日本で転職を考えている外国人のなかには、書類選考に苦労している方もいるでしょう。しかし、日本において書類選考は選考フローの序盤で行われるため、クリアできないと次の面接に進めないことも。企業に重視される項目を把握したうえで、応募書類を用意する必要があります。
このコラムでは、書類選考に通過するためのポイントを紹介しています。転職を考える外国人の方はぜひ、参考にしてみてください。
目次
転職の書類選考で重視される項目とは
日本の転職活動において、書類選考はファーストステップといえます。応募書類でスキルや人柄などが企業のニーズにマッチしていることがアピールできれば、書類選考でほぼ内定が決まることもあるでしょう。逆に、応募書類の内容が悪ければ、その後の面接に一向に進めないため、選考書類の内容はとても重要です。
ここでは、多くの企業が書類選考で重視する項目を解説します。
応募資格をクリアしているか
書類選考では応募資格をクリアしているかどうかを確認されます。企業が求めるスキルや経験を全く持っていない応募者は、書類選考で外されるでしょう。ただし、書類からでは人柄や能力を判断しきれないこともあるため、必要最低限の採用基準を満たしてさえいれば、次の選考ステップである面接に進めることも多いようです。
転職の理由が明確か
日本の転職活動では、転職の理由が大変重視されます。「終身雇用」の考えが残る日本において、転職に対してマイナスイメージを持つ人は少なくありません。そのため、企業は転職の理由から、長く続ける意欲があるか、入社してすぐに辞めてしまわないかを見極めようとするのです。
「人間関係が悪かった」「給料が安かった」など、ネガティブな転職理由の場合は、企業側に「すぐに辞めそうな人」と思われてしまう可能性もあります。「今までの経験を活かして新しい環境でスキルを磨きたい」など、嘘にならない範囲でポジティブな表現をするのが好ましいでしょう。
離職中のブランクの理由
離職から転職までにブランクのある人は、期間が空いてしまった理由や、その間に何をしていたのかなどに注目される可能性があります。日本の転職活動では、長いブランクがプラスに評価されることはほとんどありません。そのため、ブランクの必然性や有効に時間を活用していたことを説明する必要があるでしょう。
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選考応募社数はどのくらい?
転職活動では、複数の企業に同時に応募するのがおすすめです。1社ずつ集中して選考に臨みたい人もいるかもしれませんが、応募から内定が出るまでには時間が掛かります。選考に落ちた場合はまたゼロからのスタートに戻ってしまうため、転職活動が長引いてしまう恐れがあるのです。
転職活動での応募社数について、以下で詳しく解説します。
転職活動では複数の企業に応募するのが基本
転職活動において、応募する企業は複数あるのが基本です。先述のとおり、1社ずつ応募していると選考に落ちるたびに振り出しに戻ってしまうため、時間がかかる可能性があります。面接へ進めたとしても、自分が想像していた企業と違っていた場合は、選考を辞退するケースも考えられるでしょう。
転職活動を長期化させないためにも複数の企業に応募しておくのが安心です。
応募は何社までという決まりはない
転職活動において、応募は何社までという決まりはありません。先述のとおり、複数の企業に応募した方が転職活動がスムーズに進みやすく、実際多くの転職者が複数の企業へ同時に応募しています。
ただし、手当たり次第に応募することは良くありません。応募書類を作ったり面接の準備をしたりする時間が制限されるリスクが生じます。在職中の人は特に、時間や日数も限られるでしょう。そのため、面接に進んだ場合も考慮して、スケジュール調整を行う必要があります。
複数同時に応募するメリットについて
複数の選考を同時に進めることで、転職期間を短くできる可能性があります。書類作成は手間のかかる作業ですが、一度に作成すれば時間を短縮することができるでしょう。また、1社ずつ選考を受けている間に応募したかった求人が無くなってしまうことも防げます。同時に応募すればタイミングを逃すことがありません。
そのほか、選考の回数を重ねるなかで、自分の新たな強みに気がついたり、アピールが的確にできるようになったりすることもメリットといえるでしょう。
書類選考に通過するためのポイント
日本の履歴書や職務経歴書の形式は独特で、外国人にとってあまり馴染みのないものでしょう。書類選考に通過するためのポイントを参考にして書いてみてください。
職務経歴書には経験したすべてのことを書こう
職務経歴書とは、これまでの仕事上の経験やスキルなどをまとめた書類のことです。主にこれまでの職務経歴や勤務した会社の概要、活かせる経験、自己PRなどを履歴書よりも詳しく記載します。応募する企業で活かせる経験やスキルを積極的にアピールするため、経験したすべてのことを書きましょう。
職務経歴書のフォーマットはWebからダウンロードして作成すると便利です。形式は時系列やキャリア別など複数ありますが、自分の経歴が一番伝わる形式を選びましょう。
職務経歴書の書き方に悩んでいる方には、「日本の職務経歴書の書き方とは?外国人に向けて解説」のコラムもおすすめです。外国人が職務経歴書を書く際の注意点も解説しているので、参考にしてスムーズに作成しましょう。
企業ごとに応募書類を書き分けるよう心掛けよう
応募書類は企業ごとに重視される内容を書き分けることが大切です。コピーした応募書類を使いまわす転職者もいるようですが、それは望ましくありません。企業や職種などによってアピールする内容は異なります。経営理念や求められる人物像などを踏まえて、その企業専用の自己PRや志望動機などを書きましょう。
応募前に誤字脱字などがないか確認しよう
選考書類に誤字脱字があると、採用担当者にマイナスイメージを与えてしまうことがあります。だらしがなく仕事でもミスをしそうだと判断される可能性もあるので、応募前にきちんと確認しましょう。
誤字脱字があるからといって必ず不採用になるわけではありませんが、きちんと確認することで仕事を丁寧にこなしてくれる良い印象を与えることができます。日本語の書き取りに自信がない外国人は、特に注意して見直すことが大切です。
「日本で転職するときの履歴書の書き方を外国人向けに解説!」では、日本式の履歴書の書き方とルールやマナーを解説しています。封筒の書き方と郵送方法についても紹介しているので、ぜひご一読ください。
まとめ
日本の転職活動では、選考書類がとても重要です。自分のことを企業に最大限アピールするために、選考に通過するポイントや書き方を理解しましよう。応募書類を書く際には、見やすく分かりやすくなるよう心掛けることも忘れずに。しっかり確認したうえで提出します。
このコラムや就職活動(面接・履歴書・試験)の記事一覧を参考にして、日本での転職活動をスムーズに進めましょう。