日本語能力試験のN3とN1に合格している場合、N1のみ記載します。
11.志望動機・自己PRなど
「志望動機や自己PRなど」の欄は、ほかの欄と比較して自由度が高いのが特徴です。そのアルバイトを志望した理由や自分がアピールしたいことを、応募先に合わせて記入しましょう。
志望動機
志望動機では、そのアルバイト先で働きたい熱意を伝えられる内容を書くのがポイントです。書き方は、以下の例文を参考にしてください。
- 例文1「母国でも飲食店でアルバイトをしていたので、今までの経験を活かせるこちらのお店で働きたいと思いました」
- 例文2「この店舗は外国人観光客のお客様が多いとお聞きしています。中国語と英語を話せるので、活かして働けるのではと思い志望しました」
- 例文3「以前、日本に来たばかりのときに利用させていただき、店員のホスピタリティに感動しました。アルバイトをするなら、ぜひこちらでしたいと思い志望しました」
志望動機は人それぞれなので、自分の状況に応じた説明ができれば大丈夫です。自宅からの距離やお金といった条件を理由にする場合も、「真面目に働いてくれそうだ」と思ってもらえる前向きな姿勢をアピールしましょう。
自己PR
自己PRの欄は、アルバイト先で活かせる内容や経験を書くのがおすすめです。アルバイトをしたことがあれば、そこで得た知識や能力を書くと採用に繋がる可能性が高くなります。アルバイト経験がなくても、空欄は避けるのが賢明です。趣味や習いごと、学生生活で得た知識・経験などを書きましょう。
12.通勤時間
自宅からアルバイト先に行くのにかかる片道の所要時間を書きます。徒歩と電車で通う場合は、電車に乗っている時間だけではなく、家を出てから職場に着くまでの時間を書きましょう。履歴書に記載する通勤時間は、5分単位で書くのが一般的です。27分かかるとしたら「30分」、34分なら「35分」と記載します。
家からではなく、学校から近い場所でアルバイトを探す人もいるでしょう。その場合は、空いたところに「学校から△分」と書いてください。
13.扶養家族(配偶者を除く)
扶養家族とは、自分が生活費や教育費を負担している家族のことを指します。扶養家族の人数を記載するのは、税金や社会保険の手続きに関係するためです。配偶者を除いた子どもや父母、兄弟、3親等以内の親族を書きます。
14.配偶者
配偶者とは妻や夫のことです。内縁関係や事実婚の場合も「有」に丸を付けましょう。
15.配偶者の扶養義務
配偶者を扶養している場合は「有」を、配偶者がいない、もしくは共働きで扶養していない場合は「無」に丸を付けます。
16.本人希望記入欄
本人希望記入欄は、採用される前に伝えておきたい内容を書きます。アルバイトの場合、勤務開始日やシフトの希望を記載するのが一般的です。要望や要求をばかり書いていては、応募先に良い印象を与えられません。どうしても伝えておきたいことを厳選して書くようにしましょう。
17.写真
履歴書に貼る写真の大きさは、縦4cm×横3cmが一般的です。在留資格の申請時に提出する写真と同じサイズですが、直近3ヶ月以内に撮影した写真を貼付しなくてはなりません。在留資格の申請から時間が経っている場合は撮り直しましょう。
服装はジャケットやシャツを着用し、髪は清潔感が出るようまとめましょう。アルバイトの履歴書とはいえ、だらしない服装で撮影してはいけません。
「外国人向けに志望動機の例文を紹介!NG例も知り就職や転職を成功させよう」や「自己PRに悩む外国人留学生必見!履歴書やESの書き方や例文を紹介」のコラムでも、志望動機や自己PRを書く際のポイントを詳しく解説しています。
趣味・特技の書き方
趣味や特技は、自分をアピールする機会です。面接では、趣味や特技の話題をきっかけに話が盛り上がることもよくあります。
仕事に関係する趣味や特技があれば書く
飲食店であれば料理、ホテルであれば語学など、仕事に活かせる趣味や特技があれば積極的に書きましょう。体力が必要な仕事であれば、長年続けているスポーツについて書くのも効果的です。
仕事に活かせそうな趣味や特技がなければ、そのほかの内容でも構いません。ただし、趣味や特技は面接で詳しく質問される可能性があるため、噓をつかず本当に好きなことを書きましょう。
簡単な説明を加える
面接担当者が理解しやすいように、趣味や特技には簡単な説明を加えます。書き方の例は以下のとおりです。
<趣味・特技の記入例>
- 読書(年に50冊ほどミステリー小説を読みます)
- 運動(サッカーを10年続けています)
- 旅行(これまでに15ヶ国を訪れたことがあります)
履歴書を読んだ人の興味を引くような書き方を心がけましょう。
イメージが悪い趣味や特技は避ける
飲酒やギャンブルといった社会的にマイナスイメージがある趣味や特技は、履歴書には書かないようにしましょう。印象が悪くなり、面接結果に悪影響を与えます。適度に楽しむ分には決して悪いことではありませんが、履歴書に書くのは控えるのが賢明です。
まとめ
アルバイトに応募するときでも、履歴書はマナーやルールを守って記入しましょう。海外の履歴書とは異なる部分も多いので、どのように書くかをあらかじめ確認したあと、一度練習してみるのがおすすめです。
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