「日本の就職活動期間が分からない…」「就職するためにはどのような手続きが必要なの？」と不安を抱える外国人留学生もいるでしょう。日本の就職活動期間は、一般的に大学3年生の6月頃から大学4年生の9月頃までです。このコラムでは、就職活動の流れや日本で就職するために必要な手続きを解説します。就職活動を成功させるポイントもまとめているので、参考にして希望の企業への就職を叶えましょう。
目次
日本での仕事探しで悩んでいませんか？
外国人留学生必見！日本の就職活動期間とは
日本の一般的な就職活動期間は、大学3年生の6月頃から大学4年生の9月頃までです。ここでは、日本の就職活動の流れを紹介します。
就職活動が始まる前の期間
大学3年生の6月頃から2月頃までは、就職活動が本格的に始まる前の準備期間です。この期間で自己分析や業界研究を行います。自己分析や業界研究は、自分の強みや長所を探したり興味のある仕事を明確にしたりする重要な作業です。そのため、応募する企業や目指す業界、職種が具体的に決まるまでじっくり行う必要があります。また、本格的に就職活動が始まる前にインターンシップに参加するのも良いでしょう。なぜなら、インターンシップへ参加することで、企業の特徴を知れたり自分に向いている仕事に気付けたりする可能性が高いからです。外国人留学生は、就職活動の準備期間を有意義に過ごすよう意識しましょう。
本格的に就職活動が始まる期間
大学3年生の3月から企業エントリーが始まります。企業エントリーから採用試験までの期間は順調にいけば約3ヶ月程度です。この期間に、希望する企業へのエントリーとエントリーシートの提出を行います。エントリーシートの提出期間は、企業によって異なるので注意が必要です。また、企業説明会も行われるため一つの企業に絞らず、複数の企業を比較検討してエントリーするのも良いでしょう。
企業の選考期間
大学4年生の6月頃から筆記試験や面接が行われます。日本の面接の種類は、「個人面接」「集団面接」「グループディスカッション」「プレゼンテーション面接」などです。自分が受ける面接の形式を確認して対策を行いましょう。この時期に採用試験を受けて合格した学生は、9月中に内々定の通知が届きます。内々定の通知が届いたら、10月の内定式に参加して4月に入社するという流れです。
日本ならではの就職活動期間の特徴は、「外国人留学生が日本で就職活動を行う時期とは？海外との違いも解説」のコラムでも取り上げています。ぜひ、ご一読ください。
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日本で就職するには在留資格の変更が必要
外国人留学生が日本で就職するには、「留学」の在留資格から就労可能な在留資格に変更する必要があります。就労可能な在留資格とは、「技術・人文知識・国際業務」「教育」などです。ここでは、在留資格の変更申請に必要な書類や審査基準を紹介します。
変更申請時の提出書類
在留資格の変更申請時に必要な書類は、以下のとおりです。
・在留資格変更許可申請書
・写真（縦4cm、横3cm）
・在留カード
・パスポートもしくは在留資格証明書（提示できない場合は、その理由を記載した理由書）
・身分を証する文書等の提示（外国人留学生本人以外が申請する場合）
・日本での活動内容に応じた資料
日本での活動に応じた資料は、在留資格によって種類が異なります。取得予定の在留資格への変更に必要な書類を確認して申請を行いましょう。なお、就職予定の企業が用意する書類も多いので、しっかり採用担当者と連携を取り、漏れなく書類を用意するのが大切です。
出入国在留管理局の審査基準
外国人留学生が在留資格を変更するには、以下の審査基準を満たす必要があります。
・教育機関で学んだ内容と就職予定先の業務内容に関連性がある
・日本人と同等以上の報酬を受け取れる
・就職予定先の企業に安定性や将来性がある
・外国人留学生の能力やスキルを業務で活かせる
在留資格の変更申請を行ってから許可が降りるまでには、2週間から1ヶ月程度掛かります。そのため、外国人留学生は余裕を持って申請を行うのが大切です。
参照元 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
