転職の面接において長所と短所はよく聞かれる質問です。面接官は、応募者の長所と短所から「自己分析ができているか」「自社と合っている人柄か」「入社後活躍できるか」などを判断します。このコラムでは、長所と短所を見つける方法や伝え方の注意点などを解説。また、長所と短所それぞれに例文も紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
- 転職の面接で聞かれる長所と短所とは?
- 企業が転職の面接で長所と短所を聞く目的
- 転職の面接に向けて自分の長所と短所を見つける方法
- 転職の面接で長所と短所を伝えるときの注意点
- 転職の面接で長所を伝えるときの例文
- まとめ
転職の面接で聞かれる長所と短所とは?
転職の面接において、長所と短所はよく聞かれる質問です。長所は人の優れた面で、短所は未熟な面を指します。
長所・短所と似た意味で、「強み」や「弱み」という言葉を使って質問される場合もあるでしょう。長所が人柄や性格の良い面を表すのに対し、「強み」とは仕事や経験から身につけたスキルを指します。また、短所は自覚している性格や性質の欠点を表すのに対し、「弱み」は業務上の課題や問題点など強みの反対を意味するので、あわせて覚えておきましょう。
面接でされる質問の例は、「日本の面接で聞かれる質問とは?採用につながる回答を考えよう」の記事も参考にしてください。
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企業が転職の面接で長所と短所を聞く目的
面接官は、長所と短所の回答から「自社の社風と合っているか」「自分を理解しているか」などを確認します。ここでは、面接官が長所と短所を聞く目的について解説するので、参考にしてください。
応募者の人柄が自社の社風と合っているか知りたい
長所や短所の回答には応募者の性格が表れます。面接官が応募者の性格を知りたい理由は、自社の社風に合う人物かを確認するためです。自社の社風と応募者の性格が合わない場合、入社後に同僚や上司とコミュニケーションが上手く取れなかったり、社内の雰囲気に居心地の悪さを感じたりする可能性も。応募者に長く働いてもらうためにも、企業が求める雰囲気にマッチした人物を採用したいという狙いがあります。
自分のことを客観的に理解しているか知りたい
面接官は応募者の長所と短所を確認することで、自己分析ができているか、客観的に自分を見つめられる人物かをチェックしています。逆に、長所と短所をはっきり自覚できていなければ、自己分析ができていないという印象を持たれる可能性もあるでしょう。また、入社後に長所を伸ばせるか、短所を理解し課題と向き合ったり克服する力があるかなども見られています。
入社後に活躍できる人物かどうか知りたい
面接官は応募者の長所や短所から、活躍できる部署や業務をイメージします。応募者の長所が業務上活かせると判断されれば、入社後に活躍できる人物として期待されるでしょう。短所を聞くのは、面接官が応募者の短所を早めに理解し、配属先や業務内容の向き・不向きを確認したいという狙いがあるからです。
面接では仕事に関わる長所や短所を挙げるのが好ましいとされています。そのため、「友人が多い・少ない」などプライベートな長所や短所は避けましょう。
転職面接でほかに聞かれる質問については「転職の面接で外国人が聞かれる質問と回答例 「日本に来た理由」はどう答える?」の記事を参考にご覧ください。
転職の面接に向けて自分の長所と短所を見つける方法
自分の長所や短所を見つけるには、自分自身としっかり向き合うことが大切です。自分の過去を振り返ってみたり、家族や友達に聞いてみたりしましょう。
過去を振り返ってみる
過去の仕事での実績や苦労した経験を振り返り、ノートに書き出します。さらに、どのように実績を残したのか、どのような苦労をしたのか詳しく掘り下げましょう。それにより、自分の長所や短所が見えてきます。
家族や友達に聞いてみる
自分の見解だけでなく、家族や友達に聞いてみましょう。他人に聞くと、自分の意外な一面も見えてきます。また、客観的な意見はエピソードの材料になるでしょう。アルバイト先の同僚や上司、日本語学校の先生など、違う立場の人に聞いてみるのもおすすめです。
短所を長所に言い換えたらどうなるか調べる
長所と短所は、言い換えなどの表現や伝え方次第でどちらにも捉えられます。自分の長所を見つけにくい、短所が分からないという人は、言い換えの例から自分に当てはまるものを選び、自己分析をしてみましょう。
長所 |
短所 |
行動力があり、素早く対応できる |
せっかち |
周りに流されない |
マイペース |
情報収集を行い時間をかけて決断する |
優柔不断 |
効率を求め、無駄のない行動を好む |
面倒を嫌う |
何事にも常に真剣に取り組む |
緊張しやすい |
向上心が強く、結果のために努力を惜しまない |
負けず嫌い |
責任感がある・慎重な性格 |
心配性 |
自分の意志や意見を持っている |
頑固・協調性がない |
探求心が強く集中力がある |
視野が狭い |
面接官に悪い印象を残さないためにも、短所は長所に言い換えられるものや克服可能なものを選びましょう。
転職の面接で長所と短所を伝えるときの注意点
