外国人が面接の練習をするメリットは?効果的な方法を知って就活に活かそう

WeXpats
2024/04/18

日本の就職面接は外国人にとっては難易度が高く、事前練習は欠かせません。日本語の言葉遣いや面接時の態度、回答内容など、さまざまな点に気を付ける必要があります。
この記事では、効果的な面接の練習方法やよく聞かれる質問と回答のコツ、日本の面接の形式について解説。内容を参考に日本の就職面接について理解を深め、練習に役立ててください。

目次

  1. 外国人にとって面接の練習が必要な理由
  2. 外国人が面接の練習をするメリット
  3. 外国人に効果的な面接の練習方法
  4. 外国人が面接練習で気を付けること
  5. 外国人が面接でよく聞かれる質問と回答のコツ
  6. 外国人が面接で受け答えする際の注意点
  7. 日本の面接形式と練習方法
  8. まとめ
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外国人にとって面接の練習が必要な理由

日本語に自信のない外国人にとって母国語以外でのやり取りはハードルが高いため、事前練習はとても大切です。事前練習を行うことで、日本の就職面接の流れが理解でき、当日も落ち着いて対応できるでしょう。また、回答する内容の日本語表現が適切かどうかも練習時に確認できます。

面接では、初対面の人に限られた時間で自分の魅力を伝えなければなりません。「質問の内容はだいたい分かっているから大丈夫だろう」と思っていても、緊張で上手く話せなかったり、話したいことを忘れてしまったりする人もいます。また、面接は一度きりのチャンスなので、上手く受け答えできなくてもやり直しはできません。就職活動を成功させるためにも、正しい日本語でスムーズに回答ができるように、練習をしておく必要があります。

なお、面接では外国人のマナーや服装もチェックされるので、事前に調べておく必要があります。日本の面接のマナーや服装について知りたい方は、「日本の面接を受ける際のマナーとは?服装や到着時間について外国人向けに解説」の記事をご一読ください。

外国人が面接の練習をするメリット

以下では、外国人が面接の練習をするメリットについて紹介します。しっかり練習をして、自信を持って本番に臨みましょう。

正しい日本語で回答できるようになる

面接では、応募者のコミュニケーション能力や語学力もチェックされます。履歴書の文面は正しく書けていても、面接での受け答えがスムーズでなければ応募者の日本語能力に不安を感じる面接官もいるでしょう。そのため、事前に面接練習を行い、日本語をあらかじめチェックしてもらうことが大切です。面接で話す内容の文法や表現が適切かどうかを日本人に確認してもらい、正しい日本語でスムーズに回答できるようにしましょう。

面接官に伝わりやすい内容の回答を準備できる

面接の練習を行うことで、伝わりやすい内容で話せているかを事前に確認できます。面接時間には限りがあるため、伝えたいことはポイントを絞って話すことが大切です。長々と話したり質問と回答が合っていなかったりすると、マイナスイメージを与えてしまう恐れもあります。そのため、事前に面接で回答する内容を整理しておきましょう。練習を行う際は、話す順番や構成、適切な言い回しができているかを日本人にチェックしてもらうのがおすすめです。

緊張せずに落ち着いて本番に臨める

面接の練習を行うことで、本番に落ち着いて臨める可能性は高くなります。緊張して声が小さくなったり、自信がないように見えたりする人も少なくありません。いつもは元気があり明るい性格の人でも、緊張のあまり面接官に全く違う印象を与えてしまうことがあるでしょう。練習を重ねることで、本番にも強くなり落ち着いて回答できるようになります。面接で堂々と自分をアピールするためには、本番を想定した面接練習を行うことが大切です。

面接では自己紹介や逆質問の時間もあるので、しっかり練習しておきましょう。自己紹介と逆質問については、「就職面接の自己紹介で何を話す?外国人留学生と転職者に分けて例文も紹介」と「【留学生向け】就活の逆質問について解説!企業に良い印象を与えるポイントは?」の記事をご覧ください。

外国人に効果的な面接の練習方法

外国人にとって日本語での面接は難しく、どのように話したり練習を行ったりすればいいのか分からない人もいるでしょう。以下では、外国人に効果的な面接の練習方法を紹介します。

質問の意味を正しく理解できているか確認する

外国人が面接を受ける際は、よく聞かれる質問を調べたり回答例を読んだりして、日本語の質問の意味を正確に理解できているかを確認しておきましょう。面接時は、面接官と日本語でやり取りをする必要があります。質問の意味が分かっていなければ、正しい回答はできません。質問に正しく回答することで、日本語でのコミュニケーション能力も評価されるでしょう。

