外国人留学生がインターンを申し込む場合、履歴書にどのような志望動機を書けば企業へのアピールに繋がるでしょうか。
当コラムではインターンの種類を確認しつつ、外国人留学生を対象に応募の仕方やコツを紹介します。また、面接への対策も一緒に考えていきましょう。
就活への不安要素が少しでも解消され、自分の持ち味を発揮できれば幸いです。
目次
インターンとは?
インターンとは、企業において、実習や研修的な就業体験をする制度のことを指します。シンプルに言うと、「気になる会社で試しに働いてみる制度」ということです。
正式には「インターンシップ」と言いますが、「インターン」と略することも多々あります。海外のインターンシップと日本のインターンシップには異なる点も多いため、「就活をする外国人留学生必見!日本のインターンシップは海外とは違う」もチェックしておくと良いでしょう。
インターンの種類
インターンは、大きく以下の3種類に分けられます。大学の単位と同等に扱うものとそうでないものがあるので、インターンへ申し込む際は取り扱いの規定をしっかりと確認することが大切です。
1.正課の授業科目として実施
キャリア教育系の授業で行われることが多く、単位として認定可能です。
ほとんどの場合、インターン先の企業は大学側が探してきます。どこの企業へインターンシップに行くのかは、 担当教授と履修者との話し合いや人数調整によるでしょう。
2.正課外の取組として実施
大学の就職課やキャリアセンター等に掲示されているインターンシップのことです。単位としては認定されないケースが多いでしょう。
興味をそそられる企業があった場合、申込みをする前に応募方法や実施内容をしっかりと確認してください。就職課やキャリアセンターを通すのか、直接企業へ申し込むのかを確かめ、不備がないようにしましょう。
3.大学と無関係に企業が独自に実施
企業が公募を掛け、独自に行うインターンシップのことです。大学を通さず個人的に申し込むため、単位としては認定されません。
大学の前期・後期試験や資格試験、単位に換算される実習などの時期と重ならないか、ということを確認したうえで応募しましょう。インターンに行ったことで大学の単位を落としてしまうと、進級や卒業が危うくなります。不安な場合は、大学の就職課や学生課、担当教授などに相談すると良いでしょう。
インターンの時期
6~9月に実施されるものは「サマーインターンシップ」、10~2月は「ウインターインターンシップ」といいます。インターン公募の時期や期間は、企業によって異なるので、自分でこまめに情報収集をすることが大切です。
「日本の就活の流れや必要な準備とは何か?外国人留学生に向けて解説」のコラムでは、日本の就活スケジュールを解説しています。インターンの参加時期と合わせて、就活スケジュールも押さえておくと良いでしょう。
インターンの内容
インターンの内容は、企業や期間によって違いますが、形式としては大きく以下のように分類されます。
なお、インターンの期間は1日から1年までと、さまざまです。
・見学型
職場見学や仕事についての説明が中心。少しだけ体験を行う企業もあります。
期間は、1日~1週間程度です。
・講義型
業界や企業、業務についての説明が講義形式で行われます。
期間は、1日~数日です。
・課題解決型
参加している学生同士で、グループワークを行います。期間は、1~2週間ほど。与えられた課題に対して、企画立案やプレゼンをし、解決へアプローチするといったケースが多いようです。
・体験型
社員とほぼ同じような業務を任せられます。企業や業種によっては、ある程度の成果を求められることもあるようです。
期間は、1ヶ月~1年と長期にわたります。
インターンに参加するメリット
外国人留学生が日本でインターンに参加するメリットの一つに、「日本の企業文化を知ることができる」ということが挙げられます。なかには外国人留学生にとって、理解し難い慣習があるでしょう。その反面、日本企業独自の良さも知る機会があります。
日本での就職を希望している留学生にとって、このようなことを知っておくことは、実際に就職してからのミスマッチ感を軽減するのに役立つでしょう。
また、インターンへ参加したという事実は、志望動機の裏付けにもなります。インターンを通して感じたことを志望動機に織り込むことで、志望への理由や意欲がより強固になるでしょう。