長所と短所は伝え方が重要です。話の要点が分かるように、最初に結論を述べます。長所はどのように活用するか、短所は改善に向けて心がけている点などを述べましょう。
伝える内容は一つに絞る
長所と短所を伝える際は、それぞれ1つに絞って伝えるのがおすすめです。長所や短所を複数伝えると、どんな人物かが分かりにくくなるため、自己分析ができていないと判断される可能性もあります。要点を絞ることで、応募者の人物像がより分かりやすく伝わるでしょう。
最初に結論を述べる
「私の長所(短所)は××です」と最初に結論を述べましょう。それにより、話の要点が明確になり、伝わりやすくなります。結論のあとに根拠や理由、エピソードを伝えるようにしましょう。
客観的かつ具体的なエピソードを添える
結論に対して、どのようなときに自分の長所や短所を感じるのかを具体的に述べます。また、成果や実績は「顧客満足度100%を達成しました」というように数字を添えて表現しましょう。
長所はどのように活用するか述べる
自分の長所を応募する企業でどのように活かすか述べます。また、長所は堂々と自信をもって伝え、応募する企業が求める人材を意識して話すのがポイントです。たとえば、営業や接客の仕事を希望している場合は、「長所であるコミュニケーション能力を接客にも活かして働きたいです」と伝えると具体的にイメージできます。
短所は改善に向けて心がけていることを述べる
短所を伝える際は、改善に向けて心がけている点もあわせて述べましょう。たとえば、「緊張しやすい」という短所の場合「短所は緊張しやすいところですが、積極的に人と交流できる場に参加するよう心がけています」と述べます。短所を改善しようという前向きな姿勢をアピールできるので、好印象に繋がるでしょう。
業務に支障をきたす恐れのある短所は伝えない
自分の短所を客観的に自覚していても、すべてを伝える必要はありません。特に、業務上支障をきたす恐れのある短所はマイナスイメージに繋がります。「朝起きるのが苦手」「時間を守れない」「約束を忘れる」など、面接官が不安を抱く可能性のある短所は伝えないようにしましょう。
短所であっても改善する意志が伝わり、克服できる可能性を感じさせるものであれば印象も変わります。伝える内容や伝え方に注意しましょう。
短所や長所を上手く答えられても、面接時のマナーが守れていないと与える印象が悪くなります。詳しくは「日本の面接を受ける際のマナーとは?服装や到着時間について外国人向けに解説」の記事を参考にしてください。
転職の面接で長所を伝えるときの例文
ここでは、長所を伝える際の例文を紹介するので、参考にしてください。企業分析を行い、応募先の会社が求める人物像にあった長所や業務に活かせる長所を伝えられると良いでしょう。
コミュニケーション能力が高い
私の長所は、コミュニケーション能力が高いところです。特に、相手に分かりやすく物事を伝えられる自信があります。前職では、商品の説明の際にお客様が理解しにくい専門用語は避け、誰でも分かるような表現を使うように工夫していました。このように、御社でもコミュニケーション能力を活かして商品の売上に貢献したいと考えております。
責任感がある
私の長所は、責任感があるところです。任された仕事は手を抜かず、責任を持って取り組みます。前職では、大きなプロジェクトを任された経験がありました。社員をまとめるにあたって苦労もありましたが、責任者として業務を最後まで全力でやり遂げられました。御社でも、持ち前の責任感を活かして貢献してまいります。
協調性がある
私の長所は、協調性があるところです。どの職場においても周りの人の意見に耳を傾け、同僚や上司とのコミュニケーションを大切にしながら業務に取り組んでまいりました。職場で困っている社員の手助けをしたり、相手の意見を尊重したりできるため、周囲と調和する能力があると感じています。御社でも、自身の長所である協調性を活かして貢献していきたいです。
前向き
私の長所は、何事も前向きに捉えられるところです。たとえば、仕事でミスをしてしまったとき、「このミスを次の成功に活かすにはどうしたら良いか」を第一に考えています。この前向きな姿勢が評価され、前職では新入社員のサポートやレクチャーを任されるなど、周りからの信頼も厚くなったと感じています。御社でも、長所を活かして何事も前向きに業務に取り組んでまいりたいと思います。
粘り強さがある
私の長所は、粘り強さがあるところです。販売の仕事に就いていた頃、売上が伸びない商品に対し「どうやったらお客様の手に取ってもらえるか」「どこに配置したりどのように並べたら目につきやすいか」など、試行錯誤を繰り返しました。その粘り強さが結果に表れ、前年比140%の売上アップに繋がりました。御社でも、この粘り強さを活かして、何事にも諦めずに精一杯取り組んでいきたいと思います。
計画性がある
私の長所は、計画性をもって取り組めるところです。スケジュール調整や時間の管理などをしっかり行う性格で、効率よく業務を遂行するためにプランを立てたりツールを作成したりするのが得意です。前職でも私の作成したプランが採用され、社内でも高く評価されました。御社でも、長所を活かし業務に貢献したいと考えております。
向学心がある