質問に対する回答をイメージしてノートに書く

質問に対する回答を頭の中である程度イメージできていても、言葉ではうまく表せない場合もあるので、想定される質問と回答はあらかじめノートに書き出しておきましょう。ノートに書く際は箇条書きやメモ書きは避け、実際に面接官に回答する話し方で書くのがおすすめです。一つの質問につき、300字程度で回答できるように要点をまとめましょう。ノートに書いておくことで、面接練習にも役立ち、面接前に見直しや確認もできます。

回答する内容を日本人にチェックしてもらう

面接で回答する内容は、必ず日本人にチェックしてもらいましょう。正しい日本語で書けているか、敬語表現は適切かなど、外国人には分かりにくい場合もあります。日本人に見てもらうことで、面接に相応しい表現が使われているかを確認できます。

声に出して練習する

面接の練習をする際は、実際に回答するときと同じように声に出すことが大切です。声の大きさや話すスピードなどを意識して練習しましょう。また、面接の回答時間は一つの質問につき1〜2分程度です。実際に声に出して話すと、想像していたよりも時間がかかる場合があります。練習する際は、時間も測り、長く話しすぎないように注意しましょう。

模擬面接で実践練習をする

日本の面接では態度も重視されるため、入退室の方法や立ち振る舞いなどを練習しておくことが大切です。特にお辞儀をする習慣のない国から来た人は、頭の下げ方を練習しておくと良いでしょう。模擬面接の練習は、実際の面接とできる限り近い形で行うのが効果的です。本番と同様の練習を行うことで、面接の流れを理解でき、緊張感も味わえます。面接官に良い印象を残せるよう、模擬面接で本番を見据えた練習をしておきましょう。

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外国人が面接練習で気を付けること

効果的に面接練習を行うためには、気を付けるポイントがあります。練習の成果を本番で発揮するためにも、正しい方法で練習を行うようにしましょう。

回答内容を丸暗記して淡々と話さないようにする

面接練習を行う際は、丸暗記した内容を思い出しながら話したり、ノートに書いた回答例をそのまま読み上げたりするのはやめましょう。淡々と話すと、回答が棒読みになったり感情が伝わらなかったりすることが多く、面接官にマイナスイメージを与えてしまう恐れがあります。練習を行う際は、目の前に面接官がいることを想定して、丁寧かつ自然な口調で話すよう心がけてください。

緊張感のない人と練習しないようにする

面接の練習を行う際は、親しい友人同士や家族など緊張感を感じられない人との練習は避けましょう。緊張感が感じられない人を相手に練習を行うと、真剣に取り組めなかったり、回答内容を厳しくチェックをしてもらえなかったりします。面接の練習相手は緊張感を保てる人を選び、態度や言葉遣いを厳しくチェックしてもらいましょう。

面接に相応しい言葉遣いについて知りたい方は、「面接で使う敬語表現を一覧で紹介!正しい言葉遣いを知って就活に役立てよう」の記事をご一読ください。

外国人が面接でよく聞かれる質問と回答のコツ

外国人が日本で面接を受けると、「来日理由や日本の印象」「日本で就職したい理由」「日本で苦労した経験」などについてよく聞かれます。ここでは、質問例を紹介するので面接対策に役立ててください。

来日理由や日本の印象などについて

面接官は外国人の来日の目的や日本に持っている印象を知るために、以下のような質問をします。質問例を読んで、回答できるか確認しましょう。

【質問例】

  • 日本に来た目的を教えてください
  • 日本のどのようなところが好きですか?
  • 日本に来てびっくりしたことや母国と異なっている点について教えてください
  • 日本の印象について、来日前と来日後で変わった点はありますか?

来日した目的について、「日本語が話せるようになりたくて留学した」「日本の文化が好き」といった回答を考える人も多いでしょう。しかし、ほかの人と同じ回答では印象に残りません。自分の言葉で具体的に理由を言えると、プラスの評価に繋がるでしょう。

キャリアプランや日本で就職したい理由

日本で就職したい理由や何年ぐらい働く予定かもよく聞かれる質問です。これらの質問をすることで、応募者が長期的に日本で働けるかを判断しています。

【質問例】

  • なぜ日本の企業に就職したいのですか?
  • 日本で何年くらい働く予定ですか?
  • 日本ではどのような技術を身に付けたいですか?
  • 応募する企業を選ぶ際の基準を教えてください
  • 今後のキャリアプランを聞かせていただけますか?
  • 理想とする将来像をお話ください