外国人留学生が就職活動の期間を延ばすには
在学中に就職先が決まらず、卒業後も就職活動を続ける外国人留学生は「留学」の在留資格から「特定活動」の在留資格に変更します。「特定活動」には複数の種類があり、卒業前から行っている就職活動を卒業後も続ける場合は、「特定活動9号」の在留資格への変更が必要です。なお、「特定活動9号」の在留資格で就職活動を続けられる期間は、6ヶ月間と定められています。6ヶ月以上の在留期間を希望する場合は、一度だけ更新してさらに6ヶ月間延長することが可能です。
参照元 出入国在留管理庁「特定活動9」
日本での就職活動中の在留資格についてより詳しく知りたい方は「日本で就職する外国人留学生必見！在留資格の変更申請について解説」も合わせてご覧ください。
外国人留学生が就職活動を成功させるコツ
外国人留学生が希望の企業に就職するためには、日本語能力を身に付けたり就職活動の情報を集めたりするのが重要です。ここでは、就職活動を成功させる方法を解説します。
自己分析や業界研究を行う
就職活動を行ううえで、自己分析や業界研究は欠かせません。応募する企業を決めたり自分に向いている仕事を探したりするために、業界の種類や自分の強み、長所を把握することが大切です。外国人留学生は、日本企業に就職したい理由や留学したきっかけを考えると、本当にやりたい仕事を見つけやすくなるでしょう。入社後に「思っていた仕事と違った…」と後悔しないためにも、念入りに自己分析や業界研究を行うのがポイントです。
積極的にインターンシップに参加する
興味のある企業のインターンシップに参加するのも、就職活動を成功させるコツです。「社会で働くとはどのようなことなのか」「自分に合った仕事は何か」を知るきっかけになるでしょう。また、志望動機や自己PRでインターンシップの経験を通して学んだことをアピールできます。さらに、インターンシップへの参加経験があると、採用担当者に意欲がある人材だと評価されるでしょう。インターンシップは主に長期休暇中に行われるため、大学3年生の夏休みや冬休みに参加しておくのがおすすめです。
就職活動の情報を集める
周りの知人や先輩から、就職活動の経験談やアドバイスを聞くのも就職活動を成功させるのにおすすめです。特に外国人留学生は、日本の就職活動の流れや面接対策など分からないことが多いでしょう。一人で解決しようとせずに、周りの意見や経験を聞いて行動するのも大切です。また、企業研究を行うのも就職活動を成功させるコツといえます。企業研究を行う際は、企業のWebサイトや説明会で「理念や方針」「事業内容」「採用情報」「企業の制度」などを調べましょう。
日本語能力を身に付ける
外国人留学生は、高い日本語能力を身に付けると採用されやすくなるでしょう。母国語に加えて日本語能力も高いと、企業が海外進出する際の戦力になります。日本語能力は「日本語能力検定」や「BJTビジネス日本語能力テスト」で評価する企業が多いようです。なお、日本では就職活動やビジネスシーンで必ず敬語を使います。そのため、基本的な敬語や言い回しを学んでおくのがおすすめです。
面接練習をする
外国人留学生は、自信を持って就職活動を進めるために面接対策を行いましょう。日本の面接では人間性や個性を重視されます。そのため、人間性や個性を引き出す質問として「日本に留学した目的」や「入社後の目標」などの質問をされるケースが多いようです。質問されたときにすぐに答えられるように、面接練習を行う必要があります。また、志望動機や自己PRも面接で重視されるため、伝えたい内容をまとめて自分の強みや入社意欲をアピールしましょう。
外国人留学生の就職活動のコツはこちらの「日本で働きたい外国人留学生の方へ！就職のコツをご紹介」でも解説しています。ぜひ、お役立てください。
まとめ
日本の就職活動は準備期間も合わせると、大学3年生の6月頃から大学4年生の9月頃までの間で行います。外国人留学生が就職活動を成功させるには、面接対策を行ったり日本にある業界や職種を把握したりするのが大切です。なお、就職活動を終えたあとは「留学」の在留資格から就労可能な在留資格へ変更する必要があります。