私の長所は、向学心があるところです。前職でも現状にとどまらず「もっと良い方法はないか」「違うアイディアはないか」と考え、新たな知識やアイディアを得ることを心がけてきました。その結果、会議でも私の提案が採用されたり、周囲から意見を求められたりする機会が増えました。また、学ぶ意欲が高いため未経験の仕事であっても前向きに楽しく取り組めます。入社後も向学心を活かして活躍したいと思います。
柔軟性がある
私の長所は、柔軟性があるところです。学生時代に海外のさまざまな国を訪れた経験から、どのような環境であっても柔軟に受け入れ、楽しく過ごせるようになりました。また、トラブルにも落ち着いて臨機応変に対応できるようになりました。そのため、御社でも持ち前の柔軟性を活かして活躍したいと思います。
行動力がある
私の長所は、行動力があるところです。目標を達成するために主体的に行動し、新しいことにも挑戦できるバイタリティーがあります。前職では、イベントの企画や主催のサポートを任されていました。イベントを行うにあたって最適な時期や場所などを現地に出向いて調べたり、SNSを利用してイベントの告知したりするなど精力的に行動しました。御社でも主体的にアイディアを出し、実行に移して貢献したいと思います。
リーダーシップがある
私の長所は、リーダーシップがあるところです。これまでもチームのリーダーや指導役を任された経験が多く、集団をまとめる力があると自負しています。御社でも、持ち前のリーダーシップを活かして、チームを引っ張っていく存在として活躍したいと思います。
好奇心旺盛で探究心がある
私の長所は、好奇心旺盛で探究心があるところです。未経験の仕事であっても、新たな発見や学びを楽しんで前向きに取り組めます。また、より良くするための方法を調べるのも得意です。前職は未経験の職種でしたが、自ら積極的に学んだことで、「新人の中では一番覚えが早い」と賞賛の言葉をいただきました。この長所を御社の業務にも活かしたいと思います。
転職の面接で短所を伝えるときの例文
ここでは、短所を伝える際の例文を紹介します。短所は事実のみを伝えるとマイナスイメージが強くなる恐れもあるため、改善に向けて意識している点や努力している点を伝えるようにしましょう。
せっかち
私の短所は、せっかちなところです。思い立ったらすぐに行動してしまうため、業務において判断ミスをしてしまう経験がありました。この欠点を改善するために、自分でよく考えてから行動するように心がけています。その結果、落ち着いて行動できるようになり、細かなミスもなくなりました。
人見知りで内向的
私の短所は、人見知りなところです。特に、初対面の人とコミュニケーションを取るときは緊張してしまい、上手に話せません。慣れてくると普段通り接することができるため、初対面の人とは「会話を楽しもう」と考え方を変えたり肩の力を抜いたりして、コミュニケーションを取るように心がけています。
心配性
私の短所は、心配性なところです。特に、慣れない作業をする際はミスしていないか何度も確認してしまいます。そのため、作業に時間がかかってしまうことがありました。この欠点を改善するために、確認は3回までとルールを決めて行うようにしています。
自己主張が強い
私の短所は、自己主張が強いところです。こだわりが強く、自分の意見を曲げないところがあります。また、自分の考えに固執してしまい、視野が狭くなってしまった経験もありました。そのため、他人の意見も柔軟に取り入れ、多角的な視点で物事を見るように努力しています。
計画性がない
私の短所は、計画性がないところです。綿密な計画を立てて動くよりも、「とりあえずやってみよう」とすぐに行動に移す性格なので、途中で失敗に気付くこともありました。この経験から、優先順位や最終目的の確認など、計画的に行動する大切さを学びました。
世話焼き
私の短所は、世話焼きなところです。良かれと思ってつい、他の人の作業を手伝ってしまう傾向があります。世話を焼きすぎると場合によっては相手の成長の妨げになったり、自分の業務が遅れたりすることもあるため、現在では状況やタイミングを見て行うように心がけています。
楽観的
私の短所は、楽観的なところです。「なんとかなるだろう」と深く考えずに行動に移し、失敗した経験もありました。現在では、楽観的に良い面だけを見るのではなく、さまざまな事態を想定して行動しています。
相手に気を遣いすぎる
私の短所は、相手に気を遣いすぎるところです。前職では、場の雰囲気を気にするあまり、八方美人のような振る舞いをしてしまった経験がありました。この欠点を改善するために、自分の意見をしっかり持ち、伝える努力をしています。
転職面接では、長所・短所の答え方以外にも服装が重要です。「日本で転職面接を受ける際の服装は?好印象の着こなし方を男女別に解説」の記事を参考にして、面接にふさわしい服装を知りましょう。
まとめ
転職の面接において、長所と短所は良く聞かれる質問です。面接官は、長所と短所を聞いてその人の性格や自社と適合しているかを確認します。また、長所と短所は伝え方が重要です。例文を参考にして、長所は応募先の企業で活かせるものを、短所は改善可能なものや欠点を克服するための努力が見られるものを選びましょう。
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