これらの質問に、漠然と「日本が好きだから」「できるだけ長く働きたい」と答えるのは、適切ではありません。なぜなら、日本で就職したいことを強くアピールできないからです。面接官の印象に残るためには、日本でどのようなキャリアを積みたいかを具体的に答えましょう。

日本で苦労した経験

面接官は、日本で苦労した経験や課題と、その状況をどう乗り越えたかについてもよく質問します。なぜなら、外国人は言語やコミュニケーション方法の違いで、入社後も同様の悩みを抱える可能性があるためです。悩みや課題に直面した際にどのように解決するのか、また問題解決能力があるのかを見極めるために、以下のような質問を行います。

【質問例】

  • 日本に来て一番困ったことは何ですか?また、どのように解決しましたか?
  • 日本の文化で馴染めないものはありますか?その文化に慣れるため、どのような工夫をしましたか?

答える際は、苦労した体験や困難な状況をどのように乗り越えたのかを具体的に伝えるようにしましょう。

時事問題

面接では、最新情報を収集する能力や常識的な知識があるかどうかを確認するために、以下のような時事問題を出す場合があります。

【質問例】

  • 日本の外国人労働者の受け入れ状況についてどう思いますか?
  • 日本政府の方針をどう思いますか?
  • △△のニュースについてどのように考えますか?

外国人ならではの視点を期待されるような質問もあります。日頃からニュースや新聞で情報を集めて、自分の考えをまとめておきましょう。

転職の面接で外国人が聞かれる質問と回答例 「日本に来た理由」はどう答える?」の記事でも、外国人が面接でよく聞かれる質問を紹介しています。

外国人が面接で受け答えする際の注意点

面接を受ける際の注意点として、「曖昧な回答をしない」「砕けた言葉を避ける」「自分の話ばかりしない」などが挙げられます。また、ポジティブな回答を心掛けることも重要です。外国人が面接を受ける際に、特に抱えやすい問題も紹介しているので、チェックしてください。

曖昧な回答をしない

面接では、曖昧な回答を避けてはっきりと自分の意見を伝えるのが重要です。面接で聞かれる内容によっては、質問の意味が分からずに答えに迷うこともあるでしょう。また、面接官の日本語が聞き取りにくいことも考えられます。
もし、質問の意味を理解できなかったり聞き取れなかったりした場合は、聞き返しても問題ありません。その場合は、「△△という意味で間違いないでしょうか」や「もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか」と言います。早く質問に答えようとして、曖昧な答え方や的外れな回答をしないように気を付けましょう。

砕けた言葉は避ける

面接では、敬語を心掛けるとともに砕けた言葉を使わないようにしましょう。砕けた言葉とは、「分からない」「超」「どっか」などのカジュアルな表現です。これらの言葉は、面接では「分かりません」「分かりかねます」「とても」「どこか」に言い換える必要があります。日本在住の外国人のなかには、日本語での日常会話には困らない人も多いでしょう。しかし、ビジネスシーンで通用する敬語は、簡単に身に付くものではありません。日ごろから砕けた言葉と敬語の違いを意識してみましょう。

自分の話ばかりしない

相手の話を聞かずに、自分をアピールし続けるのは避けましょう。特にグループディスカッションでよくあるのが、自分の意見だけを通そうとする行為です。自分の話ばかりすると、協調性がなく業務を円滑に進められないと判断される可能性が高くなります。日本の面接では協調性もチェックされているということを、覚えておきましょう。

ポジティブな回答を心掛ける

面接官の質問に答える際には、ネガティブな内容は避けてポジティブな回答を心掛けましょう。たとえば、前職を辞めた理由について聞かれた場合に、以前の勤務先への不満を言うのは良くありません。自分にどのような課題があると考えて転職しようと思ったのかを、前向きに答えるようにしましょう。
また、他社の選考状況を聞かれた際は、自分から落ちた企業についての話は避けましょう。他社の選考に落ちたと伝えると、面接官に「能力が低いのでは」「他社の選考でミスをしたのか」などの懸念を抱かせる可能性があります。選考中の企業がある場合は、「△社も受けています」といったように答えましょう。

面接では、短所についてもよく聞かれます。上手な短所の答え方について知りたい方は、「転職の面接における長所と短所の伝え方は?例文や注意点を紹介」の記事をご覧ください。