参加企業の選考を受ける場合には、人事の印象が良くなる可能性もあります。
ピックアップ記事
インターンに応募するには履歴書が必要
日本では、アルバイトやインターン、就職などを希望する際に、履歴書というものを企業側へ提出する風習があります。
外国人留学生のなかには、履歴書とは一体どんなものなのか...と不安に思う方もいるでしょう。企業へ自分の経歴やセールスポイントをアピールするもので、海外における「レジュメ」に近いと考えてもらえれば大丈夫です。日本における履歴書のポイントを「外国人留学生に向けて履歴書の書き方を解説!注意点やマナーを紹介」のコラムで解説しているので、こちらも確認しておきましょう。
そうは言うものの、やはり外国人留学生にとって、履歴書で自分を売り込むということは簡単ではないでしょう。下記に、企業に好印象を持ってもらえる志望動機の書き方を具体的に紹介するので、ぜひ参考にされてください。
志望動機欄について
履歴書を書く前に、まずは志望企業についてリサーチしましょう。そのなかで、志望企業に対して感銘を受けたことや貢献したい気持ち、魅力を感じたことなどを志望動機として書きましょう。
その際、「貴社の将来性に強く惹かれた」というような抽象的な表現は避けたほうがベターです。企業独自の事業をピックアップして、具体的に書くのが好印象を持ってもらえるポイントです。
また、外国人留学生として、グローバルな視点や立場から貢献できることも盛り込むと、オリジナル性が出るでしょう。「外国人留学生向けインターンシップ用の志望動機の作り方」や「インターンのES、留学生が知りたい志望動機の書き方」のコラムでは、志望動機作成のポイントを紹介しているので、参考にしてください。
面接対策の準備をしよう
日本では、インターン選考の過程で面接を行う企業があります。面接にも多くの形式があるため、事前に対策を立てておくことが大切です。
代表的な面接の形式について把握するとともに、評価されるポイントについても見ていきましょう。
日本の面接の形式
日本で行われている面接は、大きく4つの形式に分類されます。
可能ならば、自分がインターンを志望してる企業は、どの形式で面接を行っているのかをリサーチしておきましょう。質疑応答の練習やイメージトレーニングなどの対策が練りやすくなります。
・個人面接
学生1人に対し、面接官が1人もしくは複数人。面接担当者の視線が自分だけに集中する、という緊張感があるでしょう。
しかし、他の就活生の応答を気にすることなく、自分の意見や考えをしっかりと言いやすいというメリットもあります。
・集団面接
学生複数名に対し、面接官も複数人。複数の学生が、同じ空間のなかで一度に面接を受けます。
一人あたりの時間が限られているなかで、いかに自分をアピールできるかが合否を左右します。周囲と同じ答えや逆質問をしないよう、他の就活生の意見もしっかりと聞いておくことが大切です。
・グループディスカッション
学生4~8人が議題について意見を交換し合う様子を、面接官が見学。
意見の内容はもちろん大切ですが、グループの中で自分がどの立ち位置にいるのか、他の学生の意見に耳を傾けられているか、といった態度や姿勢も評価されます。
・プレゼンテーション型面接
面接官から与えられたテーマに対し、プレゼンテーションを行います。テーマは、自分自身のセールスポイントや事業に対する考えなどさまざま。いくつかテーマを想定し、シミュレーションをしておくと良いでしょう。
「日本の面接で外国人留学生がチェックされるポイントとは?質問例も紹介」のコラムでも紹介している通り、どのような形式の面接でも、マナーや人柄、コミュニケーション能力などはチェックされています。ポイントを把握し、対策をしておきましょう。面接対策には、「外国人が就活でよく聞かれる質問と回答例を紹介!面接時のマナーも解説!」のコラムもおすすめです。
インターンは参加する人もいいれば、参加しないまま就活に臨む人もいます。参加すると、大学を休むことになったりアルバイトをする時間がなくなったりするデメリットがあることも事実です。
しかし、参加することで自分の視野が広くなったり、企業対策が練りやすくなったりもします。外国人留学生の場合は特に、日本企業の雰囲気を掴むためにも積極的に参加する方が良いでしょう。