日本の面接形式と練習方法

日本の面接には、「個人面接」「集団面接」「プレゼンテーション面接」「グループディスカッション」の4つの形式があります。ここでは、それぞれの面接形式の特徴と練習方法を紹介するので、就職試験を受ける際の参考にしてください。

個人面接

個人面接は、応募者1人に対して面接官1人もしくは複数人で行う面接形式です。面接官の視線が集中するため緊張する応募者も少なくありません。一方で、個人面接はほかの応募者と回答が被ったり周りの意見に左右されたりすることがないため、存分に自分をアピールできます。集団面接より回答時間が長い傾向にあるため、自分の長所や自己PRをしっかりと伝えましょう。

個人面接では、態度や立ち振る舞いも面接官に見られます。練習を行う際は入室から退室まで本番同様に行うことが大切です。複数の面接官を相手に回答することを想定し、練習を行いましょう。面接官役がいない場合でも、座っていることを想定して目線を配ったり、話したりする練習をするのがおすすめです。

集団面接

集団面接は、応募者複数人と面接官1人もしくは複数人で行われる面接形式です。面接官が全員に同じ質問をして、応募者が順番に答えていきます。集団面接では、ほかの応募者の回答を聞く様子も評価の対象になるため、相手の話に耳を傾けることも忘れてはいけません。自分が答えることばかり考えて、ほかの応募者の話を聞く姿勢がないと、面接官にマイナスの印象を与えてしまうので気を付けましょう。また、集団面接は個人面接と比べて質問に答える時間が限られます。そのため、自分が伝えたい内容を簡潔にまとめるのがポイントです。

練習を行う際は、面接官役は先生や就活エージェントに依頼し、応募者役は自分と同じ就職活動中の人や就職活動経験者にお願いすると良いでしょう。ほかの応募者と集団面接の練習をすることで、自分の回答と差別化したほうが良い部分や参考にしたい話し方や立ち振る舞いなどに気付けるため、おすすめです。

プレゼンテーション面接

プレゼンテーション面接は、応募者1人が複数の面接官の前で、与えられた課題をもとに発表する面接形式です。課題の内容は事前に伝えられる場合と当日に伝えられる場合があります。与えられる課題は、「入社後に取り組みたいこと」や「自己PR」などさまざまです。事前によく出る課題の傾向を調べておくと良いでしょう。
プレゼンテーション面接でチェックされるのは、表現力や論理的な思考力です。仕事に必要な能力があるか、文面や口頭でのコミュニケーション能力があるかなど、多角的に評価されるでしょう。また、プレゼンテーションでは与えられた課題に対して、説得力のある答えを分かりやすく伝える能力も見られています。そのため、自信を持った表情や聞き取りやすい速さで話す練習も必要です。

事前に与えられた課題がある場合は、テーマに沿ったプレゼンテーションができているか日本人にチェックしてもらいましょう。また、課題が事前に分からない場合も、質問を想定して練習しておくのがおすすめです。

グループディスカッション

グループディスカッションは集団討論(しゅうだんとうろん)ともいい、与えられた話題に対して応募者複数人で議論を行います。テーマに対して議論を重ね、最後に結論を出すのが目的です。面接官は、応募者の協調性や積極性、集団のなかでの立ち回りなどをチェックします。発言が少なかったり周りの意見を聞かなかったりするのは、好ましくありません。グループディスカッションでは、積極的に発言をしつつ全体の意見を上手にまとめられると、面接官に好印象を与えられるでしょう。

グループディスカッションの練習は、5人から8人程度で行いましょう。一般的なグループディスカッションでは始めにテーマが発表され、10分程度考える時間が与えられます。ディスカッションをする時間は、30分から60分程度です。練習を重ねることで、自分の発言するタイミングや時間の感覚が分かってきます。ほかの応募者の意見も尊重しながら、議論をまとめられるよう練習に取り組みましょう。

グループディスカッションとは?日本独自の選考方法を留学生向けに解説」の記事では、グループディスカッションについて詳しく解説しています。

まとめ

日本で就職面接を受ける際は、事前に入室から退室までの流れや質問内容を理解しておきましょう。面接では、「人柄や個性」「コミュニケーション能力」「志望動機」などに関して質問がされます。また、外国人の場合は来日した目的や日本企業に就職したい理由などもよく聞かれるでしょう。質問にはっきりと敬語で回答できるよう、繰り返し練習を行うことが大切です。落ち着いて面接に臨めるよう、練習では本番を想定し緊張感を持って取り組みましょう。

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